物流会社のWeb集客|荷主獲得につなげるSEO・Web広告・サイト改善

物流会社・倉庫会社のWeb集客で増やしたいのは、アクセス数そのものではありません。自社が受けたい案件を持つ荷主との接点です。

同じ「Web集客を強化したい」でも、千葉の冷凍倉庫の空き坪を埋めたいのか、埼玉でEC発送代行の小ロット案件を増やしたいのか、化粧品の流通加工を増やしたいのか、関東で3PL一括受託を増やしたいのかによって、荷主が使う検索語も、出すべき広告も、必要なページも変わります。増やしたい案件を決めないままアクセスを増やすと、対応外の商材、対応エリア外、採算の合わないロットの問い合わせが増え、営業が対応外の問い合わせへの確認・回答に時間を使う状態になる可能性があります。

また、Web集客はチャネルを選んだ時点では完結しません。自然検索、検索広告、マッチングサービス、外部メディア、営業や展示会などで会社を知った荷主が、その後に自社サイトを確認し、「この会社に自社の物流を相談できるか」を判断する場合があります。集客側が機能していても、着地したページに判断材料がなければ、そこで検討が止まる可能性があります。

この記事では、Web上の接点をどう選ぶか → どのページへ着地させるか → 何を判断してもらうか → 問い合わせと案件適合をどう確認するかという流れで整理します。Web以外を含めた新規開拓全体(紹介、アウトバウンド、展示会など)は「物流会社の新規荷主獲得・新規開拓」、SEOを選んだあとの全体設計は「物流・倉庫会社のSEO対策完全ガイド」で扱っています。

目次

物流会社のWeb集客とは、何を増やすことか

Web集客の成果をPV・セッション・検索順位だけで判断すると、事業側の実感と合わない結果になることがあります。

たとえば、記事を増やして月間セッションが大きく伸びた倉庫会社があったとします。しかし増えた流入の中身が「物流業界の動向」「倉庫作業の求人」「物流用語の意味」といった検索で、荷主企業の物流担当者ではなく、学生、同業他社、求職者が中心だった場合、委託先を探している荷主との接点は増えていません。この状態でも、アクセス解析上の数値は改善して見えます。

そのため、Web集客では次の段階を分けて確認します。

  • どこから来たか:自然検索、検索広告、外部サイト、指名検索、SNSなど
  • どの検索・経路から来たか:委託先を探す検索か、情報収集の検索か、社名検索か
  • どのページへ来たか:サービスページ、拠点ページ、記事、トップページ
  • 自社の受託条件と合うか:商材、温度帯、エリア、ロット、システム
  • 問い合わせたか
  • 問い合わせ内容は自社の受託範囲に適合していたか
  • 商談・見積・受注へ進んだか

検索やサイト内行動はWeb側で確認しやすい一方、商談・見積・受注や、対応外となった理由は営業側に情報が集まることがあります。これらが別々に管理されていると、Web上の接点と案件結果を結びつけて評価しにくくなります。

ここで注意したいのは、逆方向の誤解です。「問い合わせが増えた=Web集客が成功した」とも限りません。対応外の案件が増えただけの場合があります。増やしたいのは問い合わせ件数ではなく、自社が受けられて、かつ受けたい案件の問い合わせです。

自社で確認すること:最近の問い合わせを一覧にして、「流入経路」「商材」「物量・ロット」「希望エリア」「温度帯」「受託できたか」を並べてください。これらの情報が把握できない場合、Web集客の良し悪しを判断する材料が社内にない状態です。

最初に決めるのは、チャネルではなく「Webで増やしたい案件」

SEOにするか広告にするかを先に決めると、判断の基準が持てません。先に決めるのは、どの案件をWeb経由で増やしたいかです。

たとえば次のような単位です。

  • 千葉の冷凍・冷蔵倉庫の空き坪を埋めたい
  • 埼玉でEC発送代行の小ロット案件を増やしたい
  • 化粧品のセット組み・アッセンブリなど流通加工案件を増やしたい
  • 関東で3PL一括受託の案件を増やしたい
  • 食品の常温保管で、既存拠点の稼働率を上げたい

これが決まると、後続の判断が連動して決まります。

増やしたい案件荷主側の検索例主に受けるページ内容の重心
千葉の冷凍倉庫の空き坪冷凍倉庫 千葉/冷蔵倉庫 空き拠点ページ/冷凍・冷蔵保管のサービスページ温度帯の区分、保管能力、立地、入出庫体制
EC発送代行(小ロット)発送代行 小ロット/EC物流 委託EC物流のサービスページ最小ロット、出荷件数の想定、カート・OMS連携、当日出荷の締め時間
化粧品の流通加工化粧品 流通加工/セット組み 委託流通加工のサービスページ(+商材ページ)対応作業、該当する場合の許認可・表示・管理体制、検品基準、繁忙期の増員
関東の3PL一括受託3PL 関東/物流 一括委託3PLサービスページ受託範囲、拠点網、配送手配、システム、移管の進め方

同じ会社でも、この4つは検索語も、広告で狙う語も、必要なページも異なります。「Web集客を強化する」という単位のままでは、施策が決まりません。

なお、増やしたい案件を決めるには、稼働余力、受託条件、案件単価と粗利の確認が前提になります。この部分はWebに限らない話のため、「物流会社の新規荷主獲得・新規開拓」で扱っています。

自社で確認すること:「Web経由で優先して増やしたい案件」を書き出してください。書けない場合、施策の優先順位は決められません。また、書き出した案件を自社が実際に受けられるか(空き坪、温度帯、人員、システム)を営業・現場と確認してください。

Web上の接点を分けて考える

Web上で荷主と接点を持つ経路には、たとえば次のものがあります。

  • 自然検索(SEO):荷主がサービス・商材・地域・条件で検索したときに、自社ページを検索結果へ出す
  • 検索広告:同じ検索に対して、広告枠で露出する
  • ディスプレイ広告・リターゲティング等:検索以外の面で接触する。すでにサイトへ来た人への再接触を含む
  • 物流マッチングサービス・ポータル経由の流入:媒体側で案件を受け、そこから自社サイトへ来る場合もある
  • 外部メディア・業界サイト:業界紙、専門メディア、取材記事などからの流入
  • SNS・動画:企業活動、現場、採用などの発信
  • 指名検索:社名や「社名+倉庫」などで検索される経路
  • 営業・展示会・紹介のあとのサイト確認:接触自体はWeb外でも、確認はWeb上で行われる

