3PL会社のSEO対策|荷主獲得につなげるサイト設計

3PL事業者のWebサイトを拝見すると、「3PL対応」「ワンストップ物流」「柔軟な物流サービス」という言葉は掲載されているものの、その会社が実際にどの商材を、どの拠点で、どこからどこまで受託できるのかが読み取れない、というケースがあります。

物流の委託先を探している荷主は、抽象的な言葉ではなく条件を見ています。自社の商材を扱ってもらえるか、必要な温度帯があるか、出荷件数やロットが合うか、既存のシステムとデータをやり取りできるか、希望する時期に稼働できるか。この判断材料がサイト上になければ、検索から人が来ても、問い合わせの手前で離脱している可能性があります。

一方で、「3PL」という一語の順位を上げれば案件が増える、という話でもありません。「3PL」で検索している人のなかには、委託先を探している荷主も、業界構造を調べている学生や同業他社も、就職活動中の人も混ざります。順位が上がって流入が増えても、問い合わせ内容が自社の受託条件と合うとは限りません。

この記事では、3PL事業者の経営者・営業責任者・Web担当者の方に向けて、次の流れでサイト設計を整理します。

荷主はどんな課題・条件で検索するのか

自社はどの検索需要を受けるべきか

どのページで受けるか

何を書けば荷主が委託可否を判断できるか

問い合わせへどうつなぐか

届いた問い合わせが、本当に受けたかった案件かを確認する

なお、「3PLとは何か」「委託できる業務」「事業者の選び方」といった荷主向けの解説は、別記事の「3PLとは」で扱っています。この記事は、3PLサービスを提供する側が、自社サイトをどう設計するかに絞ります。

目次

3PL会社のSEOで増やしたいものを先に決める

SEOの相談をいただくとき、最初に確認するのは「どのキーワードを狙うか」ではありません。どんな荷主から、どんな案件の相談を増やしたいかです。

3PLという言葉が指す範囲は、事業者によって大きく異なります。保管と入出庫を中心に受けている会社、流通加工まで含めて受けている会社、EC出荷と配送手配まで受けている会社、WMSの提供や物流設計・改善まで踏み込んでいる会社があります。荷主から見れば、「3PL会社です」と名乗っているだけでは、依頼できる範囲は分かりません。

ここを言語化しないままキーワード選定を始めると、書ける中身のないページが増えます。先に、次の項目を社内で整理します。

  • 受託業務:入荷、検品、保管、在庫管理、流通加工、ピッキング、梱包、出荷、配送手配、返品処理のうちどこを受けるか
  • 受託範囲の広さ:工程の一部か、運用全体か、物流設計・改善の提案まで含むか
  • 商材:実績と設備の裏付けがある商材、逆に受けていない商材
  • 拠点:所在地、面積、温度帯、バース、設備、稼働時間
  • 規模:受けやすい物量の範囲、最小ロットの考え方、繁忙期の吸収余力
  • システム:WMSは自社開発か外部パッケージか、荷主側システムとの連携方法、EC関連の連携経験
  • 条件:BtoB/BtoC、返品、賞味期限・ロット管理、出荷締め時間、土日祝の稼働
  • 移管:既存委託先からの切り替え経験、移管時の進め方

そのうえで、優先して増やしたい荷主像を決めます。すべての荷主に向けたページは、結果としてどの荷主にも当てはまらない文章になりがちです。既存の主要荷主のうち、運用が安定していて採算も合っている案件を並べると、自社が受けやすい条件が見えてくることがあります。

これは、SEOの前段として整理する内容です。検索キーワードを検索テーマへまとめ、担当URLを決める手順そのものは「物流会社のSEOキーワード・サイト構造設計」で扱っています。この記事では、その手順を3PL特有の条件に当てはめていきます。

自社で確認すること:最近受注した3PL案件のうち確認できるものを、商材・拠点・受託範囲・物量・システムで一覧にしてください。そのうえで「もう1件ほしい案件」と「もう受けたくない案件」を分けると、SEOで狙う方向が決まります。

「3PL」という1語だけを狙わない

3PL会社のSEOで最初に挙がるキーワードは、たいてい「3PL」です。ただし、荷主が必ずこの語で検索するとは限りません。

物流の外部委託を検討している担当者は、自社の状況を言葉にして検索します。その言葉は、業界用語ではなく、目の前の業務や課題であることがあります。

検索されている可能性のある言葉検索者の状況として考えられるもの
3PL用語を知っている。委託先探し・用語理解・業界調査が混在する可能性
物流アウトソーシング委託という選択肢を検討し始めた段階の可能性
物流 委託/物流業務 外注自社物流の限界を感じ、外部化を検討している可能性
倉庫 委託/倉庫 保管保管場所を先に探している可能性
発送代行小口出荷・EC出荷を前提にしている可能性
EC物流 委託カート・モール運用を前提にしている可能性
食品物流 委託温度帯・衛生管理が前提条件になっている可能性
流通加工 委託保管ではなく作業を委託先に求めている可能性
在庫管理 外注在庫精度・システムに課題を感じている可能性
物流コスト 改善/物流改善まだ委託先を探しておらず、情報収集の段階である可能性
3PL 地域名拠点の位置が条件になっている可能性

ここで重要なのは、この表は「そう検索されている」という断定ではないということです。同じ言葉でも、検索する人の状況は一様ではありません。

たとえば「物流委託」は、委託先を探している荷主の検索と、委託の是非を社内で検討している段階の検索と、委託契約の書式を調べている検索が混ざることがあります。「倉庫 保管」は、荷主の検索と、倉庫物件を探している検索と、保管方法を調べている検索が混ざる可能性があります。

判断材料になるのは、実際の検索結果です。その検索語で、どの種類のページが上位に並んでいるかを確認します。

  • 事業者のサービスページが並ぶ
  • 情報記事・用語解説が並ぶ
  • 比較サイト・ポータルが並ぶ
  • 倉庫物件サイトが並ぶ
  • 拠点ページが並ぶ

サービスページが並んでいれば、自社もサービスページで受ける候補になります。用語解説と比較サイトばかりであれば、サービスページを当てても届きにくく、情報記事で受けるほうが自然な場合があります。検索語の見た目ではなく、検索結果に並ぶページの種類から判断します。

自社で確認すること:自社が受けたい案件に近い言葉を複数書き出し、実際に検索して、上位に並ぶページの種類をメモしてください。「サービスページが並ぶ語」と「記事が並ぶ語」を分けるだけでも、着手すべきページの型が変わります。

