物流会社のSEOキーワード・サイト構造設計

物流会社のSEOを始めるとき、多くの場合キーワードの収集から着手します。

倉庫、冷凍倉庫、食品物流、EC物流、物流アウトソーシング、3PL、千葉 倉庫、化粧品 物流、小ロット 発送代行。ツールを使えば、こうした語は短時間で数百件集まります。

問題はその次です。集めたキーワードを、そのままページ数に変換してはいけません。

たとえば次の4語を見てください。

  • EC物流
  • EC物流 代行
  • 通販 物流代行
  • EC フルフィルメント

これらに4ページ必要なのか、1ページで足りるのか。キーワードの一覧を眺めているだけでは判断できません。

必要なのは、次の変換です。

キーワード
 ↓
検索意図の推定
 ↓
検索テーマへの整理
 ↓
主担当URLの決定
 ↓
ページ母型への当てはめ
 ↓
内部リンクの設計

この記事では、荷主の検索をサイト構造へ落とすまでの手順を、判断基準とあわせて解説します。

まず「荷主が何を探しているか」で分ける

最初に確認したいのは、集めたキーワードが荷主側の言葉かどうかです。

「物流 集客」「倉庫会社 ホームページ」といった語は、物流会社側が使う言葉です。荷主が委託先を探す検索とは意図が異なるため、同じキーワード群として扱わない方が整理しやすくなります。

荷主側の検索は、次の6つの軸で分解できます。

サービス倉庫保管、配送、3PL、EC物流、発送代行、流通加工
商材食品、冷凍食品、化粧品、アパレル、医薬品、危険物
地域東京、千葉、大阪、関東、港・空港周辺
条件小ロット、冷凍、当日出荷、多品種、短納期
設備・システムWMS、OMS、API連携、ECカート連携
課題・比較物流コスト削減、物流アウトソーシング、倉庫会社 選び方、3PL 比較

荷主の検索は、この軸が組み合わさるほど具体的になります。「倉庫」より「食品 倉庫」、さらに「千葉 冷凍倉庫 小ロット」の方が、抱えている要件が具体化している可能性があります。

ただし、この軸を掛け合わせた全組み合わせをページにするわけではありません。組み合わせは容易に数百通りになります。どれを採用するかは、後の章で扱います。

自社で確認する方法:集めたキーワードを、上の6軸のどれに当てはまるかで仕分けてください。どの軸にも当てはまらない語(物流会社側の集客語、業界動向の語、求人系の語など)は、荷主獲得の対象から外します。

検索ボリュームだけでキーワードを選ばない

キーワードを選ぶとき、検索ボリュームの大きい順に並べるのは自然な発想です。ただ、物流会社の場合、これは有効に働かないことがあります。

「物流」のような大きな語と、「冷凍倉庫 千葉」「化粧品 物流代行」「EC物流 小ロット」のような語では、検索数に差がある場合があります。しかし営業上重要なのは、獲得したい荷主の条件にどれだけ近いかです。

大きな語で流入が得られても、学生の調べ物や同業他社の情報収集などが含まれていれば、問い合わせや商談につながるとは限りません。逆に、検索数が小さくても、対応可能な条件と一致する検索であれば、1件の問い合わせが受注に近い可能性があります。

判断は、次の7つを合わせて行います。

判断軸確認すること
検索需要どの程度探されているか
荷主意図委託先を探している検索か
自社の対応可否その条件で実際に受注できるか
受注したい案件との近さ増やしたい案件と一致するか
検索結果自社サイトが入り込める余地があるか
既存ページすでに答えているページがあるか
営業上の重要度営業として優先したい領域か

検索ボリュームが小さいから不要、大きいから優先、とは考えません。

なお、検索数や難易度の数値は、ツールで実際に確認できたものだけを扱ってください。推測で数値を置くと、優先順位の根拠そのものが崩れます。

検索結果を見て、意図を推定する

キーワードの文面だけから、検索している人の目的を決めないでください。

検索結果に並ぶページの種類が異なる場合、求められている情報や検索意図が異なる可能性があります。

検索例検索結果に並びやすいもの
倉庫 千葉物流会社、倉庫物件(不動産系)、比較サイト、倉庫一覧が混在する可能性
3PLとは情報記事、用語解説
3PL 千葉サービスページ、会社サイト、拠点ページ
EC物流 小ロットサービス提供会社のページ