この一覧を「全部やる候補」として読まないでください。実際には、担当者数、広告予算、既存サイトの状態によって着手できる範囲は限られます。

荷主が具体的な条件を入れて委託先を探す検索が確認できる領域では、自然検索や検索広告が有力な接点候補になります。また、営業・展示会・紹介など別の経路で会社を知った相手にとって、自社サイトが確認材料になる場合もあります。一方、検索需要が小さい領域や、候補企業が限られている案件では、検索以外の接点を優先する場合もあります。

一方で、SNSを無理に主軸に据える必然性はありません。SNSが向く目的(採用、企業活動の発信、既存取引先との関係維持)と、荷主の新規獲得は別の目的です。詳しくは後半で扱います。

Web上の接点候補になりやすい場面着地させるページの候補注意点
自然検索(SEO)継続的に接点を作りたい/サービス・商材・拠点が複数あるサービスページ、拠点ページ、商材ページ、記事検索結果での評価が安定するまで時間がかかる。既存ページの整理が先に必要な場合がある
検索広告顕在検索が確認できる/短期間で検証したい/特定サービス・地域に絞れる該当サービスページ、拠点ページ、必要ならLP受け皿ページの内容が結果を左右する。停止すると接点も止まる
ディスプレイ・リターゲティングサイト訪問はあるが検討が続かない/認知目的が明確サービスページ、事例ページ委託ニーズがない層への露出が増えやすく、成果の見極めに時間がかかる
マッチング・ポータル短期で商談機会が必要/稼働開始が迫っている媒体内で完結する場合もある条件と価格の比較になりやすい。自社サイトへの継続的な接点にはなりにくい場合がある
外部メディア・業界サイト取材・寄稿などの機会がある会社情報、事例、サービスページ掲載機会をコントロールしにくい
SNS・動画採用、企業活動、現場公開の発信目的がある採用ページ、会社情報荷主獲得の主軸に据える必然性がない場合がある
指名検索営業・展示会・紹介・広告で会社を知られているトップページ、サービス一覧、拠点、実績接点の数は他チャネルの活動量に依存する

自社で確認すること:現在の自社サイトへの流入が、どの経路からどれだけ来ているかを確認してください。そのうえで、「増やしたい案件に関係する流入」がどの経路に含まれているかを見てください。全体の流入が多くても、増やしたい案件と関係がなければ、増やす対象は別にあります。

まず「顕在検索があるか」を確認する

Web集客のチャネル選定で最初に確認するのは、増やしたい案件について、荷主が委託先を探す検索が存在するかです。ここが確認できていないまま広告を出すと、検索語と自社サービスがずれた状態で費用だけが動きます。

確認の仕方は、増やしたい案件の条件をそのまま検索語にすることです。

  • 冷凍倉庫 千葉
  • 冷蔵倉庫 空き
  • EC物流 委託
  • 発送代行 小ロット
  • 食品 倉庫 保管
  • 化粧品 流通加工
  • 3PL 関東

そのうえで、実際の検索結果で次を見ます。

  • どんな種類のページが並んでいるか:物流会社のサービスページか、拠点ページか、比較サイト・ポータルか、倉庫物件のサイトか、情報記事か
  • 並んでいるのが事業者ページなら:自社と同じような規模・条件の会社が入っているか
  • 比較サイト・ポータル・物件サイトが占めているなら:自社ページで上位に入る余地が限られる可能性がある
  • 情報記事ばかりなら:その検索語は、まだ委託先を探している段階ではない可能性がある

検索語だけで検索意図を決めず、実際にどの種類のページが並んでいるかで判断します。

ここで重要なのは、顕在検索が確認できたからといって、SEOだけが正解になるわけではないという点です。同じ検索に対して、次のどれもが候補になります。

  • 短期で案件が必要なら、まず検索広告で反応を確認する
  • 中長期で継続的に接点を作りたいなら、SEOでそのテーマを受けるページを整える
  • 検索広告で得られた検索語・問い合わせ内容を見てから、SEOで狙うテーマを決める

逆に、顕在検索がほとんど確認できない領域もあります。特殊な商材や、荷主側が検索ではなく紹介・入札で委託先を決めている領域です。この場合、Web集客の中心は「検索で見つけてもらう」ことではなく、「営業や紹介で知った相手が確認しに来るサイトを整えること」になります。

自社で確認すること:増やしたい案件に関係する検索語をいくつか挙げて、実際に検索してください。上位に並んでいるページの種類(事業者サービスページ/拠点ページ/比較サイト/ポータル/物件サイト/情報記事)をメモしてください。この結果によって、SEOで受けられる余地も、広告の着地ページも変わります。

Web集客チャネルとしてのSEOをどう位置づけるか

SEOの内部設計(キーワードをどのURLで受けるか、サイト構造をどうするか)は「物流会社のSEOキーワード・サイト構造設計」と「物流・倉庫会社のSEO対策完全ガイド」で扱います。ここでは、Web集客のチャネルとしてSEOを選ぶかどうかの判断に絞ります。

SEOが候補になりやすい状況

  • 特定の案件だけでなく、継続的に新規荷主との接点を作り続けたい
  • 提供サービスが複数ある(保管、庫内作業、流通加工、配送、3PL一括受託など)
  • 対応商材が複数ある(食品、化粧品、アパレル、日用品、機械部品など)
  • 拠点が複数あり、地域ごとの検索を受けられる
  • 実際の検索結果に、事業者のサービスページ・拠点ページが並んでいる
  • 設備、作業実績、対応条件など、サイトに蓄積できる一次情報がある

最後の点は見落とされがちです。SEOは、ページに書ける中身がある会社ほど選択肢になります。温度帯の区分、保管能力、入出庫の体制、対応ロット、WMS・OMSの連携実績、繁忙期の対応といった情報が社内にあるかどうかで、作れるページの質が変わります。

SEOが優先されにくい状況

  • 営業対象が限定されている(特定業界の数十社など)
  • 対象領域の検索需要がほとんど確認できない
  • 短期間で特定拠点の空き坪を埋める必要がある
  • サイトの受け皿ページが、会社案内レベルの内容しかない