荷主検索を「サービス × 商材 × 地域 × 条件・課題」で整理する

3PL会社が受ける検索は、次の4軸に分解すると整理しやすくなります。

  • サービス:3PL、物流アウトソーシング、物流代行、倉庫保管、入出庫、在庫管理、流通加工、フルフィルメント、発送代行、輸配送
  • 商材:食品、冷凍・冷蔵食品、化粧品、日用品、アパレル、医療機器、精密機器、EC商材、資材
  • 地域:拠点の所在地、配送圏、荷主の生産・出荷拠点のあるエリア
  • 条件・課題:小ロット、多品種、冷凍・冷蔵、賞味期限管理、ロット管理、流通加工、当日出荷、土日出荷、返品、WMS、システム連携、波動対応、拠点集約、物流コスト、移管

荷主の検索は、これらの組み合わせで現れることがあります。「食品 3PL 関東」「化粧品 流通加工 委託」「EC 発送代行 小ロット」といった形です。

ここで注意したいのが、4軸を掛け合わせた組み合わせをすべてページ化するという話ではないことです。

上に挙げた程度の項目数でも、4軸を機械的に掛け合わせれば、組み合わせは相当な数になります。しかし、そのほとんどは自社の受託範囲外か、中身の差を書けないページになります。地名だけを差し替えたページや、商材名だけを差し替えたページが並ぶと、荷主にとって判断材料になりません。

ツリーズコンサルティングの独自調査では、荷主側の検索キーワード500件を、検索意図と代表的な検索結果を確認しながら253の検索テーマへ整理し、さらにページの型として46のページ母型へ整理しています。この整理で示しているのは、500キーワードが500ページになるわけではないということです。意図の近い検索語は1つの検索テーマにまとまり、1つのページで受けられる場合があります。

たとえば「物流アウトソーシング」「物流委託」「物流外注」「物流業務 委託」は、表記は異なりますが、知りたいこと(何を任せられるか、費用、進め方)と検索結果が近い場合があります。この場合、4語それぞれにページを作るのではなく、1つの検索テーマとして1ページで受ける判断になります。

また、46のページ母型は「46ページ作れば良い」という意味ではありません。自社の受託範囲に関係する母型だけを選び、そのうち優先度の高いものから着手します。

検索テーマへのまとめ方、主担当URLの決め方、カニバリの避け方は「物流会社のSEOキーワード・サイト構造設計」で詳しく扱っています。

自社で確認すること:書き出した検索語を4軸に分類したうえで、「自社が実際に受けられる組み合わせ」と「受けられない組み合わせ」に印をつけてください。受けられない組み合わせは、検索需要があってもページ化の対象から外します。

どの検索をどのページで受けるか

検索テーマが整理できたら、次はページの型を決めます。3PL会社の場合、受け皿になるページは主に次の5種類です。

ページの型主な役割受ける検索の例
3PLサービスページ受託範囲・条件・システム・進め方を説明する中心ページ3PL、物流アウトソーシング、物流委託
商材ページその商材固有の設備・作業・管理項目を説明する食品物流 委託、化粧品 物流 委託
拠点ページその拠点の位置・設備・温度帯・対応内容を説明する地域名+倉庫、地域名+3PL
条件ページ特定条件での対応可否と運用を説明する小ロット、冷凍、当日出荷、流通加工
情報記事用語・比較・検討材料を説明する3PLとは、物流コスト 改善、委託先 切り替え

どの型を当てるかは、次の順で判断します。

  1. その検索語の実際の検索結果を確認し、どの種類のページが並んでいるかを見る
  2. 自社が受けられる案件かどうかを確認する
  3. 既存ページで受けられないかを確認する
  4. 独自の中身を書けるかを確認する
  5. 書けるなら新規、書けないなら既存ページ内の項目として扱う

なぜこの順で判断するか。検索結果を確認すると、検索語の表面だけから意図を推測するより、どの種類のページが求められているかを判断する材料が増えます。既存ページを先に確認するのは、似た役割のページが増えると、どのページを主担当にするかが曖昧になり、内部リンクやページ間の役割も整理しにくくなるためです。書ける中身の有無を最後に確認するのは、中身がないまま独立させたページは、荷主の判断材料にならないためです。

たとえば「冷凍 3PL」という検索テーマを検討する場合を考えます。自社に冷凍設備があり、冷凍商材の受託実績があり、温度帯・保管能力・入出庫条件・配送手配まで書けるのであれば、条件ページまたは商材ページとして成立する候補になります。一方、冷凍対応が特定拠点の一部区画だけで、書ける内容が「冷凍にも対応しています」の一文であれば、独立ページにせず、3PLサービスページと該当拠点ページの中に条件として記載するほうが、荷主にとっても分かりやすくなります。

自社で確認すること:受けたい検索テーマごとに「どのURLが主担当か」を1つずつ書き出してください。主担当が決まらないテーマは、ページを作る前に、既存ページとの役割整理が必要な状態です。

3PLサービスページで荷主が確認していること

3PLサービスページは、荷主が「この会社に相談してよさそうか」を判断するページです。読んだ荷主が、自社の案件に当てはめて考えられる状態を目指します。

判断材料になりやすい項目は次のとおりです。

  • 受託範囲:入荷・検品・保管・在庫管理・流通加工・ピッキング・梱包・出荷・配送手配・返品処理のうち、どこからどこまでを受けるか
  • 対応商材:実績のある商材、扱いが難しい商材
  • 温度帯:常温・定温・冷蔵・冷凍の対応可否と、対応している拠点
  • 拠点:所在地、エリア、複数拠点の役割
  • 設備:ラック形態、マテハン、検品・作業スペース、バース
  • 物量・ロット:受けやすい物量の範囲、小ロットへの対応の考え方
  • 流通加工:ラベル貼付、セット組、同梱、ギフト包装、検針、値札付けなど、実際に対応している作業
  • システム:WMSの提供有無、荷主側での在庫照会の可否、データ連携の方法と形式
  • 配送:自社便か協力会社か、対応エリア、リードタイムの考え方
  • 出荷条件:締め時間、土日祝の稼働、当日出荷の可否
  • 波動対応:繁忙期の人員・スペース確保の考え方
  • 導入・移管:相談から稼働までの流れ、既存委託先からの切り替え対応
  • 実績:件数ではなく、どのような案件を扱ってきたか
  • 見積:見積を出すために必要な情報
  • 問い合わせ:何を相談できるのかが分かる導線

