切削加工会社のSEO対策|材質・形状・精度から新規受注を増やす設計

切削加工会社のSEOは、「切削加工」で1位を取る施策ではありません。発注者にとって重要なのは、検索順位そのものではなく、自分の図面にある材質、形状、寸法、公差、数量、納期に対応できる会社かどうかです。

ところが加工会社サイトに「高品質・短納期」「最新設備を保有」としか書かれていなければ、丸物と角物のどちらが得意か、対応する径・長さ・XYZ、適する数量帯が分かりません。これでは発注者は自社案件への適合を判断できません。

必要なのは、発注条件と加工事例を役割の異なるページへ整理することです。設備を持っていることをSEOするのではなく、その設備によって何を、どの条件で加工できるかをSEOします。

この記事では、切削加工の親ページ、NC旋盤・マシニング・五軸などの専門ページ、加工事例、設備、品質、問い合わせをどうつなぐかを説明します。読了後には、自社が最初に直すべきページを判断できる状態を目指します。

自社の加工技術をどうページに分けるか相談する

目次

結論|「切削加工」で上位を取るより、得意条件をページに分ける

切削加工会社が最初に行うべきことは、自社が受注したい加工条件をページ単位で整理することです。「切削加工」は旋盤もマシニングも、丸物も角物も、アルミもステンレスも含むため、1ページですべてを受け止めようとすると得意案件が伝わりません。

発注者は会社の設備名より、自分の図面に合う条件を探している

発注者が加工会社を選ぶときに確認したいのは、設備型式そのものではありません。少なくとも、次の条件を見ています。

  • ワークは丸物か、角物・プレートか、多面・複雑形状か
  • 材質はSUS304、A5052、S45C、チタンなどのどれか
  • 外径、長さ、XYZ寸法、重量が加工範囲に収まるか
  • 薄肉、深穴、微細穴、長尺などの難しい形状に実績があるか
  • 寸法公差、幾何公差、面粗さを加工し、測定できるか
  • 試作1個、小ロット、量産のどこに生産体制が合うか
  • 熱処理、表面処理、研削まで一括で依頼できるか

設備ページに「メーカー名・型式・台数」だけを載せても、見積可否の判断には足りません。設備情報は、径、長さ、XYZ、重量、材質、ロット、代表事例へ翻訳して初めて営業情報になります。

切削親ページ、専門ページ、事例の役割を分ける

1ページにすべてを詰め込むのではなく、ページの役割を分けます。

ページ役割主に載せる情報
切削加工の親ページ自社の切削加工全体を示し、適切な専門ページへ案内する加工方法、代表材質、形状、加工範囲、ロット、強み、主要な事例
NC旋盤ページ丸物・回転対称部品への適合を判断させるバー材/チャックワーク、最小・最大径、加工長、ロット、丸物事例
マシニングページ角物・プレート・固定ワークへの適合を判断させるXYZ、重量、加工面、3軸/4軸、治具、角物事例
五軸ページ多面・複雑形状で五軸を使う意味を伝える割出/同時、加工面、ワンチャッキング、形状事例
材質ページ材質グレードごとの経験を示す実績材、形状、加工法、課題、同材質事例
加工事例抽象的な能力を、案件単位の証拠に変える材質、寸法、公差、ロット、用途、設備、測定、課題
設備・品質ページ加工能力と保証体制の根拠を示す設備仕様、実加工範囲、測定設備、検査体制、証明書

親ページは専門ページの寄せ集めではなく、「次にどのページを見れば適合を判断できるか」を案内するページです。

発注者は「切削加工」に何を足して会社を絞るのか

発注者は「切削加工」に見積可否を分ける条件を加えて会社を絞ります。検索ボリュームが未確認の語を「需要が大きい」とは断定できません。

旋盤・マシニング・複合・五軸という加工方法

加工方法を足す検索は、ワークの形状や工程をある程度想定している発注者が使います。

  • 「NC旋盤 長尺 SUS304」
  • 「A5052 マシニング加工 1個」
  • 「複合旋盤 シャフト 小ロット」
  • 「五軸加工 複雑形状 チタン」

この段階の発注者に、切削加工全般の説明だけを読ませるのは遠回りです。丸物ならNC旋盤、角物ならマシニング、多面・複雑形状なら五軸や複合加工へ進める入口が必要です。

SUS304・A5052・S45C・チタン等の材質

材質名を足す検索では、同じ材質で近い形状・精度・数量の経験があるかが見られます。SUS303とSUS304、A5052とA6061を一括りにせず、グレードごとに代表事例を結びます。チタンやインコネルも、一覧に名前を載せるだけでなく、実績材種、形状、加工法、検査の証拠が必要です。

実績が少ない材質は一覧や事例タグにまとめ、受注したい案件と十分な証拠がある材質だけを担当ページにします。

材質由来の加工難度は、「難削材加工会社のSEO対策」で詳しく扱います。

丸物・角物・薄肉・長尺・深穴等の形状と寸法

形状の言葉は、発注者が「一般的な切削会社では難しいかもしれない」と感じたときに加わります。

  • 丸物・シャフト・フランジ
  • 角物・プレート・ブロック
  • 薄肉・微細・深穴
  • 長尺・大径
  • 多面・自由曲面・複雑形状

「薄肉加工に対応」だけで終わらせてはいけません。今橋製作所の公開事例では、SUS304のカバーについて、φ200×50L、肉厚0.2mm、公差±0.02、3個、納期約3週間という条件が掲載されています。同社の個別事例であり業界一般の能力ではありませんが、自分の図面と比較できる情報の好例です。今橋製作所の薄肉試作事例