3つ目は、SEOが悪いという話ではありません。SEOはページ公開後に検索結果での評価が安定するまで時間がかかるため、期限が迫っている案件の解決手段としては当てにしにくいという意味です。この場合は、即時に接点を作れるチャネルと並行し、SEOは中長期の準備として進める形になります。

4つ目も重要です。受け皿が弱い状態でSEOを進めると、流入が増えても判断材料が不足したままになります。順序として、既存サービスページの整理が先になる場合があります。

なお、当社では荷主側の検索キーワード500件について、代表的な検索結果を確認しながら253の検索テーマへ整理し、そこから46のページ母型として整理しています。これは「46ページを作れば成果が出る」という意味ではありません。自社の受託範囲と拠点に関係する母型だけを選ぶための整理です。

自社で確認すること:増やしたい案件について、「いつまでに案件が必要か」を明確にしてください。短期間で空き坪を埋める必要がある場合と、中長期で継続的に荷主接点を増やしたい場合では、SEOの位置づけが変わります。

検索広告が候補になるケース

検索広告は、荷主が委託先を探して検索したタイミングで露出できる方法です。物流会社で候補になりやすいのは、次の条件が重なる場合です。

  • 増やしたい案件について、荷主側の顕在検索が確認できている
  • 短期間で検索接点を作りたい(拠点の稼働開始、空き坪、期限のある目標がある)
  • サービスや地域を絞れる(「冷凍倉庫 千葉」のように条件が具体的)
  • 着地させる受け皿ページがすでにある、または短期間で用意できる
  • 問い合わせのあと、案件がどうなったかを追える体制がある

逆に、着地ページが会社案内しかない状態や、問い合わせ後の結果を誰も記録していない状態では、広告を出しても改善の材料が残りません。

広告で見るもの

  • 実際に検索された語:管理画面で確認できる検索語と、意図した検索語のずれ
  • クリック単価(CPC)と、想定される案件単価・粗利の関係
  • 広告文:受託条件(温度帯、エリア、ロット)が伝わっているか
  • 着地ページ:検索語に対応する内容になっているか
  • 問い合わせ件数
  • そのうち自社の受託条件に適合した件数
  • 商談・見積・受注・粗利

ここで、業界共通のCPA・CVRの目安は示しません。物流委託は案件単価も契約期間も企業ごとに大きく異なり、共通の基準として扱える数値ではないためです。自社の案件単価、粗利、想定される契約継続期間から、許容できる獲得コストを自社で計算します。1件の受注が数年続く保管契約と、単発の作業案件では、許容できる広告費がまったく違います。

物流関連の検索語には、異なる検索意図が混ざることがある

物流の検索語は、荷主以外の意図も混ざります。たとえば「倉庫 千葉」には、倉庫物件を探す不動産的な検索、倉庫の求人を探す検索、貸倉庫を借りたい検索が混ざる可能性があります。「発送代行」には、個人・小規模事業者の検索が含まれることがあります。「3PL」には、学習目的の検索が含まれます。

そのため、広告を運用する場合は、実際に検索された語を継続して確認し、自社の受託対象と合わない語を除外する運用が必要になります。検索語の確認を行わないまま運用すると、自社の受託対象と異なる検索にも広告が表示され、意図しないクリックや問い合わせが含まれる可能性があります。

自社で確認すること:広告を検討する前に、「この広告から来た問い合わせが受注に至った場合、粗利はどのくらいで、何年続く見込みか」を営業と確認してください。ここが分からないと、広告費が高いのか安いのかを判断できません。

広告は「どこへ着地させるか」で結果が変わる

検索広告でよくあるのは、検索語ごとに広告を分けているのに、着地先がすべてトップページになっている状態です。

たとえば「冷凍倉庫 千葉」で検索した荷主がトップページに着地すると、そこから「サービス一覧」→「保管サービス」→「拠点一覧」→「千葉の拠点」と辿らなければ、自社の案件に対応できるかを確認できません。この間に離脱すると、広告費は発生し、問い合わせは発生しません。

着地ページは、検索語に対して次のように考えます。

検索語荷主が確認したいこと着地ページの候補
冷凍倉庫 千葉千葉に冷凍対応の拠点があるか、温度帯と保管能力は合うか千葉拠点ページ、または冷凍・冷蔵保管サービスページの該当拠点セクション
発送代行 小ロット少ない出荷件数でも受けてもらえるか、費用の考え方小ロット条件が書かれたEC発送代行のサービスページ
化粧品 流通加工化粧品を扱えるか、どんな加工作業に対応できるか流通加工サービスページ(化粧品の記載があるもの)
3PL 委託 関東受託範囲はどこまでか、拠点網と移管の進め方3PLサービスページ

ただし、すべての検索テーマに専用LPを作るべきということではありません。既存のサービスページや拠点ページに、その検索で確認したい情報が書かれているなら、それを着地先にすれば足ります。LPを新規に作る判断は、次のような場合に検討する候補です。

  • 既存ページが複数サービスをまとめて説明していて、該当条件が読み取りにくい
  • 広告で狙う条件(小ロット、当日出荷、特定温度帯など)が既存ページに書かれていない
  • 既存ページの構成上、問い合わせ導線が遠い

判断の基準はシンプルです。検索テーマ、広告文、着地ページの3つが一致しているか。検索語は「冷凍倉庫 千葉」、広告文は「関東エリア対応」、着地ページは全社トップ、という状態では、どこがずれているのか分からないまま費用が動きます。

なお、着地ページを新規に作る場合も、既存サービスページと内容が重複しすぎないよう、役割を確認してから作ります。同じ内容のページが増えると、SEO側でどのURLがそのテーマを担当するのかが曖昧になります。

自社で確認すること:現在出している広告(または出そうとしている広告)について、「検索語」「広告文」「着地ページURL」を1行ずつ並べた表を作ってください。着地ページを実際に開き、その検索語で知りたい条件を、着地ページ上で見つけやすいか確認してください。