とくに「倉庫」という語は注意が必要です。物流を委託する先を探す意図と、倉庫物件そのものを借りたい・買いたいという意図が混ざる可能性があります。検索結果に不動産系のサイトが多く並んでいれば、そこは物流委託の受け皿としては狙いにくい領域です。

検索結果で確認する項目です。

  • 上位にどんな種類のページが並んでいるか
  • 情報記事が中心か、サービスページが中心か
  • 拠点ページが入っているか
  • 比較サイトやポータルが占めていないか
  • 物件探しの結果が混ざっていないか
  • 上位ページが具体的に何を答えているか

ここで使う「検索意図」という言葉は、検索した人の頭の中を断定するものではありません。検索語と検索結果から推定するものです。推定である以上、外れることもあります。だからこそ、公開後にSearch Consoleで実際の流入クエリを確認する工程が必要になります。

似たキーワードを「検索テーマ」にまとめる

ここが、キーワード一覧をサイト構造へ変換する分岐点です。

まとめられる可能性がある例

  • EC物流
  • EC物流代行
  • EC物流アウトソーシング
  • 通販物流代行

これらの検索結果と意図が近く、同じサービスページで十分に答えられるのであれば、1つの検索テーマとして扱う候補になります。別々のページを作っても、書ける内容がほとんど重なるためです。

分ける候補になる例

  • EC物流
  • EC物流 小ロット
  • EC物流 冷凍

条件が加わることで、求められる情報や検索結果に並ぶページが明確に変わるのであれば、別ページの候補になります。小ロット対応の条件や料金体系、冷凍対応の設備といった、元のページでは扱いきれない情報が必要になるためです。

整理すると次のようになります。

文字列が違う=別テーマ、ではありません。語が似ている=同テーマ、でもありません。

判断材料として、検索結果に並ぶページの種類、求められている情報、自社が返せる答えを確認します。これらが概ね近く、1ページで十分に答えられるなら、同じ検索テーマとしてまとめる候補になります。反対に、必要な情報やページの役割が明確に異なるなら、別テーマとして扱うことを検討します。

500キーワードを253の検索テーマへ整理した考え方

ツリーズコンサルティングでは、物流・倉庫・3PL領域について、荷主側の検索キーワード500件と物流会社側の集客キーワード20件を収集しました。このうち荷主側の500件を、253の検索テーマへ整理しています。

この整理は、機械的なアルゴリズムによるクラスタリングではありません。厳密なSERP重複率だけで自動的に算出したものでもありません。

整理の過程で確認したのは、次のような点です。

  • 語の意味と、含まれる条件(サービス・商材・地域・条件)
  • 検索している人が探していそうな対象
  • 代表的な検索結果と、上位に並ぶページの種類
  • 実在する物流会社のサービスページ、業界ページ、比較・選定コンテンツの構成
  • 1ページで答えられる範囲かどうか
  • そのテーマを受けるページの役割

500件すべての検索結果を1件ずつ精査したものではなく、代表的な検索結果を確認しながら、検索意図とページの役割の観点で整理したものです。

この点を明示するのは、整理の精度を誇張しないためです。検索結果は変動しますし、業種や企業規模によって適切なまとめ方も変わります。253という数は固定的な正解ではなく、荷主検索を扱いやすい単位に整理した結果の一つと考えてください。

自社で同じ整理をする場合、500件から始める必要はありません。まず増やしたい案件に関係する範囲から着手し、必要に応じて対象を広げても、テーマの束ね方は同じ手順で進められます。

検索テーマを46の「ページ母型」に落とす

253の検索テーマを、さらに46のページ母型へ整理しています。

253テーマ=253ページではありません。

ページ母型とは、物流企業のサイトを設計するときに繰り返し使える、ページの型のことです。

母型の種類役割
サービスページ提供する業務の内容と対応範囲を示す
商材別ページ特定商材への対応を示す
拠点ページ拠点の物理的な条件を示す
地域・エリアページ地域単位でサービスと拠点を案内する
条件別ページ小ロット、多品種、危険物などの条件対応を示す
導入事例実際の運用イメージを示す
FAQ委託前の細かい確認事項に答える
情報記事検索の入口を作り、サービスページへ送る
比較・選び方記事検討段階の判断を助ける

重要なのは、46母型すべてを作るべきという意味ではないことです。

たとえば「食品物流」という母型があっても、食品を扱わない会社には不要です。「危険物倉庫」の母型も、対応していない会社が作れば、対応できない案件の問い合わせにつながる可能性があります。