各項目をどの粒度で書くか、数値をどこまで出すか、対応できない条件をどう扱うかといったサービスページ単体の書き方は「物流会社のサービスページSEO」で扱っています。ここでは、3PL特有の論点に絞ります。

3PLサービスページで特に確認したいのは、次の3点です。

1つ目は、工程のどこからどこまでを受けるかです。 「ワンストップ」と書かれていても、配送まで含むのか、保管と出荷までなのかが分かりません。

2つ目は、システムの中身です。 「WMS導入済み」とだけ書かれていても、荷主が知りたいのは、自社の受注データをどう渡すのか、在庫をどこまで自社で見られるのかです。

3つ目は、拠点ごとの違いです。 「全国対応」と書かれていても、どの拠点でどの温度帯・商材に対応できるのかが分からなければ、荷主は自社の出荷条件に当てはめられません。

自社で確認すること:自社の3PLサービスページを上から読み、上記の項目のうち何が書かれていないかを数えてください。書かれていない項目のうち、営業がヒアリングの初回で必ず説明している内容から順に、記載の候補になります。

「一括受託」と「部分委託」の境界を示す

3PL案件といっても、実際の受託範囲は案件ごとに違います。

  • 保管と入出庫だけ
  • 保管・入出庫に流通加工を加える
  • EC出荷まで含む
  • 配送手配・配送まで含む
  • WMS提供とシステム連携まで含む
  • 物流設計・改善提案まで含む

荷主側も、最初から全部を委託するとは限りません。自社倉庫を残したまま一部拠点だけ委託する、繁忙期だけ委託する、EC出荷だけ切り出す、といった検討をしていることがあります。

にもかかわらず、サイト上に「3PL対応」とだけ書かれていると、荷主は次のように判断できません。

  • 保管だけの相談をしてよいのか、断られるのか
  • 配送は自社の既存運送会社を使い続けられるのか
  • 一部工程だけの委託でも受けてもらえるのか
  • 逆に、設計・改善まで相談できるのか

どう書くか。工程を並べたうえで、標準的に受ける範囲、相談に応じて受ける範囲、対象外の範囲を分けて示す方法があります。

工程記載の例
入荷・検品標準的に受託
保管・在庫管理標準的に受託
流通加工内容により対応可否が変わるため、作業内容を確認のうえ相談
出荷(BtoB)標準的に受託
出荷(BtoC個口)対応拠点が限られるため要確認
配送手配協力会社との連携で対応。荷主指定の運送会社を継続することも可
返品処理内容により相談
物流設計・改善受託運用のなかで提案

なぜこう分けるか。「一括で受けます」とだけ書くと、部分委託を検討している荷主が相談をためらう可能性があります。逆に「柔軟に対応します」だけでは、どこまで柔軟なのかが分かりません。工程ごとに受託の姿勢を示すと、荷主は自社の状況と照らして相談の可否を判断しやすくなります。

自社側にとっても、対象外の工程を明示しておくと、受けられない相談への対応工数が減る場合があります。ただし、すべての対象外条件を公開すべきということではありません。案件によって相談に応じられる条件は「ご相談ください」の形で残し、繰り返し断っている条件から順に、事前に分かる形で書く判断になります。

自社で確認すること:入荷から返品処理までの工程を紙に書き出し、それぞれ「標準で受ける/相談で受ける/受けない」を営業と現場で確認してください。両者の認識がずれている工程は、サイトに書く前に社内で揃える対象です。

抽象的な3PLページを、判断できるページへ書き換える

書き方の違いを示すための記入イメージです。以下は架空の例であり、実在する企業の事実ではありません。 実際には自社で確認できる事実だけを書いてください。

改善前

物流業務をワンストップでサポートします。お客様に最適な3PLサービスを提供します。豊富な実績と柔軟な対応力で、お客様の物流課題を解決します。

この文章から荷主が読み取れることは、ほとんどありません。どの商材を扱えるのか、どこに倉庫があるのか、どの工程を任せられるのか、自社の出荷件数に合うのか、既存システムとつなげるのかが分かりません。判断できないため、他社と比較する材料にもなりません。

改善後

関東2拠点で、入荷・検品・保管・在庫管理・流通加工・EC出荷・配送手配まで対応しています。食品は常温・冷蔵に対応し、賞味期限とロットでの在庫管理を行っています。EC商材は○○拠点で、当日出荷の締め時間と同梱作業についてご相談いただけます。WMSでの在庫照会と、受注データのCSV連携・出荷実績データの返送に対応しています。保管と出荷のみといった一部工程の委託もご相談いただけます。

何が変わったか

改善後の文章は、単に長くなったわけではありません。変わったのは、荷主が自社の条件と突き合わせられる情報になったことです。

改善前の表現改善後に置き換わったもの
ワンストップ入荷・検品・保管・在庫管理・流通加工・EC出荷・配送手配という工程の明示
最適な3PLサービス商材(食品・EC商材)と温度帯(常温・冷蔵)の明示
豊富な実績賞味期限・ロット管理という具体的な運用内容
柔軟な対応力一部工程のみの委託も相談可、という受託姿勢の明示
(記載なし)拠点数とエリア、システム連携の方法

この情報の多くは、新しく作る必要のないものです。営業資料、倉庫案内、提案書、見積時のヒアリングシート、現場の作業手順書のなかに、すでに書かれていることがあります。まず社内資料を確認し、不足分を営業・現場へ確認する順序で進めると、負担が小さくなります。

なお、改善後の文章に書いた内容は、実際に対応している範囲に限ります。サイトの記載と商談での説明が食い違うと、その後の信頼に影響します。書ける範囲が狭いのであれば、狭いまま正確に書くほうが、荷主にとっても自社にとっても扱いやすくなります。

自社で確認すること:自社の3PLサービスページの冒頭を読み、そこに「工程」「商材」「温度帯」「拠点」のうちいくつが書かれているかを数えてください。ゼロであれば、書き換えの優先度は高くなります。

商材によって荷主の判断材料は変わる

同じ「3PL委託」でも、荷主が確認する項目は商材で変わります。商材ページを作るかどうかにかかわらず、この違いを理解しておくと、サービスページに書く内容の優先順位が決まります。

食品

温度帯(常温・定温・冷蔵・冷凍)の対応可否と、その温度帯を持つ拠点。賞味期限とロットでの在庫管理、先入れ先出しの運用。衛生管理の体制。冷蔵・冷凍設備の保管能力と入出庫時の温度管理。納品先が要求する期限残の条件に対応できるか。