SEOでも広告でも、受け皿が弱ければそこで止まる

集客チャネルを変えても解決しないケースがあります。着地したページに、荷主が委託可否を判断する材料がない場合です。

荷主がサイト上で確認するのは、たとえば次の項目です。

  • 何を任せられるか:保管だけか、入出庫・流通加工・配送まで含むか、一括受託が可能か
  • 対応商材:食品、化粧品、アパレル、日用品、機械部品、危険物など
  • 温度帯:常温、定温、冷蔵、冷凍。区分と管理方法
  • 拠点:場所、最寄インターや港湾からの位置関係
  • 設備:坪数、保管形態、ラック、パレット、フォークリフト、ドックの数
  • ロット・物量:最小ロット、想定される出荷件数、繁忙期の増減
  • システム:WMS、OMS、カート・基幹システムとの連携実績
  • 配送:配送手配の有無、締め時間、当日出荷の可否、エリア
  • 実績:どの業種・商材でどんな作業をしているか
  • 問い合わせ方法:何を相談できるか、何を伝えれば見積が出るか

この情報が不足しているページに流入を増やしても、荷主は判断できません。SEOだけを改善する、広告費だけを増額する、という対応では解決しない場合があります。

ここで大事なのは、集客の問題と受け皿の問題を分けて見ることです。流入が増えているのに問い合わせが増えないなら、受け皿側を疑う材料があります。逆に、そもそも流入がほとんどないなら、ページを書き直しても問い合わせは増えません。この切り分けは後半の章で表にしています。

サービスページに何をどう書くかは「物流会社のサービスページSEO」、トップページ・ナビゲーション・フォームを含むサイト全体の改善は「物流会社のホームページ改善」で扱っています。

自社で確認すること:増やしたい案件の検索語で自社サイトに着地したつもりで、該当ページを開いてください。上の項目のうち、そのページに書かれているものと書かれていないものを分けてください。書かれていない項目が多い場合、集客より先に着手するのはページ側です。

サービスページと拠点ページの役割を分ける

物流会社のサイトでは、サービスページと拠点ページの役割が混ざりやすく、その結果、広告の着地先もSEOの担当URLも決まらなくなります。

役割は次のように整理できます。

  • サービスページ:何を任せられるか(保管、流通加工、EC発送代行、3PL一括受託など)
  • 拠点ページ:どこで、どんな設備・体制で対応するか(所在地、坪数、温度帯、設備、対応業務)

どちらで受けるかは、検索語だけでは決められません。実際の検索結果を見て判断します。

  • 「EC物流 委託」のように、地域が入らずサービスを探している検索 → サービスページが候補
  • 「冷凍倉庫 千葉」のように、地域と条件が入る検索 → 拠点ページとサービスページのどちらが並んでいるかを検索結果で確認して判断
  • 「倉庫 空き 千葉」のように、物件寄りの検索 → 検索結果に物件サイトが並ぶことがあり、自社ページで受ける余地を確認

地域・拠点ページの設計は「物流会社の地域SEO・拠点ページSEO」で扱っています。地域名を差し替えただけのページを地域の数だけ作る進め方は、内容の差がないページが増えるため、この記事でも推奨しません。

自社で確認すること:自社の拠点ページを開き、「その拠点で何ができるか」(温度帯、設備、対応業務、対応可能なロット)が書かれているか確認してください。所在地と地図だけの拠点ページは、広告の着地先にもSEOの受け皿にもなりにくい状態です。

コンテンツSEOは何のために使うか

情報記事は、用語や選び方、委託条件などを調べている段階の検索需要を受けるページとして使える場合があります。記事本数を増やすこと自体が目的ではありません。

物流会社で候補になりやすい記事テーマは、たとえば次のようなものです。

  • 3PLとは(意味と受託範囲)
  • 冷凍・冷蔵倉庫の選び方と確認項目
  • EC物流の委託先を選ぶときの確認項目
  • WMS導入・連携で確認すること
  • 食品物流で確認すること(温度管理、トレーサビリティ、衛生管理体制)
  • 物流委託の見積で必要になる情報

これらの記事の役割は、情報収集段階で接点を持ち、検討が進んだときにサービスページ・拠点ページへ渡すことです。記事を読んだユーザーの検討段階は検索テーマによって異なるため、記事から関連するサービスページや拠点ページへ進める導線を用意します。

ここで避けたいのは、記事と受注したい案件がつながっていない状態です。物流用語の解説記事を大量に作っても、自社が受けたい案件(千葉の冷凍保管、EC小ロット発送など)と関係がなければ、流入は増えても接点の質は変わりません。記事テーマを決めるときは、「この記事を読んだ荷主が、次に自社のどのサービスページを見る可能性があるか」を先に決めます。

記事の企画、一次情報の集め方、リライトの判断は「物流会社のコンテンツSEO」で扱っています。用語解説記事の例としては「3PLとは」があります。

自社で確認すること:既存の記事を一覧にして、それぞれ「どのサービスページへつなぐ記事か」を書けるか確認してください。書けない記事は、増やしたい案件との関係が整理されていない可能性があります。

指名検索を軽視しない

Web集客の議論は自然検索と広告に集中しがちですが、実務では社名で検索されたときに何が見えるかが判断に影響する場面があります。

荷主が会社を知る経路は、Web検索だけではありません。営業メール、展示会、既存取引先からの紹介、業界メディア、広告、記事などで社名を知り、そのあとで検索する場合があります。このとき見られるのは、トップページ、サービス一覧、拠点情報、実績、会社情報(沿革、規模、許認可、認証)です。

ただし、「必ず社名検索される」とは言えません。荷主の検討体制や案件の性質によって異なります。ここで言えるのは、社名検索されたときに情報が不足していると、他チャネルの活動が生かされにくくなる可能性があるということです。

たとえば、展示会で名刺交換した荷主が後日サイトを見たときに、サービス一覧に「物流サービス」としか書かれておらず、拠点の温度帯も分からず、実績も「多数」で終わっている場合、展示会で得た接点はそこで止まる可能性があります。

指名検索まわりで確認しておきたいのは次の点です。

  • 社名で検索したときに、自社サイトが検索結果に出るか
  • トップページから、主要サービスと拠点へ辿れるか
  • 会社情報に、規模・沿革・許認可・認証など、荷主が委託先を判断する情報があるか
  • 営業資料に書いている内容が、サイト上でも確認できるか

自社で確認すること:社名、および「社名+倉庫」「社名+物流」で検索して、表示される内容を確認してください。あわせて、営業が使っている会社紹介資料とサイトの内容を突き合わせ、資料にはあるがサイトにない情報を洗い出してください。

