金属加工の加工事例SEO|写真だけで終わらせず新規受注につなげるページ設計

金属加工会社には、SEO会社がゼロから記事を書かなくても、すでに大量のコンテンツ候補が存在することがあります。それが過去の加工実績です。

ところがホームページを見ると、「加工事例 No.127」「SUS304」「写真1枚」だけで終わっていることがあります。

これでは「実績がある」ことは分かっても、発注担当者が、自分の図面に近いか、この会社の設備で加工できるか、この精度・ロットでも相談できるかを判断できません。

加工事例SEOでやるべきなのは、写真を大量掲載することではありません。

過去の加工を、発注条件として検索・比較できる情報へ変換することです。

御社にすでにある加工実績を、検索される営業資産へ整理します。

目次

加工事例は「ブログ記事」ではなく営業データベースと考える

加工事例を「今月もこんな製品を作りました」というニュース記事として作ると、更新はできますが構造化しにくくなります。

むしろ、1加工事例=1件の加工データと考えます。

自社の見積・発注判断で何を聞かれるかから項目を決めます。

加工事例に持たせたい情報

項目発注担当者が確認する意味
部品名・用途似た用途経験があるか
業界自社業界の経験があるか
加工方法必要工程に対応できるか
材質材料経験があるか
素材寸法加工前サイズ
完成寸法自社設備で扱える大きさか
ロット試作・小ロット・量産との相性
公差要求精度との適合
幾何公差真円度・平面度等
面粗さ仕上げ要求
設備加工方法の裏付け
治具特殊形状への対応経験
二次工程熱処理・表面処理等
測定品質保証方法
納期実績条件
加工上の課題技術難易度
解決方法自社固有のノウハウ

全部書けばSEOが強くなる、という意味ではありません。その事例について実際に存在する情報だけを書くことが大前提です。

「SUS304を加工しました」では技術差が出ない

たとえば「SUS304の部品をNC旋盤で加工しました」という説明なら、多くの加工会社が書けます。

一方、薄肉のためチャッキングで変形しやすかった、深穴加工で切粉排出が問題だった、多面加工をワンチャック化した、専用治具を設計した、熱処理後の歪みを考慮した、測定方法を工夫した、といった話は、その会社が実際に仕事をした証拠になります。

課題 → 工程 → 工夫 → 結果が、加工会社独自の一次情報になります。

加工事例タイトルは「何の事例か」が分かるようにする

よくある弱いタイトルが「加工事例 No.25」「製品事例」「実績紹介」です。

たとえば「SUS303製小径部品の微細クロス穴加工」のように、材質+形状・条件+加工方法を自然な範囲で表現します。

SEO語を不自然に詰め込む必要はありません。

「この1件の実績」と「会社全体の加工能力」を混同しない

たとえば「公差±0.005mmで加工した事例」が1件あるからといって、「当社は全製品で±0.005mm対応可能」という意味にはなりません。

加工事例は「この案件では○○を実現した」。加工能力ページは「自社として通常受注可能な対応範囲」。を分けます。

特に精度、サイズ、面粗さ、納期で重要です。

精度を書くなら「何の精度か」まで書く

「高精度加工」とだけ書いても発注条件として不十分です。

寸法公差、穴径公差、位置度、真円度、円筒度、平面度、平行度、表面粗さは意味が違います。

加工事例では「高精度に加工しました」ではなく、どこの寸法・形状に、どんな要求があったかを書ける範囲で具体化します。

測定まで書くと「本当に保証できるか」が伝わる

加工できることと、要求値を確認できることは別問題です。

たとえば三次元測定機、真円度測定機、粗さ測定機、画像測定機、マイクロメータなど、自社が実際に使用した測定方法を事例に紐づけられる場合があります。

高精度加工では、どう加工したかだけでなく、どう確認したかまで書くことで技術情報として一段深くなります。

加工事例を「加工方法×材質×条件×用途」の交差点にする

たとえば1件の事例が、NC旋盤 × SUS304 × 小ロット × 産業機械 × 薄肉という条件を持っているとします。

この事例は、NC旋盤ページ、SUS304ページ、小ロット加工ページ、産業機械向け加工ページ、薄肉加工の技術記事のすべてに関係します。

加工事例は、サイト構造の末端ではなく、複数テーマを結ぶノードです。

1つの加工事例を4ページにコピーしない

先ほどのNC旋盤 × SUS304 × 小ロット × 産業機械という事例を、NC旋盤用、SUS304用、小ロット用、産業機械用として4コピーする必要はありません。