化粧品

流通加工の内容が判断材料になりやすい商材です。ラベル貼付、表示シールの貼り替え、セット組、ギフト対応、外装の検品基準。外装の傷やへこみに対する判定基準は荷主ごとに異なるため、どこまで細かい検品に対応できるかが問われることがあります。該当する場合は許認可や管理体制も確認対象になります。作業実績があるかどうかが、相談の可否を左右します。

EC商材

小ロット・多SKUの在庫管理、出荷の締め時間、当日出荷の可否、WMSとOMS・ECカートとのデータ連携、返品・交換の処理、同梱物やギフト包装、セール期の波動対応。EC事業者は運用条件の適合を細かく見る傾向があります。

ただし、EC物流・フルフィルメント・発送代行に特化したサイト設計は「EC物流・フルフィルメント会社のSEO対策」で扱っています。この記事では、3PLサービスのなかでEC出荷を受ける場合の一項目として、簡潔に扱います。

商材ページを作るかどうかの判断

商材ページを作る候補になるのは、次の条件がそろう場合です。

  • その商材を実際に受託できる
  • 商材固有の設備・作業・管理項目について、具体的に書ける
  • 荷主が知りたい独自の情報を掲載できる
  • 検索結果を確認したうえで、ページを分けることが妥当だと判断できる

逆に、検索語が存在するというだけの理由で商材ページを増やすと、本文がサービスページとほぼ同じで、商材名だけが差し替えられたページが並びます。荷主にとって判断材料にならないうえ、サイト内で似た役割のページが増える原因になります。

書ける内容が少ない商材は、独立ページにせず、3PLサービスページの「対応商材」の項目として扱う判断もあります。実績が増え、書ける内容が増えた段階で独立させる、という順序でも問題ありません。

自社で確認すること:受けたい商材ごとに、「その商材だからこそ書ける内容」を書き出してください。具体的な設備・作業・管理条件など、その商材固有の内容を十分に説明できない場合は、独立ページではなく既存ページ内で扱うことも検討します。

拠点によって受けられる案件は違う

3PL会社が複数拠点を持っている場合、「全国対応」という記載だけでは、荷主は判断できません。

物流では、拠点の位置が案件の可否を左右します。荷主は、自社の生産拠点や出荷先との距離、配送圏、リードタイム、トラックの動線を前提に検討します。そのため、拠点ごとに次の情報が必要になります。

  • 所在地と、主要道路・インターチェンジからのアクセス
  • 面積と保管能力
  • 温度帯(拠点ごとに異なる場合、どの区画がどの温度帯か)
  • 対応商材
  • 対応できる作業(流通加工の内容、検品の粒度)
  • 設備(ラック形態、マテハン、作業スペース、バース数)
  • 入出荷の時間帯、出荷締め時間
  • 配送圏とリードタイムの考え方

なぜ拠点別に書くか。「全国対応・冷凍対応可」と書かれていて、実際には冷凍が1拠点だけの場合、その拠点から遠い荷主が問い合わせても案件になりません。荷主側も自社側も、確認に時間を使うことになります。拠点ごとの対応内容を示しておくと、条件の合う荷主からの相談に絞りやすくなる可能性があります。

サービスページと拠点ページの役割分担

サービスページと拠点ページは、書く内容が一部重なります。完全に分けるのではなく、どちらが主役かを決めます。

3PLサービスページ拠点ページ
主役何を、どこまで、どんな条件で受けるかどこで、どんな設備で対応できるか
拠点の扱い対応拠点の概要と、拠点ページへのリンクその拠点の詳細情報
サービスの扱い受託範囲・工程・システムの説明その拠点で受けられるサービスと、サービスページへのリンク

3PLサービスページに全拠点の設備仕様を詳しく書くと、受託範囲の説明が埋もれます。逆に拠点ページに3PLの一般的な説明を長く書くと、拠点固有の情報が後ろへ下がります。

避けたいのは、同じ文章の地名部分だけを差し替えたページを増やすことです。拠点が存在しない地域のページを作れば、問い合わせを受けた段階で対応できないことが分かり、営業側の負担になります。拠点はないが営業エリアとして対応できる地域がある場合は、拠点ページとは別に、配送圏やエリア対応の考え方を説明する形で整理する方法があります。

地域SEO・拠点ページの設計は「物流会社の地域SEO・拠点ページSEO」で詳しく扱っています。

自社で確認すること:拠点ごとに「温度帯・対応商材・対応作業・出荷締め時間」を一覧にし、拠点ページの記載と一致しているかを確認してください。一覧が作れない場合は、営業・現場への確認から始めます。

3PL導入事例は「ロゴ一覧」で終わらせない

導入事例は、荷主が委託先を検討するときに見る情報のひとつです。ただし、大手企業のロゴが並んでいるだけでは、荷主が知りたいことに答えていない可能性があります。

荷主にとって重要なのは、企業名やロゴの大きさだけではなく、自社と似た条件の案件を扱えるかを確認できることです。たとえば中小規模のEC事業者にとって、大手メーカーのロゴ一覧だけでは、自社と近い規模・条件の案件を受けてもらえるか判断しにくい場合があります。

守秘義務がある場合でも、匿名化したうえで次のような情報は示せることがあります。

  • 荷主の業種と商材(社名を出さずに「関東の食品メーカー」「化粧品のD2Cブランド」など)
  • 委託前の課題(自社倉庫の手狭、繁忙期の人員確保、誤出荷、拠点分散、システム未対応など)
  • 委託前の物流体制(自社倉庫、他社委託、複数拠点分散)
  • 物量・規模感(公開できる範囲での目安。正確な数値が出せない場合は、規模帯の表現にとどめる)
  • 受託した範囲(どの工程からどの工程まで)
  • 対応した拠点と温度帯
  • システムと連携方法(連携の形式、荷主側で確認できる情報の範囲)
  • 流通加工の内容
  • 移管の進め方(一括移管か段階移管か、稼働までの流れ、テスト出荷の有無)
  • 運用開始後に変わったこと

注意したいこと。成果を数値で示す場合は、事実として確認でき、荷主の許諾を得られているものに限ります。算出根拠を説明できない数値や、条件を伏せたまま示す改善率は、商談の段階で説明を求められたときに困ることになります。

また、事例を成功譚として整えすぎないほうが、実務上は扱いやすくなります。移管時に想定外の作業が出た、当初の想定より在庫が多かった、稼働初期に出荷精度の調整が必要だった、といった経緯を公開可能な範囲で示すほうが、同じ懸念を持つ荷主には伝わることがあります。