物流マッチング・ポータルからの流入をどう見るか

物流マッチングサービスやポータルサイトの是非は、この記事では判断しません。ここで扱うのは、Web流入の観点でどう位置づけるかです。

確認するのは次の点です。

  • どんな案件が来たか:商材、物量、温度帯、エリア、開始時期
  • 自社の受託条件と合ったか:適合率がどのくらいか
  • プラットフォーム内で完結するか:媒体上で見積・比較まで進む形式か、自社サイトへ来る形式か
  • 自社サイトへ流入があるか:媒体経由で自社サイトを見に来ているか
  • 継続的な自社接点になるか:媒体を止めたときに接点も止まるか

マッチングサービスでは、複数事業者の条件や価格を比較する形式の場合があり、媒体内で検討が完結する形式もあります。この場合、案件は得られても、自社サイトを見てもらう機会や、自社の受託条件を伝える機会は限られます。

一方で、稼働開始が迫っている、特定拠点の空き坪を埋めたいといった状況では、短期で商談機会を作れる選択肢になります。

Web集客の文脈では、マッチング経由で実際に相談されている商材・条件・エリアは、その領域の案件需要を考える一つの材料になります。自社の検索広告やSEOで狙うテーマを決める際の参考にできます。

なお、マッチングサービスの使い方そのものは「物流会社の新規荷主獲得・新規開拓」で扱っています。

自社で確認すること:マッチング経由で来た案件を一覧にして、商材・温度帯・エリア・ロットを整理してください。そのうち受託できた案件の条件が、自社サイトのサービスページに書かれているか確認してください。書かれていなければ、同じ条件を探している荷主が検索で来ても判断できない状態です。

SNS・動画はどう位置づけるか

SNSや動画は、物流会社でも使いどころがあります。ただし、荷主獲得の主軸として扱うかどうかは別の判断です。

発信の題材としては、たとえば次のようなものがあります。

  • 倉庫内の設備(ラック、冷凍設備、ドック、マテハン機器)
  • 作業工程(入荷検品、ピッキング、流通加工、梱包)
  • 採用・職場環境
  • 展示会出展の告知と報告
  • 新拠点の稼働開始
  • 企業活動、地域活動、認証取得

これらは、採用、企業認知、既存取引先との関係維持では機能する場合があります。一方で、「SNSを更新すれば荷主が増える」とは言えません。荷主獲得を目的にする場合は、SNS上での接触が実際の委託検討やサイト訪問につながっているかを確認する必要があります。

判断の材料は次の2点です。

  • 自社が獲得したい荷主層が、そこで情報を得ているか:荷主企業の物流担当者・経営者が使っている場か
  • 継続して運用できる体制があるか:撮影・投稿・確認のフローを回せるか

どちらも不確かな状態で始めると、更新が止まったアカウントが残ります。運用を続けても、荷主との接点になっているかを確認する手段がない場合、Web集客の主軸に据える必然性はありません。

なお、動画については、SNSでの発信とは別に、サービスページや拠点ページに置く倉庫内の動画という使い方があります。設備や作業工程を文章で伝えにくい場合の使い方です。この場合は集客チャネルではなく、設備や作業内容を伝える判断材料として評価します。

自社で確認すること:SNSを運用している場合、そこから自社サイトへの流入と問い合わせがあるかを確認してください。確認できない場合、目的を採用・企業発信に整理し直すか、荷主獲得の施策とは分けて評価してください。

問い合わせ導線をどう作るか

問い合わせ導線は、フォームを設置すれば成立するわけではありません。荷主が「今、何を相談すればよいか」が分かる状態になっているかが問題です。

物流委託の検討では、荷主の段階によって相談したい内容が違います。

荷主の段階想定される状況CTAの候補
情報収集委託を検討し始めた。相場も進め方も分からない資料請求、物流委託の相談、事例を見る
条件確認自社の条件で対応できるか知りたい対応可否を確認する、拠点・空き状況を確認する
比較検討複数社を比較している。費用感を知りたい見積を相談する、倉庫見学を申し込む
意思決定前委託先の候補が絞られている打ち合わせを申し込む、現地確認を依頼する

すべてのページに全部のCTAを置く必要はありません。ページの役割と、そのページを見ている荷主の段階で選びます。

  • 記事:情報収集段階が多い。関連サービスページへのリンクと、資料・相談のCTA
  • サービスページ:条件確認・比較検討段階。対応可否の確認、見積相談
  • 拠点ページ:条件確認段階。空き状況の確認、倉庫見学
  • 事例ページ:比較検討段階。類似案件の相談

「お問い合わせ」という表現だけにすると、何を相談してよいか分からない状態になります。一方で、CTAの種類を増やしすぎると、どれを選べばよいか判断しにくくなります。ページの役割に対して、何を主な行動として促すのかを明確にし、必要に応じて補助的な導線を設けます。

CTAの数や配置に決まった正解はありません。フォーム・導線を含むサイト全体の設計は「物流会社のホームページ改善」で扱っています。

自社で確認すること:主要なサービスページと拠点ページを開き、そのページで、荷主にどの行動を促したいのかを説明できるか確認してください。答えられない場合、荷主も何を相談すればよいか判断しにくい状態です。

問い合わせフォームで何を聞くか

物流委託の問い合わせでは、営業が初期対応するために必要な情報があります。会社名と問い合わせ内容だけでは、対応可否も概算も出せません。

物流固有の項目としては、たとえば次のものが候補になります。

  • 取扱商材(食品、化粧品、アパレル、日用品、機械部品など)
  • 物量(保管量、パレット数、坪数の目安)
  • 温度帯(常温、定温、冷蔵、冷凍)
  • 希望拠点・エリア
  • 出荷件数の目安(1日あたり、月あたり)
  • 必要な作業(保管のみ、入出庫、流通加工、検品、梱包、配送手配)
  • 希望開始時期
  • 現在の委託状況(自社物流か、他社委託か)
  • システム連携の希望(カート、OMS、基幹システム)

ただし、これらを初回フォームですべて必須項目にすることは推奨しません。項目が多いフォームは、情報収集段階の荷主や、社内で情報を集めきれていない担当者にとって入力負荷が高くなります。一方、項目が少なすぎると、営業が折り返しの1往復目で条件確認をやり直すことになります。