母型は選択肢の一覧です。自社の対応範囲と、増やしたい案件に合うものだけを選んでください。

どの検索テーマを、どのURLで受けるか

ここがサイト構造設計の核心です。キーワード単位ではなく、検索テーマ単位で主担当URLを決めます。

具体例で見ます。

例1:「EC物流」

サービス自体を探している検索であれば、EC物流サービスページが主担当の有力候補になります。実際には検索結果と既存ページの役割を確認して決めます。

例2:「EC物流 小ロット」

分岐します。

  • EC物流ページの中で小ロット対応を十分に説明でき、検索結果も同種のページが並ぶ → 同じURLで受ける
  • 小ロット向けに専用の料金体系や運用があり、検索結果でも条件特化のページが並ぶ → 別ページの候補

例3:「千葉 冷凍倉庫」

これも分岐します。

  • 千葉に冷凍対応の拠点があり、拠点固有の情報を書ける → 拠点ページが候補
  • 冷凍物流を地域横断のサービスとして提供している → サービスページが候補

地域を含む検索テーマの扱いは、物流会社の地域SEO・拠点ページSEOで詳しく解説しています。

主担当URLを決めたら、他のページではそれぞれの役割に必要な範囲で関連テーマを扱います。同じ説明を重複させるのではなく、必要に応じて主担当URLへ内部リンクし、ページごとの役割を明確にします。

「1キーワード=1ページ」が危険な理由

次の3語を、何も考えずに3ページにしたとします。

  • 冷凍倉庫
  • 冷蔵倉庫
  • 定温倉庫

自社ではこれらを同じ温度管理サービスとして提供しており、設備も運用も共通だとします。この場合、3ページに書ける内容はほとんど重なります。結果として、内容の薄いページが3つできます。

一方、冷凍と定温で対応拠点も設備も商材も異なり、営業上も別の案件として扱っているのであれば、分ける意味があります。

ページを分ける基準は、語が違うことではありません。荷主に対して別の答えを提供する必要があるかどうかです。

自社で確認する方法:分割を検討しているページについて、「一方にしか書けない内容」を書き出してみてください。書き出せる内容が乏しいなら、1ページにまとめて、その中で条件別の見出しを立てる方が読みやすくなります。

カニバリは「同じ語が書かれていること」ではない

複数のページに「3PL」「EC物流」といった語が出てくるのは自然です。拠点ページに3PLの記載があっても、それ自体は問題になりません。

整理が必要なのは、次のような状態です。

  • 同じ検索テーマで、複数のURLが入れ替わって表示されている
  • 同じ検索意図に対して、複数のページが似た内容を持っている
  • どのページを主担当として改善・計測するかが決まっていない
  • 内部リンクの向き先も分散している

確認方法:Search Consoleの検索パフォーマンスでクエリを絞り込み、そのクエリでどのURLが表示されているかを見ます。想定していた主担当URLと違うページが表示されている場合、サイト内の役割分担を見直す材料になります。

ただし、1つのクエリで複数URLが表示されること自体が必ず問題というわけではありません。ページの役割が異なっていれば、それぞれ別の意図に応えている可能性があります。表示されているURLの内容を見て判断してください。

統合するか、分けるかの判断基準

判断に迷ったときの目安です。

判断軸同じページ寄り別ページ寄り
検索意図近い異なる
検索結果同種のページが並ぶ異なるページタイプが並ぶ
提供サービス実質的に同じ条件・内容が異なる
必要な情報ほぼ同じ大きく異なる
営業導線同じ担当・同じ商談の流れ別案件として扱う
独自情報分けると内容が薄くなるそれぞれ十分に書ける

**この表だけで機械的に判定しないでください。**複数の項目が別ページ寄りであっても、各ページに固有の情報を十分に用意できないなら、統合した方がよい場合があります。最後は、そのページに固有の情報を用意できるかで決まります。

サイト階層をどう組むか

主担当URLが決まったら、それらをどう配置するかを考えます。

一例です。

トップ
├ サービス
│  ├ 3PL
│  ├ EC物流
│  ├ 冷凍・冷蔵物流
│  └ 流通加工
├ 対応商材
│  ├ 食品
│  ├ 化粧品
│  └ アパレル
├ 拠点
│  ├ 千葉物流センター
│  └ 埼玉物流センター
├ 導入事例
└ コラム