ツリーズコンサルティングのSEO支援事例でも、改善したもの、改善しなかったもの、未実装のものを分けて扱っています(「物流会社のSEO支援事例」)。事例は、施策の万能性を示すためではなく、判断の例として使うものです。

自社で確認すること:既存の導入事例ページを開き、「業種・課題・受託範囲・拠点・システム」の5項目のうちいくつが書かれているかを確認してください。ロゴと社名だけであれば、既存荷主のうち掲載許諾を取れそうな1社から、内容を追加する候補になります。

情報記事で受けたほうがよい検索がある

3PL会社が受けたい検索のなかには、サービスページを当てても届きにくいものがあります。

たとえば次のような検索語です。

  • 物流コスト 削減
  • 物流改善
  • 物流 効率化
  • 在庫管理 課題
  • 物流 拠点 集約

これらは、委託先を探している荷主も検索しますが、まだ委託という選択肢に至っていない段階の検索が含まれる可能性があります。社内で改善案を検討している、上長へ提出する資料を作っている、という状況です。

実際の検索結果を確認すると、情報記事、コンサルティング会社の解説、業界メディアなどが並ぶことがあります。この場合、3PLサービスページでは検索している人の目的と合わない可能性があります。

どう判断するか。検索結果を確認したうえで、次のいずれで受けるかを決めます。

受け方適する場合
情報記事で受ける上位が解説記事中心で、検討の前段階の検索が多いと考えられる場合
導入事例で受ける課題の解決例を探している検索が含まれ、自社に該当する事例がある場合
サービスページで受ける上位に事業者のサービスページが並び、委託先探しの検索が中心と考えられる場合

情報記事で受ける場合も、記事のなかで自社サービスを長く宣伝する必要はありません。読者が知りたいことに答えたうえで、関連するサービスページや事例ページへ自然な位置で案内します。

なぜ記事だけを増やさないか。3PL会社のサイトでは、「3PLとは」「1PL・2PL・3PLの違い」「3PLのメリット・デメリット」といった記事が用意されている一方で、受け皿となるサービスページが手つかず、という状態を見かけることがあります。記事を読んだ担当者が次に知りたいのは、「この会社には、自社の商材を、どの拠点で、どんな条件で委託できるのか」です。その説明を担うのはサービスページであり、情報記事ではありません。

主要なサービスページの判断材料が不足している場合は、情報記事を増やす前に、受け皿となるサービスページの改善を優先する候補になります。ただし、すでに記事が多数あるサイトで記事を削除する必要があるという意味ではありません。記事からサービスページへの導線が機能しているかを確認するほうが先です。

記事テーマの選び方、一次情報の入れ方、公開後の確認方法は「物流会社のコンテンツSEO」で扱っています。

自社で確認すること:自社サイトの記事一覧を開き、それぞれの記事から3PLサービスページまたは事例ページへの内部リンクがあるかを確認してください。リンクがない記事は、関連するサービスや事例を確認する導線がない状態です。

3PL会社の内部リンク

内部リンクは、順位を操作するために数を増やすものではありません。このページを読んだ荷主が、次に確認したいページへつなぎます。

3PL会社のサイトでは、次のような接続が基本になります。

このページを読んだ人次に確認したい可能性があるもの
3PLサービスページ対応拠点の詳細、該当する商材ページ、導入事例、見積に必要な情報
商材ページその商材を扱う拠点、同じ商材の事例、関連する流通加工の説明
拠点ページその拠点で受けられるサービス、拠点の設備写真、アクセス
導入事例同じ受託範囲のサービスページ、その拠点のページ、問い合わせ
「3PLとは」系の記事自社の3PLサービスページ、受託範囲の説明
物流コスト・改善系の記事関連する事例、該当するサービスページ

アンカーテキストは、「こちら」だけにせず、リンク先の内容が分かる表現にします。「詳しくはこちら」より、「○○拠点の設備と対応温度帯を見る」のほうが、荷主は次に何が読めるかを判断できます。

また、既存記事との役割を確認し、同じ説明を長く重複させないようにします。たとえば「3PLとは」の説明は、サービスページでも数行触れる必要はありますが、記事と同じ分量を再掲する必要はありません。必要な範囲だけ書き、詳細は記事へ送ります。

自社で確認すること:3PLサービスページから出ている内部リンクを数え、それぞれが「荷主が次に確認したいもの」になっているかを確認してください。ナビゲーション以外のリンクが本文中に1つもない場合は、追加の候補があります。

問い合わせ導線と、聞いておく条件

検索から流入した荷主が最後に到達するのは、問い合わせフォームです。ここで「お問い合わせ」とだけ書かれていると、何を相談してよいのか分からず、送信をためらう場合があります。

CTAの文言は、相談できる内容が分かる形にします。

  • 3PLの委託についてご相談する
  • 自社商材の対応可否を確認する
  • お見積りに必要な情報を確認する
  • 倉庫見学についてご相談する
  • 既存委託先からの切り替えについて相談する

フォームの項目は、営業が初期対応で必ず聞く内容に合わせます。3PLの場合、次のような項目が候補になります。

  • 商材
  • 荷姿と保管形態
  • 在庫量の目安
  • 月間の出荷件数の目安
  • 出荷先(BtoB/BtoC、店舗、個人)
  • 希望する拠点・エリア
  • 必要な温度帯
  • 必要な流通加工
  • 現在の物流体制(自社/他社委託)
  • 使用しているシステム
  • 希望する開始時期

ただし、必須項目が多すぎると離脱の原因になります。必須は最小限にし、残りは任意項目にする方法があります。任意であっても、項目として並んでいること自体が「この会社は何を確認するのか」を示す情報になり、荷主が事前に社内で情報を揃えるきっかけになる場合があります。

見積に必要な情報をサイト上に明示しておくと、問い合わせの段階で必要な情報が揃いやすくなり、初回返信を具体的にできる可能性があります。

なお、CTAを多く配置すれば問い合わせが増える、という単純な関係ではありません。CTAが機能するのは、その手前までの記述で荷主が判断材料を得られている場合です。まず内容を整え、そのうえで位置を検討する順序で考えます。

問い合わせ後の商談・提案の進め方を含む新規荷主獲得全体は「物流会社の新規荷主獲得・新規開拓」で扱っています。

自社で確認すること:自社の問い合わせフォームの項目と、営業が初回のヒアリングで聞いている内容を並べて比較してください。営業が必ず聞いているのにフォームにない項目は、追加の候補になります。