基本は、1事例=1つの正規URLです。

そこへ加工方法、材質、用途、ロットという属性を持たせます。

「カテゴリ」と「事例」は別ページにする

一覧・カテゴリページ

NC旋盤加工事例をまとめる。

詳細事例

個別案件を詳しく説明する。

カテゴリページには単なるカード一覧だけでなく、この加工の得意条件、主な設備、サイズ、ロット、材質、関連サービスページなど、カテゴリ自体の説明を付けられます。

フィルタ検索とSEOページを同じものだと思わない

事例が増えてくると、材質、加工方法、業界、ロットで絞り込みが欲しくなります。

ユーザー用フィルタと、SEOランディングページは分けます。

すべてのフィルタ組み合わせを検索エンジンにインデックスさせる必要はありません。

写真だけの加工事例を、材質・寸法・ロット・加工方法・精度で探せるページへ変えませんか。サイト構造まで含めて整理します。

どのカテゴリをSEOページにするか

判断材料は、1.実際の検索需要、2.検索意図が独立しているか、3.事例が複数あるか、4.独自説明を書けるか、5.その仕事を増やしたいか、です。

SEO用ページ数を増やすために分類を細分化しないことが重要です。

事例一覧は「写真の壁」にしない

事例が100件並んでいても、写真だけでは発注担当者は探せません。

一覧カードにも最低限、材質、加工方法、サイズ、ロット、特徴などを表示すると探しやすくなります。

写真だけでなく、図・拡大・測定結果も使う

金属加工では、完成品全体写真だけでは難易度が分からない場合があります。

たとえば微細穴の拡大、深溝部分、薄肉部、測定画面、治具、工程途中を掲載できる場合があります。

顧客図面や機密形状が映らないように確認が必要です。

NDA・守秘義務があるから加工事例を作れない、とは限らない

公開しないものとして、顧客名、製品名、図面、正確な用途。

公開可能なら残すものとして、材質、加工方法、寸法レンジ、ロット、技術上の課題、工程という匿名化も検討できます。

契約上禁止されている場合は当然掲載しません。

「加工事例を月○件作る」を目的にしない

「毎月10記事更新しましょう」と決めると、写真1枚、材質1行、ほぼ同じ説明という事例が量産される可能性があります。

更新本数より、この事例を見た発注担当者が加工可否を判断できるかを基準にします。

それでも事例制作を簡単にしないと続かない

加工完了時に現場から最低限の情報を残します。

基本情報

材質、寸法、数量、加工方法、設備。

技術情報

難しかった点、工夫した点、測定方法。

公開

顧客名公開不可、写真公開可否、寸法公開可否、業界公開可否。

Web担当者はその中から、公開価値の高い案件を選んで記事化します。

「営業担当がよく聞かれる質問」を事例テンプレートへ戻す

営業担当者へ「加工事例を見せた後、顧客から何を聞かれますか?」と聞きます。

たとえば、もっと大きいサイズは可能か、この材質以外は可能か、1個でも可能か、量産可能か、同じ精度で長尺可能か、と聞かれるなら、その情報がWebに不足しています。

加工事例から直接問い合わせさせる

事例ページを読んだ人は「この会社に近い仕事を頼めるかもしれない」という状態です。

そこで記事末に「お問い合わせはこちら」だけではなく、「この加工事例に近い図面を相談する」というCTAを置きます。

加工事例SEOのKPIはPVではない

見るべきなのは、検索表示→事例閲覧→関連加工ページ閲覧→CTAクリック→図面・問い合わせ→見積→受注です。

営業メールで事例URLを送って受注したなら、SEO流入ゼロでも営業資産として価値があります。

加工事例ページのテンプレート例

基本情報表

材質、寸法、数量、加工方法、使用設備、精度、二次処理。

加工内容

何を加工したか。

この案件の課題

何が難しかったか。

加工上の工夫

工具、治具、工程、チャッキング等。

品質確認

どこをどう測定したか。

類似案件への対応

どこまで一般化して相談可能か。

関連ページ

加工方法、材質、ロット、設備、類似事例。

CTA

図面を送って類似加工を相談。

まとめ|加工事例SEOは「過去の仕事を検索可能にする」施策

加工会社が新しいSEO記事を何十本も作る前に、確認したいことがあります。

すでに行った仕事が、Web上で検索・比較できる状態になっているかです。

加工事例を写真+製品名で終わらせず、加工方法 × 材質 × 寸法 × ロット × 精度 × 設備 × 用途 × 課題・工夫として記録します。

加工事例は、SEO用の記事でも会社紹介の飾りでもありません。

御社の加工技術を、検索されるページへ整理します。加工事例の項目設計、カテゴリ、内部リンク、問い合わせ導線まで含めて設計します。

過去の加工実績を、次の発注者が探せる営業データベースに変えるものです。

関連ページ