**この階層が、すべての物流会社にとっての正解ではありません。**事業内容、拠点数、扱う商材、検索需要によって変わります。商材の種類が少ない会社なら「対応商材」の階層は不要ですし、拠点が1つなら拠点ページはサービスページに統合できます。

重要なのは、分類軸を混ぜすぎないことです。

たとえばサービス一覧の中に、次のように並んでいる状態は、分類軸が混在しています。

  • EC物流(サービス)
  • 千葉物流センター(拠点)
  • 食品(商材)
  • 会社概要(企業情報)

初めて訪れた荷主は、どこを見れば自分の課題に近いのか判断しにくくなります。

自社で確認する方法:グローバルナビゲーションの各項目が、どの軸に属するかを書き出してください。サービス・商材・拠点・企業情報など異なる分類軸が混在し、利用者が目的のページを探しにくい状態になっていれば、整理を検討します。

サイト全体の改善は、物流会社のホームページ改善で扱っています。

内部リンクは「SEOリンク」ではなく、ページ間の役割で考える

内部リンクを、順位を上げるための施策として捉えると、数を増やす方向に進みがちです。そうではなく、荷主が次に確認したい情報へつなぐという観点で設計します。

想定される流れの例です。

情報記事「EC物流とは」
 ↓
EC物流サービスページ
 ↓
対応拠点ページ / 導入事例
 ↓
問い合わせ
食品物流ページ
 ↓
冷凍対応拠点ページ
 ↓
食品物流の導入事例
 ↓
問い合わせ

内部リンク設計の目的は3つです。

  1. 関連するページを見つけやすくする
  2. サイト内でのページの関係を整理する
  3. 情報記事を読んだ人が、サービスページへ進めるようにする

3つ目がとくに重要です。情報記事への流入が得られても、関連するサービスページへの導線がなければ、読者が具体的なサービスの検討へ進みにくい場合があります。

なお、内部リンクを増やせば順位が上がる、という関係ではありません。増やすことが目的になると、本文と関係のないリンクが並び、かえって読みにくくなります。

アンカーテキストに何を書くか

リンクの文言は、リンク先が分かる表現にします。

避けたい例

  • 「こちら」
  • 「詳しくはこちら」

改善例

  • 「EC物流・発送代行サービス」
  • 「千葉物流センターの設備を見る」

ただし、キーワードを不自然に詰め込む必要はありません。「EC物流 発送代行 通販物流 千葉」のような文言は、読み手にとって不自然です。リンク先のページ名か、そのページで何が分かるかを、自然な日本語で書けば足ります。

情報記事とサービスページの役割を分ける

同じ「3PL」というテーマでも、ページの役割は分かれます。

検索テーマ主担当になりやすいページ
3PLとは情報記事
3PLサービスサービスページ
3PL 千葉拠点ページ、地域ページ、サービスページのいずれか(要判断)

情報記事に、料金、対応条件、拠点情報、問い合わせフォームまですべてを詰め込む必要はありません。記事の役割は、検索の入口を作り、理解を助け、次のページへ渡すことです。

情報記事
 ↓
サービスページ
 ↓
拠点・事例
 ↓
問い合わせ

サービスページに何を書くかは物流会社のサービスページSEO、3PL事業者向けの整理は3PL会社のSEO対策、EC物流特化の整理はEC物流・フルフィルメント会社のSEO対策で扱っています。

新規ページを作る前に、既存ページを確認する

新しいキーワードを見つけたとき、すぐに新規ページを作らないでください。

確認する順序です。

  1. すでに似た内容のページがあるか
  2. Search Consoleで、そのクエリで表示されているページはあるか
  3. 既存ページへの追記で足りるか
  4. 既存の複数ページを統合した方が良いか
  5. 検索結果に並ぶページの種類と、自社の既存ページの型が合っているか

既存ページがすでに一定の評価を得ている場合、新しいページを作ると、同じテーマで自社内のページが並ぶことになります。

ツリーズコンサルティングが公開している支援事例でも、既存記事を棚卸ししたうえで、すでに検索上位にあり検索意図とも合っているページは現状維持とし、狙っていたキーワードと実際に流入が確認されたキーワードがずれているページを優先して改善しました。