現実的な考え方は、次のように分けることです。

  • 必須:連絡先と、対応可否の一次判断に必要な最小限(商材、希望エリア、相談内容など)
  • 任意:物量、出荷件数、温度帯、開始時期、システム
  • 自由記述:現状の課題や、フォームの項目に収まらない条件

どこまでを必須にするかは、営業体制によって変わります。折り返しで丁寧にヒアリングできる体制なら必須項目は少なくてよく、問い合わせ件数が多く一次選別が必要なら必須項目を増やす判断もあります。入力負荷と、営業に必要な情報のバランスで決めます。

また、フォームの項目は、対応外の問い合わせを減らす役割も持ちます。たとえば温度帯の選択肢に自社が対応していない区分を並べていると、対応外の問い合わせを自ら集めることになります。逆に、対応できる条件を選択肢として明示すれば、荷主側も自分の案件が合うか判断しやすくなります。

自社で確認すること:直近の問い合わせについて、営業が折り返しで最初に聞いている質問を確認してください。毎回同じ質問をしているなら、その項目はフォームか、フォーム前の説明文に入れる候補です。

Web集客をどう計測するか

Web集客の計測は、階層を分けて見ます。1つの指標だけを見ると、どこに問題があるか分からなくなります。

接点の階層

  • 検索結果での表示、クリック
  • 広告の表示、クリック、費用
  • 外部サイト・SNSからの流入
  • 指名検索の流入

サイト内行動の階層

  • サービスページへの到達
  • 拠点ページへの到達
  • 事例・実績ページの閲覧
  • CTAのクリック、フォームへの到達

問い合わせの階層

  • 問い合わせ件数
  • 問い合わせ内容(商材、物量、温度帯、エリア、開始時期)
  • 自社の受託条件に適合したかどうか

営業の階層

  • 商談化
  • 見積提出
  • 受注
  • 粗利
  • 契約の継続性

この4階層をすべて計測できる会社ばかりではありません。ツールも体制も限られている場合があります。

その場合でも、「どこから来た問い合わせか」と「その案件は自社に合っていたか」を記録するだけで、判断材料は大きく変わります。問い合わせ台帳に、流入経路(分かる範囲で)、商材、物量、温度帯、エリア、対応可否、断り理由の欄を追加するところから始められます。

注意したいのは、指標を増やすこと自体が目的にならないようにすることです。見る指標が多すぎて誰も確認しなくなるより、少数の項目を毎月確認する方が改善につながりやすくなります。

自社で確認すること:問い合わせ台帳(またはメール)を開き、「断り理由」が記録されているか確認してください。記録されていない場合、この欄を作ることがWeb集客の改善で最初にできることの一つです。

チャネル別に成果を見る(ただし完全には追えない)

チャネルごとに、確認する経路は異なります。

  • SEO:検索語 → 着地ページ → サイト内回遊 → 問い合わせ
  • 検索広告:検索語 → 広告文 → 着地ページ → 問い合わせ
  • マッチング・ポータル:媒体 → 案件 → 商談
  • 営業・展示会後の指名検索:社名検索 → サービス・拠点の確認 → 問い合わせまたは営業側の商談進展
  • 記事(コンテンツ):記事 → サービスページ → 問い合わせ

ただし、荷主の行動を完全に追跡できる前提で設計しないでください。物流委託の検討では、次のような行動が起きます。

  • 担当者がスマートフォンで記事を読み、後日、会社のPCで社名検索して問い合わせる
  • 現場担当者が候補を集め、上司が別の日にサイトを確認する
  • 展示会で名刺交換した相手が、数か月後に検索して問い合わせる
  • 複数部署が別々にサイトを見て、最終的に代表番号から電話する

これらは、アクセス解析上では別々の訪問として記録されるか、そもそも記録されません。電話問い合わせや、営業経由の商談は、Web側のデータに現れないこともあります。

したがって、チャネル別の評価は「どのチャネルが何件の受注を生んだか」を厳密に配分する作業ではなく、どのチャネルを止めたときに何が減りそうかを判断するための材料として扱います。アトリビューション(成果への貢献度の配分)には限界があるという前提で、複数の材料を突き合わせます。

実務で扱いやすいのは、問い合わせフォームやヒアリングで「当社を何で知りましたか」を確認し、アクセス解析のデータと突き合わせる方法です。どちらも完全ではありませんが、片方だけで判断するより誤差が減ります。

自社で確認すること:直近の受注案件について、荷主が最初に自社を知った経路と、問い合わせ直前に見ていたページを、営業に聞いて確認してください。この2つが違う経路であることは珍しくありません。

問い合わせが増えないときの切り分け

「Web集客をやっているが問い合わせが増えない」という状態は、原因が1つとは限りません。どの段階で止まっているかによって、着手する場所が変わります。

まず、次の表で状態を特定します。

状態起きていること考えられる原因最初に確認する場所
A検索結果での表示・クリックも、サイトへの流入も少ない接点が不足している。対象テーマで検索結果に出ていない、広告を出していない増やしたい案件の検索語で、自社ページが検索結果に出るか。顕在検索が存在するか
B流入はあるが、サービスページ・拠点ページへ進まない検索意図と着地ページのずれ、サイト内導線の問題着地ページの内容と検索語の一致、記事からサービスページへのリンク、ナビゲーション
Cサービスページは見られているが、問い合わせがない判断材料の不足、CTAが分かりにくい、フォームの負荷温度帯・ロット・エリア・システムなど条件の記載、CTAの文言、フォーム項目数
D問い合わせはあるが、対応外の案件が多い狙っている検索語、広告文、ページ上の条件記載のずれ検索語と広告文、サービスページに受託条件が書かれているか、フォームの選択肢
E適合する問い合わせはあるが、受注しないWeb側だけの問題ではない。提案内容、価格、競合比較、対応スピード見積プロセス、提案資料、断られた理由の記録、初回返信までの時間

この表は原因を特定するものではなく、次にどこを見るかを決めるためのものです。実際には複数の状態が同時に起きていることもあります。

A〜Eでは、主に確認すべき場所が異なります。A・Bでは検索接点や導線、Cではページ上の判断材料や問い合わせ導線、Dでは集客対象と受託条件の両方、EではWebだけでなく提案・価格・営業対応なども確認します