問い合わせの「質」を見る

3PL会社の場合、問い合わせが増えても、そのまま案件になるとは限りません。

  • 対応していない商材
  • 拠点のエリア外
  • 物量・ロットが合わない
  • システム要件に対応できない
  • 希望する開始時期に稼働枠がない
  • 条件に対して採算が合わない

こうした問い合わせが増えると、営業の工数だけが増えます。そのため、検索順位や問い合わせ件数だけでSEOを評価しません。

見るのは、次の流れです。

検索での露出

重要ページへの流入

問い合わせ

自社の受託条件に合う案件(適合案件)

商談

見積

受注

確認する内容
検索どの検索テーマで露出しているか。商材名・地域名・条件が検索語に含まれているか
流入3PLサービスページ、商材ページ、拠点ページ、事例ページへの流入
問い合わせ件数と、その内容(商材、物量、エリア、条件)
適合受託条件に合う案件がどれだけあったか。合わなかった場合の理由
商談・受注商談化、見積提出、受注、そこから見た採算

なぜ適合の層を挟むか。問い合わせ件数だけを見ていると、対象外の問い合わせが増えた場合でも「成果が出ている」と評価してしまう可能性があるためです。逆に、件数だけでなく、想定していた商材・地域・受託条件の相談が届いているかを見ることで、検索テーマやページ設計の方向性を評価する材料になります。

適合しなかった問い合わせは、記録しておくと改善材料になります。「冷凍の相談が多いが自社は冷蔵のみ」であれば、温度帯の記載を見直す候補になります。「拠点外からの相談が多い」であれば、拠点とエリアの記載を見直す候補になります。断った理由が、そのままサイトに書き足す内容の候補になります。

なお、SEO以外のチャネルも含めた集客全体の設計は「物流会社のWeb集客」で扱っています。

自社で確認すること:最近の問い合わせを、「適合/不適合」で分類し、不適合の理由を数えてください。最も多い理由が、次にサイトへ書き足す内容の候補になります。

既存ページをどう改善するか

既存サイトがある場合、「順位が低いからリライトする」という判断は取りません。ページの状態によって、やるべきことが変わります。

状態見立て先に確認すること取りうる対応
A:検索流入があり、問い合わせも自社の受託条件に合っている現状が機能しているどの検索テーマから流入しているか、どの記述が判断材料になっているか不用意な全面改稿は避け、情報の追加・更新にとどめる
B:流入はあるが、対応できない案件の問い合わせが多い受けている検索テーマと、書いてある受託条件がずれている可能性流入している検索語、ページに書かれている商材・温度帯・エリア・物量の条件受託条件の記載を追加・修正し、受ける検索テーマを見直す
C:流入はあるが問い合わせが少ない判断材料か導線の不足工程・商材・温度帯・拠点・システムの記載、CTAの位置と文言、フォームの項目判断材料の追加と、導線の見直し
D:似た3PLページが複数ある役割の重複どのページが検索結果に出ているか、内容の差はどこか主担当URLを決め、統合するか役割を分ける
E:受けたい3PLサービスのページがない受け皿の不在検索需要があるか、実際の検索結果はどうか、書ける一次情報があるか新規作成の候補。書ける中身がなければ既存ページ内で扱う

なぜ状態で分けるか。Aのページを全面的に書き直すと、機能していた記述まで変わってしまうことがあります。Bのページに情報を足しても、条件のずれが解消されなければ、対象外の問い合わせは減りません。Dの状態で新規ページを追加すると、役割の重複がさらに増えます。順位という1つの指標だけでは、この違いを見分けられません。

既存ページの棚卸しから着手した実務例は「物流会社のSEO支援事例」で扱っています。サイト全体の改善判断は「物流会社のホームページ改善」で扱っています。

自社で確認すること:3PL関連の主要ページをA〜Eに分類してください。分類できないページがある場合、検索流入のデータと問い合わせ内容のデータのどちらが足りていないかを確認します。

3PL会社のSEOでよくある失敗

「3PL」というキーワードだけを狙う

なぜ問題か:「3PL」で検索する人には、委託先を探す荷主のほか、用語を調べている人、業界を調べている人が混ざる可能性があります。順位が上がっても、商談につながる問い合わせが増えるとは限りません。
確認すること:「3PL」の実際の検索結果に、どの種類のページが並んでいるか。自社が受けたい案件の荷主が、ほかにどんな言葉で検索する可能性があるか。

3PLの意味説明ばかりで、自社の受託条件が書かれていない

なぜ問題か:荷主が知りたいのは、3PLの一般的な定義ではなく、この会社に何を委託できるかです。定義の説明が長いページは、判断材料のないページになります。
確認すること:自社の3PLページから定義の説明を除いたとき、残る内容がどれだけあるか。定義は「3PLとは」のような記事へ送り、サービスページは受託条件に集中させます。

「ワンストップ」「最適化」「柔軟対応」で終わっている

なぜ問題か:どの3PL会社のページでも成立する文章になり、比較の材料になりません。
確認すること:抽象語の直後に、工程・商材・温度帯・条件のいずれかが書かれているか。

一括受託と部分委託の境界が分からない

なぜ問題か:一部工程だけの委託を検討している荷主が、相談してよいか判断できません。逆に、設計まで相談したい荷主も、そこまで受けてもらえるか分かりません。
確認すること:入荷から返品処理までの工程ごとに、受託の姿勢が書かれているか。

商材・温度帯・ロットが分からない

なぜ問題か:物流では、この3つが受託可否の前提条件になることが多く、記載がなければ荷主は検討対象に入れられません。
確認すること:対応商材、温度帯(拠点別)、受けやすい物量の範囲が書かれているか。

「WMS導入済み」とだけ書かれ、連携方法が分からない

なぜ問題か:荷主が確認したいのは、システム名ではなく、自社の受注データをどう渡すのか、在庫をどこまで自社で見られるのかです。名称だけでは判断できません。
確認すること:データ連携の方法と形式、荷主側で確認できる情報の範囲、連携した経験のあるシステムの種類が書かれているか。

「全国対応」と書いてあるが、拠点別の対応内容が分からない

なぜ問題か:冷凍が1拠点だけ、EC出荷が1拠点だけ、という場合、全国対応という記載は荷主の判断を誤らせます。問い合わせ後に対応できないことが分かると、双方の工数になります。
確認すること:拠点ごとの温度帯・対応商材・対応作業・出荷締め時間が書かれているか。

導入実績がロゴ一覧だけ

なぜ問題か:荷主が探しているのは、自社と似た案件の有無です。社名やロゴの一覧では、共通点を見つけられません。
確認すること:事例に、業種・商材・課題・受託範囲・拠点・システムが書かれているか。守秘義務がある場合は匿名化して書けないか。