実際の判断の過程は、物流会社のSEO支援事例にまとめています。

ページを作る優先順位

候補が出そろったら、順番を決めます。判断材料は7つです。

  1. 実際にその条件で受注できるか
  2. 営業として増やしたい案件か
  3. 検索需要があるか
  4. 検索結果を見て、自社サイトが入り込める余地があるか
  5. 既存ページでは十分に答えられないか
  6. そのページに固有の情報を用意できるか
  7. 社内の体制で実装できるか

**7つすべてを満たす必要はありません。**総合的に判断します。

たとえば、検索需要が小さくても、高単価で受注したい「冷凍食品 × 特定地域」の組み合わせが営業上重要であれば、優先候補になります。逆に、検索需要が大きくても、対応できない条件であれば作りません。

6番目の「固有の情報を用意できるか」は見落とされがちです。ページを作ることは決まっても、書く内容を現場や営業から集められなければ、公開が遅れるか、内容の薄いページになります。

実際の作業フロー

手順としてまとめます。

  1. 増やしたい案件と荷主を決める
  2. 関連するキーワードを広く集める
  3. サービス・商材・地域・条件・システム・課題の軸で分類する
  4. 代表的な検索結果を確認し、意図を推定する
  5. 似た意図のものを検索テーマへまとめる
  6. 既存URLと対応づける
  7. 既存で受けられないテーマについて、新規URL候補を決める
  8. ページ母型へ当てはめ、各ページの記載項目を決める
  9. 内部リンクの向きを設計する
  10. 優先順位を決めて実装する
  11. Search Consoleと問い合わせ内容で検証する

**5から7が最も重要な工程です。**ここを飛ばして2から10へ進むと、キーワードの数だけページが増えます。

11の検証では、順位だけでなく、想定した主担当URLが実際に表示されているか、問い合わせの内容が獲得したい案件と合っているかを確認してください。

設計例|架空の物流会社で考える

具体的に見ます。以下は架空の会社です。

A社の条件

  • 千葉と埼玉に倉庫を保有
  • 食品とEC物流に対応
  • 千葉拠点は冷凍対応
  • 埼玉拠点はEC物流に強い
  • 流通加工に対応

集めたキーワードの例

食品物流/冷凍倉庫 千葉/EC物流 埼玉/EC物流 小ロット/流通加工/3PL 関東

これを検索テーマと主担当URLへ落とすと、次のようになります。

検索テーマ推定される意図主担当URL補助URL
食品物流食品の物流委託先を探す/service/food-logistics/千葉拠点、冷凍サービス、食品の事例
冷凍倉庫 千葉千葉で冷凍保管できる先を探す/warehouse/chiba/冷凍・冷蔵物流サービス、食品物流
EC物流 埼玉埼玉でEC物流を委託したい/warehouse/saitama/EC物流サービス
EC物流 小ロット小ロットで対応可能か確認したい/service/ec-logistics/ 内の小ロット項目埼玉拠点、EC物流の事例
流通加工流通加工の対応範囲を知りたい/service/processing/千葉拠点、埼玉拠点
3PL 関東関東で3PLを委託したい/service/3pl/千葉拠点、埼玉拠点

この設計での判断ポイント

  • 「EC物流 小ロット」を別ページにしなかった理由:小ロット対応は既存のEC物流サービスの一部であり、専用の運用や料金体系を持たないため。独立させても書ける内容が重なります。将来、小ロット専用のプランを作るなら、その時点で分割を検討します。
  • 「冷凍倉庫 千葉」を拠点ページで受ける理由:冷凍対応は千葉拠点固有の設備であり、面積・温度帯・保管方式といった拠点固有の情報が判断材料になるため。
  • 「3PL 関東」をサービスページで受ける理由:2拠点いずれも関東の3PLに対応するため、どちらかの拠点ページを主担当にすると役割が重なります。サービスページを主担当にし、拠点ページはそれぞれの固有条件に集中させます。

内部リンクの向き

コラム「EC物流とは」→ /service/ec-logistics/ → /warehouse/saitama/ → 事例 → 問い合わせ
/service/food-logistics/ → /warehouse/chiba/(冷凍対応)→ 食品の事例 → 問い合わせ
/service/3pl/ → /warehouse/chiba/ ・ /warehouse/saitama/ → 問い合わせ