とくにEでは、Web施策だけを原因と決めず、提案内容、価格、競合比較、対応スピード、案件条件など営業プロセス側も確認します。適合する問い合わせが来ているのに受注しないなら、増やすべきは流入ではありません。この状態で流入だけを増やしても、受注に至らない原因が解消されない可能性があります。Dの状態では、広告費を増額する前に、検索語・広告文・受託条件の記載を確認します。

逆に、Cの状態でページを改善せずに集客を強化すると、判断材料がないページへ流入を送り続けることになります。

切り分けの順序

  1. 流入の量を確認する(A かどうか)
  2. 流入が着地したあと、サービスページ・拠点ページへ進んでいるか確認する(B かどうか)
  3. サービスページに判断材料があるか確認する(C かどうか)
  4. 来ている問い合わせの内容を確認する(D かどうか)
  5. 適合案件のその後を営業に確認する(E かどうか)

この順序で見ると、「SEOが足りない」「広告費が足りない」という結論に飛びつく前に、受け皿側と営業側を確認できます。

自社で確認すること:現在の自社の状態がA〜Eのどれに近いかを、Web担当と営業担当の両方に聞いてください。両者の認識が違う場合、それ自体が確認すべき点です(Web側は「流入は増えている」、営業側は「使える問い合わせが来ない」という食い違いはよく起きます)。

物流会社のWeb集客でよくある失敗

アクセス数をKPIにする

なぜ問題か:物流会社のサイトには、荷主以外(求職者、学生、同業、資材業者、営業目的の企業)も来ます。アクセス数が増えても、委託先を探している荷主が増えたとは限りません。

何を確認するか:増やしたい案件に関係する検索語・ページからの流入が増えているか。問い合わせ内容が自社の受託範囲に近づいているか。

Web集客=SEOだと考える

なぜ問題か:SEOは検索接点を蓄積する方法の一つです。期限がある案件、検索需要が小さい領域、受け皿が整っていない状態では、SEO以外の選択肢を検討する余地があります。

何を確認するか:いつまでに案件が必要か。顕在検索が存在するか。受け皿ページが判断材料を持っているか。

受け皿を確認せずに広告費を増額する

なぜ問題か:着地ページに条件が書かれていない状態で予算を増やすと、クリックは増えても判断材料は変わりません。費用だけが増えます。

何を確認するか:着地ページを実際に開き、その検索語で知りたい条件が書かれているか。広告を止めている期間と出している期間で、問い合わせの内容がどう違うか。

すべての検索をトップページへ送る

なぜ問題か:「冷凍倉庫 千葉」で来た荷主が、トップページから該当情報へ辿り着くまでに複数回の遷移が必要になります。その間に離脱する可能性があります。

何を確認するか:主要な検索語ごとに、着地ページが決まっているか。着地ページから、荷主が確認したい情報まで何回の遷移が必要か。

記事だけを増やす

なぜ問題か:記事が増えても、サービスページへつながっていなければ、情報収集段階で終わります。また、記事テーマが受けたい案件と関係ないと、流入の質は変わりません。

何を確認するか:各記事が、どのサービスページへつなぐ記事か説明できるか。記事から関連サービスページへの内部リンクがあるか。

SNSを目的なく続ける

なぜ問題か:荷主獲得の接点になっているかを確認できないまま、更新の工数だけが続く状態になります。

何を確認するか:SNSから自社サイトへの流入と問い合わせがあるか。ない場合、目的を採用や企業発信に整理し直すか。

問い合わせ件数だけを見る

なぜ問題か:対応外の案件が増えているだけの場合があります。件数が増えても、営業が断る対応に時間を使っているなら、成果とは言いにくい状態です。

何を確認するか:問い合わせのうち、自社の受託条件に適合した件数。断り理由の内訳。

検索データと営業データが分断している

なぜ問題か:Web側は検索語と流入を見ており、営業側は商談と受注を見ている状態では、「どの接点が受注につながったか」が誰にも分かりません。改善の判断ができなくなります。

何を確認するか:問い合わせ台帳に流入経路と結果が記録されているか。Web担当と営業担当が、問い合わせ内容を定期的に共有する場があるか。

フォームが長すぎる/短すぎる

なぜ問題か:長すぎると情報収集段階の荷主が離脱し、短すぎると営業が折り返しで条件確認からやり直すことになります。

何を確認するか:営業が折り返しで毎回聞いている質問は何か。現在のフォームで必須にしている項目は、一次判断に本当に必要か。

拠点ページが所在地と地図だけ

なぜ問題か:地域を含む検索(「冷凍倉庫 千葉」など)で来た荷主が、その拠点で何ができるか判断できません。広告の着地先にもなりません。

何を確認するか:各拠点ページに、温度帯、坪数・保管能力、設備、対応業務、対応可能なロットが書かれているか。

優先順位をどう決めるか

Web集客の施策に、全社共通の優先順位はありません。次の軸で自社の状況を確認します。

  • いつまでに案件が必要か:今期の空き坪を埋めるのか、来期以降も継続的に接点を増やすのか
  • 顕在検索があるか:増やしたい案件について、委託先を探す検索が確認できるか
  • サイトの状態:受け皿となるサービスページ・拠点ページに判断材料があるか
  • 広告予算:継続して運用できる範囲か
  • 運用体制:広告の検索語確認、記事制作、ページ更新を誰が行うか
  • 案件単価・粗利:許容できる獲得コストの水準
  • 営業体制:問い合わせへの初回対応と、内容の記録ができるか

この軸で見ると、たとえば次のような組み合わせが候補になります。

状況候補になりやすい組み合わせ
短期で案件が必要/顕在検索あり/受け皿ページはある検索広告+着地ページの部分改善
短期で案件が必要/受け皿ページが会社案内レベルサービスページ・拠点ページの整備を先行、その後に広告
中長期で継続的な接点を作りたいSEO(サービス・拠点ページの整理)+記事+内部リンク設計
営業・展示会が主軸で、Webは確認される場サイトの判断材料と会社情報の整備を優先
顕在検索がほとんど確認できない検索以外の接点を検討。サイトは受け皿として整備