「3PLとは」系の記事とサービスページの役割が重複している

なぜ問題か:同じ内容のページが複数あると、どちらを主担当にすべきか社内でも判断できず、内部リンクの設計もできません。
確認すること:用語解説は記事、受託条件はサービスページ、という役割分担ができているか。重複している説明はどちらに寄せるか。

商材 × 地域 × 条件ごとに似たページを量産している

なぜ問題か:中身の差がないページが並ぶと、荷主にとって判断材料にならず、サイト内の役割整理も難しくなります。実在しない拠点のページを作れば、問い合わせを受けても対応できません。
確認すること:各ページに、そのページでしか書けない内容があるか。ない場合、既存ページ内の項目として扱えないか。

記事だけ増やし、サービスページが弱いまま

なぜ問題か:記事を読んだ荷主が次に確認する場所がなく、検討が止まります。
確認すること:記事から3PLサービスページ・事例ページへの導線があるか。サービスページ側に判断材料があるか。

問い合わせ件数だけで成果を見ている

なぜ問題か:対応できない案件の問い合わせが増えても件数は伸びます。営業工数だけが増えている状態を、成果と誤認する可能性があります。
確認すること:問い合わせを適合/不適合で分類しているか。不適合の理由を記録しているか。

改善の進め方

STEP 1|増やしたい案件を決める
既存の3PL案件を商材・拠点・受託範囲・物量・システムで一覧化し、増やしたい案件と、そうでない案件を分けます。

STEP 2|自社の受託条件を整理する
工程ごとの受託姿勢、対応商材、拠点別の温度帯・設備、システム連携、条件を一覧にします。営業と現場の認識を揃え、「書けること」と「実際にできること」を一致させます。

STEP 3|荷主側の検索語を洗い出す
「3PL」だけでなく、荷主の課題・業務・条件から使われる可能性のある言葉を集めます。営業が荷主から実際に聞いた言葉、問い合わせ本文の表現も材料になります。

STEP 4|代表的な検索結果を確認する
主要な検索語について、実際にどの種類のページが並んでいるかを確認します。サービスページ、記事、比較サイト、物件サイトのどれが中心かで、当てるページの型が変わります。

STEP 5|検索テーマと主担当URLを決める
意図の近い検索語をまとめ、テーマごとに主担当URLを1つ決めます。既存ページで受けられるものは、新規作成しません。

STEP 6|中心となる3PLサービスページを整える
新規ページの追加より先に、受託範囲・商材・拠点・温度帯・システム・条件・実績・見積・問い合わせ導線を確認します。

STEP 7|拠点ページを拠点別の内容に整える
拠点ごとの温度帯・商材・作業・設備・出荷条件を記載し、サービスページとの役割分担とリンクを整えます。

STEP 8|条件が分かる導入事例を整える
掲載許諾を得られる荷主から、業種・課題・受託範囲・拠点・システム・移管の進め方を含む事例を作ります。

STEP 9|必要な商材・条件ページを追加する
独自の内容を書けるものから追加します。書ける内容が少ないものは、既存ページ内の項目として扱います。

STEP 10|情報記事と導線を整える
情報収集段階の検索を受ける記事を追加し、サービスページ・事例ページへの内部リンクを配置します。

STEP 11|問い合わせ内容から改善する
問い合わせを適合/不適合で分類し、不適合の理由をサイトの記載へ反映します。これを定期的な運用に組み込みます。

なお、着手から変化が見えるまでの期間は、既存サイトの状態、競合の状況、公開できる情報量、社内の実装体制によって異なります。一定の期間で結果が出ると決まっているものではありません。

3PL会社のSEOチェックリスト

前提の整理

  • 増やしたい案件(商材・拠点・受託範囲・物量)が決まっている
  • 工程ごとの受託姿勢について、営業と現場の認識が揃っている
  • 対応できない条件が社内で共有されている

検索需要

  • 「3PL」以外の、荷主の課題・業務・条件からの検索語を洗い出している
  • 主要な検索語について、実際の検索結果を確認している
  • 検索テーマごとに主担当URLが決まっている
  • 受託できない組み合わせを、ページ化の対象から外している

サービスページ

  • 入荷から返品処理までの、どこからどこまでを受けるかが分かる
  • 一部工程のみの委託を相談できるかどうかが分かる
  • 対応商材と、扱いが難しい商材が分かる
  • 温度帯と、その温度帯を持つ拠点が分かる
  • 受けやすい物量の範囲が分かる
  • 流通加工の具体的な作業内容が分かる
  • WMSの提供有無と、データ連携の方法が分かる
  • 出荷締め時間、土日祝の稼働が分かる
  • 相談から稼働までの流れが分かる
  • 見積に必要な情報が分かる

拠点

  • 拠点ごとに、温度帯・商材・作業・設備・出荷条件が書かれている
  • 「全国対応」だけで終わっていない
  • 拠点のない地域のページを作っていない
  • サービスページと拠点ページの役割が分かれている

事例

  • 業種・商材・課題・受託範囲・拠点・システムが書かれている
  • ロゴ・社名の一覧だけになっていない
  • 掲載している数値は、確認できる事実で、許諾を得ている

導線

  • 記事からサービスページ・事例ページへのリンクがある
  • アンカーテキストでリンク先の内容が分かる
  • CTAの文言で、何を相談できるかが分かる
  • フォームの項目が、営業の初期対応に必要な内容と合っている

評価

  • 問い合わせを適合/不適合で分類している
  • 不適合の理由を記録している
  • 商談・見積・受注まで確認している

まとめ

3PL会社のSEOは、「3PL」というキーワードで順位を取る作業ではありません。

荷主は、サービス × 商材 × 地域 × 条件・課題を組み合わせて委託先を探します。ただし、その組み合わせをすべてページ化するという意味ではありません。検索意図と実際の検索結果、既存ページ、そして自社が実際に受託できる範囲を確認して、担当するURLを決めます。

そのうえで、それぞれのページで説明するのは、抽象的な強みではなく、何を、どこまで、どの拠点で、どんな条件で受託できるかです。荷主はその情報を自社の状況に当てはめて、相談してよいかを判断します。