6つのキーワードに対して、新たに必要なURLは5つです。キーワードの数だけページを作る設計にはなっていません。

チェックリスト

自社の状況を確認する際に使えるリストです。Yes / Noで記入してください。

該当しない項目もあります。Noの数で良し悪しを判定するものではありません。

#カテゴリ確認項目
1事業増やしたい案件と荷主が決まっている
2事業対応できない条件が明確になっている
3キーワード荷主側の言葉と物流会社側の言葉を分けている
4キーワードサービス・商材・地域・条件の軸で分類している
5キーワード営業やヒアリングから得た言葉も含めている
6キーワード検索数の推測値を根拠に使っていない
7検索結果主要なキーワードで検索結果を確認している
8検索結果上位に並ぶページの種類を記録している
9検索結果物流委託と倉庫物件探しを切り分けている
10検索意図語の見た目だけで意図を決めていない
11検索テーマ似た意図のキーワードをテーマにまとめている
12検索テーマ条件が加わることで別テーマになる語を見分けている
13主担当URL検索テーマごとに主担当URLが決まっている
14主担当URL主担当URLを一覧で管理している
15ページ母型自社に必要な母型だけを選んでいる
16ページ母型対応できない条件のページを作っていない
17重複同じ検索意図に複数ページが似た内容で存在していない
18重複Search Consoleで同一クエリの表示URLを確認している
19サイト階層分類軸が混在していない
20サイト階層階層が事業内容と対応している
21内部リンク情報記事からサービスページへの導線がある
22内部リンクサービスページから拠点・事例へつながっている
23内部リンクリンクの数を増やすこと自体が目的になっていない
24アンカーテキスト「こちら」だけのリンクになっていない
25アンカーテキストキーワードの不自然な詰め込みがない
26既存ページ新規作成前に既存ページを確認している
27既存ページすでに評価されているページを不用意に触っていない
28優先順位検索需要だけで順番を決めていない
29優先順位固有情報を用意できるかを確認している
30計測想定した主担当URLが表示されているか検証している

よくある失敗

キーワードを集めた件数を成果にする

数百件のリストができても、検索テーマとページ設計に落ちていなければ、実行できる計画にはなりません。

検索ボリューム順にページを作る

検索数の大きい語だけを基準に着手すると、獲得したい案件と優先順位がずれる可能性があります。

1キーワード=1ページで作る

内容の重なる薄いページが増えます。更新の負荷も上がります。

地域 × 商材 × サービスを全部掛け合わせる

実態のないページが大量にできます。対応していない組み合わせのページは、対応できない案件の問い合わせにつながる可能性があります。

新規記事ばかり作る

既存ページを確認しないまま追加すると、同じテーマのページが自社内で並びます。

複数URLで同じ検索テーマを狙う

主担当が曖昧になり、どのページを改善すべきかが決まりません。

情報記事だけが増える

情報記事への流入が得られても、関連するサービスページへの導線がなければ、読者が具体的なサービスの検討へ進みにくい場合があります。

内部リンクを「こちら」だけにする

リンク先で何が分かるのかが伝わりません。

まとめ

この記事の流れを、もう一度整理します。

500件の荷主検索キーワード
 ↓
253の検索テーマ
 ↓
46のページ母型
 ↓
自社に必要なURLだけを選択
 ↓
内部リンクで接続
 ↓
問い合わせ導線へ

500キーワード=500ページではありません。

検索需要をページ数に変換するのではなく、荷主が探しているものと、自社が提供できるものを対応づけて、必要なページだけを作る。この順序が、物流会社のサイト設計では現実的です。

まず着手するなら、次の2つです。

  1. 増やしたい案件に関係するキーワードを集め、サービス・商材・地域・条件などの軸で分類する
  2. 優先度の高い検索テーマから検索結果を確認し、上位に並ぶページの種類を記録する

この2つができれば、既存ページで受けられるものと、新しく必要なものの区別がつきます。

ツリーズコンサルティングでは、物流・倉庫・3PL領域について、荷主側の検索キーワード500件と物流会社側の集客キーワード20件を収集し、代表的な検索結果、実在する物流会社のサービスページ、業界ページ、比較・選定コンテンツを確認したうえで、253の検索テーマと46のページ母型に整理しています。

この整理をもとに、検索からサービスページ、問い合わせ、商談までの導線を設計しています。

次のようなご相談にも対応しています。

  • 集めたキーワードをどうページに落とせばよいか整理したい
  • 既存ページで受けられるものと、新規に必要なものを判断したい
  • 同じテーマで複数ページができている状態を整理したい
  • サイト構造と内部リンクを事業内容に合わせて見直したい

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