ただし、これは固定の型ではありません。同じ「短期で案件が必要」でも、既存サイトの状態、対象エリアの競合状況、社内で動かせる人員によって選択は変わります。

自社で確認すること:上の軸のうち、現時点で答えが出せないものを洗い出してください。答えが出せない項目(案件単価・粗利、運用体制など)があるなら、施策を決める前にそこを確認する方が、判断の精度が上がります。

進め方の一例

固定の手順はありませんが、整理の順序としては次のようになります。

  1. Web経由で増やしたい案件を決める(商材、温度帯、エリア、ロット、拠点)
  2. その案件について、荷主側の検索と検索結果を確認する(顕在検索があるか、どんなページが並ぶか)
  3. 現在の流入を確認する(どの経路から、どのページへ来ているか)
  4. 受け皿ページを確認する(判断材料があるか、CTAがあるか)
  5. チャネルを選ぶ(SEO、検索広告、その併用、または検索以外)
  6. 着地ページを決め、必要な部分を改善する
  7. 集客施策を実行する
  8. 来た問い合わせの内容を記録する(商材、物量、温度帯、エリア、適合可否)
  9. 商談・受注の結果と照合する
  10. どの段階で止まっているかを切り分け、次の改善を決める

既存の状況によって、この順序は変わります。すでに広告を運用していて対応外の問い合わせが多いなら、4と8から始まります。サイトを作り直したばかりで流入がないなら、2と5が先です。

重要なのは、8と9を省略しないことです。ここを省くと、次のサイクルで何を改善すればよいかが決まりません。

自社で確認すること:この10段階のうち、現在の自社が実行できていない段階を確認してください。

まとめ

物流会社のWeb集客の目的は、Webアクセスを増やすことではありません。

自社が受けたい案件を持つ荷主との接点を作り、判断できるページへつなぎ、問い合わせと商談まで進めることです。

流れとしては、次のようになります。

増やしたい案件を決める

その案件に関係するWeb上の接点を選ぶ

検索語・広告文に対応した着地ページへ送る

温度帯・ロット・エリア・設備・システムなど判断材料を確認してもらう

段階に合ったCTAとフォームで問い合わせへつなぐ

問い合わせ内容が自社の受託範囲に適合していたか記録する

商談・受注の結果と照合する

どの段階で止まっているかを切り分けて改善する

SEO、検索広告、コンテンツ、SNSは、この流れの中の手段です。どれか一つが万能ということはなく、増やしたい案件、期限、サイトの状態、運用体制によって選択は変わります。

そして、問い合わせが増えないときは、集客の問題なのか、受け皿の問題なのか、営業側の問題なのかを分けて確認します。この切り分けができると、次に何へ費用と時間を使うかを判断できるようになります。

FAQ

Q. 物流会社のWeb集客では、SEOと検索広告のどちらを先にやるべきですか?

自社の状況によって異なります。期限のある案件があり、顕在検索が確認できて、着地させるページがあるなら、検索広告で先に反応を確認する選択肢があります。継続的に接点を作りたい場合や、サービス・商材・拠点が複数ある場合はSEOが候補になります。ただし、どちらの場合も、着地するページに判断材料がなければ結果は変わりにくくなります。

Q. アクセス数は増えているのに問い合わせが来ません。

流入の中身と、着地したあとの行動を確認します。増やしたい案件に関係のない検索から来ている場合、流入が増えても問い合わせは増えにくくなります。また、サービスページ・拠点ページまで進んでいるのに問い合わせがない場合は、判断材料やCTA、フォームの側を確認します。この記事の切り分けの表が判断の材料になります。

Q. 広告の着地ページは、専用LPを作るべきですか?

必ずしも必要ではありません。既存のサービスページや拠点ページに、その検索語で確認したい条件(温度帯、ロット、エリア、システム連携など)が書かれているなら、それを着地先にできます。既存ページが複数サービスをまとめて説明していて条件が読み取りにくい場合や、狙う条件が書かれていない場合に、専用ページを検討する候補になります。

Q. 問い合わせは増えましたが、対応できない案件ばかりです。

狙っている検索語、広告文、ページ上の条件記載を確認します。受託条件(対応商材、温度帯、対応エリア、最小ロット)がサイトに書かれていないと、荷主側も自社の案件が合うか判断できません。フォームの選択肢に、自社が対応していない条件が並んでいないかも確認します。

Q. SNSは物流会社のWeb集客で必要ですか?

必須ではありません。採用や企業活動の発信では機能する場合があります。荷主獲得を目的にする場合は、自社が獲得したい荷主層がそこで情報を得ているか、継続して運用できる体制があるかで判断します。更新すれば荷主が増える、という関係にはありません。

Q. Web集客の効果はどのくらいで出ますか?

チャネルと状況によって異なります。検索広告は出稿を開始すれば露出自体は始まりますが、問い合わせにつながるかは着地ページと受託条件の伝わり方によります。SEOはページを整えてから検索結果での評価が安定するまで時間がかかります。共通して言えるのは、期間だけで判断せず、どの段階まで進んでいるか(流入、サービスページ到達、問い合わせ、適合案件)を見る方が、改善点を見つけやすいということです。

Q. Web経由の問い合わせが、どのチャネルから来たか分かりません。

完全な追跡はできない前提で進めます。問い合わせフォームやヒアリングで「当社を何で知ったか」を確認し、アクセス解析のデータと突き合わせる方法が実務的です。まずは問い合わせ台帳に「流入経路(分かる範囲)」「商材」「エリア」「適合可否」「断り理由」を記録するところから始められます。

Q. 順位が上がれば問い合わせは増えますか?

検索順位や検索結果での見え方は、SEO経由で接点を得るための要素の一つです。問い合わせへ進むかどうかは、着地ページの判断材料、CTA、フォーム、さらに営業対応にも左右されます。順位と問い合わせを直結させて評価しない方が、どこで止まっているかを見つけやすくなります。

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次のような段階からご相談いただけます。

  • アクセスは増えたが、問い合わせにつながっていない
  • SEOと広告のどちらから着手すべきか判断できない
  • 広告を出しているが、着地ページが適切か分からない
  • 対応外の問い合わせが多く、受託条件の見せ方を見直したい
  • 問い合わせ内容と営業の結果を照合する仕組みがない
  • 拠点ページ・サービスページが会社案内のままになっている

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