そして、成果は順位や問い合わせ件数だけで判断しません。

検索 → 流入 → 問い合わせ → 適合案件 → 商談 → 見積 → 受注

この流れで確認し、適合しなかった問い合わせの理由を、次にサイトへ書き足す内容の候補として扱います。

この記事を読み終えた時点で、次の8つを自社で確認できる状態を目指してください。

  1. 自社が増やしたい案件は何か
  2. その荷主は何と検索している可能性があるか
  3. どの検索をどのページで受けるか
  4. サービスページに何が足りないか
  5. 拠点ページとどう役割を分けるか
  6. 事例に何を書くか
  7. 情報記事で受けたほうがよい検索はどれか
  8. 届いている問い合わせは、本当に受けたい案件か

FAQ

Q. 3PL会社のSEOでは、どんなキーワードを狙えばよいですか?

A. サービス(3PL、物流アウトソーシング、物流委託、発送代行など)、商材(食品、化粧品、EC商材など)、地域(拠点のあるエリア、配送圏)、条件・課題(小ロット、冷凍・冷蔵、流通加工、WMS連携、当日出荷など)の4軸で検索語を洗い出し、自社が実際に受託できる範囲と重なるものを優先します。検索ボリュームの大きさだけで選ぶと、対応できない案件の問い合わせが増えることがあります。また、同じ検索語でも検索する人の状況は一様ではないため、実際の検索結果を確認したうえで、どのページで受けるかを判断します。

Q. 「3PL」で上位表示できれば問い合わせは増えますか?

A. 順位と問い合わせ件数は、そのまま比例するものではありません。「3PL」という検索語には、委託先を探している荷主のほかに、用語を調べている人や業界構造を調べている人が混ざる可能性があります。また、順位が上がってページを見てもらえたとしても、受託範囲や条件が読み取れなければ、荷主は相談の可否を判断できません。順位よりも、そのページで荷主が判断できる状態になっているかを先に確認します。

Q. 「3PLとは」の記事は作るべきですか?

A. 情報コンテンツとしては意味があります。外部委託を検討し始めた段階の読者や、社内で説明資料を用意している担当者に読まれる可能性があります。ただし、この種の記事だけを増やしても、荷主が「この会社に何を委託できるのか」を確認する場所がなければ、相談には進みにくくなります。サービスページを整えたうえで、そこへ案内する補助コンテンツとして位置づける順序が扱いやすくなります。3PLの意味・委託できる業務・選び方については「3PLとは」で扱っています。

Q. 商材ごとに3PLページを作るべきですか?

A. その商材を実際に受託でき、商材固有の設備・作業・管理項目について具体的に書ける場合は、独立ページの候補になります。食品の温度帯・期限管理、化粧品のラベル貼付や検品基準、アパレルの検針・値札付けなど、商材によって必要な対応が異なるためです。一方、内容がサービスページとほぼ同じで商材名だけが違うページになるのであれば、無理に分けず、サービスページ内の対応商材として記載する方法があります。実績が増えて書ける内容が増えた段階で独立させる、という順序でも問題ありません。

Q. 拠点がない地域のページを作ってもよいですか?

A. おすすめしません。問い合わせを受けても対応できず、営業側の負担になります。拠点はないが配送やエリア対応が可能な場合は、拠点ページとは別に、配送圏やエリア対応の考え方を説明する形で整理する方法があります。地域SEO・拠点ページの設計は「物流会社の地域SEO・拠点ページSEO」で扱っています。

Q. 3PLサービスページには何を書けばよいですか?

A. 受託範囲(どの工程からどの工程まで)、対応商材、温度帯と対応拠点、設備、受けやすい物量の範囲、流通加工の内容、WMSとデータ連携の方法、配送、出荷締め時間と稼働日、導入・移管の流れ、実績、見積に必要な情報、問い合わせ導線が基本です。「ワンストップ」「柔軟」といった表現だけでは、荷主は自社案件を相談できるか判断できません。項目ごとの書き方は「物流会社のサービスページSEO」で扱っています。

Q. 一部工程だけの委託も受けていますが、サイトにどう書けばよいですか?

A. 工程を並べたうえで、標準的に受ける範囲、内容により相談で受ける範囲、対象外の範囲を分けて示す方法があります。「一括で受けます」とだけ書くと、部分委託を検討している荷主が相談をためらう可能性があります。ただし、すべての対象外条件を公開すべきということではありません。繰り返し断っている条件から順に事前に分かる形で書き、案件により相談可能な条件は「ご相談ください」の形で残す、という分け方が実務上は扱いやすくなります。

Q. 問い合わせは増えましたが、対応できない案件ばかりです。

A. 受けている検索テーマと、ページに書かれている受託条件がずれている可能性があります。まず、流入している検索語と、実際の問い合わせ内容を並べて確認してください。そのうえで、断った理由を数えます。「冷凍の相談が多いが自社は冷蔵のみ」であれば温度帯の記載、「拠点外からの相談が多い」であれば拠点とエリアの記載が、見直しの候補になります。断った理由は、そのままサイトに書き足す内容の候補として使えます。

Q. 導入事例に企業名や数値を出せません。

A. 匿名化したうえで、業種・商材・委託前の課題・委託前の物流体制・受託範囲・拠点・システム連携・移管の進め方・運用開始後に変わったことを示す方法があります。荷主が事例で確認しているのは社名ではなく、自社と似た案件を扱えるかどうかです。数値を出す場合は、事実として確認でき、荷主の許諾を得られているものに限ります。算出根拠を説明できない数値は、商談の段階で説明を求められたときに困ることになります。

Q. どのくらいの期間で成果が出ますか?

A. 一律には申し上げられません。既存サイトの状態、公開できる情報の量、競合の状況、社内での実装体制によって変わります。着手の順序としては、中心となる3PLサービスページの判断材料を整えることから始めると、検索順位の変化を待たずに、既存の流入や営業経由の閲覧に対しても効果を確認しやすくなります。

3PL会社のSEOはツリーズコンサルティングにご相談ください

ツリーズコンサルティングでは、3PL・物流・倉庫会社のWebサイトについて、増やしたい案件からの検索需要の整理、検索テーマと主担当URLの設計、3PLサービスページ・拠点ページ・事例ページの役割分担、営業・現場からの一次情報の引き出し、内部リンクと問い合わせ導線の設計を支援しています。

次のような段階からご相談いただけます。

  • 「3PL」中心のキーワード設計から見直したい
  • サービスページはあるが、受託範囲や条件をどう書けばよいか分からない
  • 拠点ごとの対応内容をどこまでサイトに出すか判断したい
  • 導入事例を、荷主が判断できる形にしたい
  • 検索流入はあるが、問い合わせに進まない
  • 対応できない案件の問い合わせが多く、受託条件の見せ方を見直したい
  • 似た3PLページが増えており、役割を整理したい

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