精度・ロット・納期・用途という見積条件

同じ材質・形状でも、公差、数量、納期、用途が違えば適する会社は変わります。「1個から」と「月1万個」は生産方式が異なり、「短納期」も材料在庫、治具、表面処理の有無で変わります。

長濱製作所の公開事例には、SUS304、20×30×40mm、数量1、Ra6.3という例と、SUS316、数量1、公差レベル0.03、Ra6.3、φ2の深穴という例があります。個別事例として材質・数量・寸法・面粗さ・特徴を一緒に示すと、単なる「小ロット対応」より判断しやすくなります。

用途も「半導体向け実績あり」で終わらせず、その用途で求められた材質、形状、品質、洗浄、証明などへ結びます。業界名は看板ではなく、発注条件を理解している証拠として使います。

まず丸物・角物・複雑形状で入口を分ける

切削加工サイトの最初の分岐は、丸物、角物・プレート、多面・複雑形状です。

丸物はNC旋盤ページへ

丸物・回転対称部品では、最小・最大径、加工長、バー材かチャックワークか、背面・偏心・横穴を含むか、適合ロットが判断材料になります。

武井製作所の公開ページでは、NC旋盤加工の範囲をφ2〜φ150、加工長L=120mmまで、数量10〜50,000個程度と示し、「少量品の加工は量産を前提」と記載しています。対応材質と、協力会社で加工する場合があることも明記されています。同社の公開範囲であり一般化できませんが、前提条件の明示がミスマッチ防止につながる例です。

この記事では丸物の入口までを説明し、バー材/チャックワーク、径・加工長、複合旋盤、量産性の詳細はNC旋盤の専門ページに譲ります。

角物・プレートはマシニングページへ

角物・プレートでは、XYZの軸移動量だけでなく、実際に載せられるワーク寸法・重量、加工面、治具、3軸・4軸、必要な段取り、測定方法を確認します。

中川製作所の公開事例では、A5052の250×250×t12のプレートに、φ1.3×深さ12の穴を13,500穴加工し、寸法±0.02、平面度0.02、穴径±0.025、1枚から、納期1週間と記載されています。同社の個別事例であり、サイズ、穴、精度、ロット、納期を結んだ実績の例です。中川製作所のA5052プレート事例

XYZ、加工面、軸構成、治具の詳細はマシニング加工の専門ページで扱い、この記事では角物案件の入口に留めます。

多面・複雑形状は五軸・複合加工ページへ

複数面の加工、アンダーカット、自由曲面、再把持で基準がずれやすい形状では、五軸や複合加工が候補になります。ただし、「五軸機があるから高精度・短納期」とは言い切れません。

発注者に伝えるべきなのは、割出五軸か同時五軸か、どの形状で段取りを減らせるか、ワーク範囲・重量、使用するCAD/CAM、干渉確認、加工後の測定です。五軸固有の価値は五軸加工の専門ページで詳細を説明しています。この記事では複雑形状の判断入口だけを示します。

得意条件を「加工可能一覧」で終わらせず担当ページにする

対応材質・加工方法の一覧だけでは発注判断に足りず、掛け合わせごとのページ量産も重複を生みます。

材質名はグレードと加工事例を結ぶ

材質ページを作るなら、少なくとも次を示します。

  • 実際に加工した材質グレード
  • 丸棒、板、ブロック、鋳物などの素材形状
  • 主に使う加工方法
  • 得意な形状・寸法帯
  • 公開できる公差・面粗さの事例
  • ロットと用途
  • 変形、工具摩耗、切りくず等の課題
  • 同材質の加工事例

「相談可能な材質」と「加工実績を公開できる材質」は分けます。実績のない材質名まで増やすと、対応外の問い合わせで営業負荷が上がります。

薄肉・深穴・長尺等は課題と証拠を示す

形状・課題ページでは、「なぜ難しいか」「どの条件で実績があるか」「どう確認するか」を主役にします。

薄肉なら、びびり、変形、保持、治具、測定。深穴なら、穴径、深さ、アスペクト比、真直度、切りくず排出。長尺なら、径、全長、振れ、たわみ、支持方法、測定です。

ただし、1件の事例があるだけで会社全体の保証値に広げてはいけません。個別事例の条件と、標準的に相談できる範囲を分けて表示します。

独立ページを作る/まとめる判断基準

独立URLを作るかは、次の4条件で判断します。

  1. 発注者の検索意図が、既存ページと区別できる
  2. 自社に実績、設備、事例、測定などの固有証拠がある
  3. 受注したい案件で、採算や生産体制に合う
  4. そのページだけで発注判断を一段進められる

4条件を満たさない場合は、親ページの表、加工事例、タグ、FAQへまとめます。URLは検索語の数ではなく、受注したい案件と証拠の量で決めます。

加工事例を検索入口と技術証明に変える

加工事例は写真ギャラリーではなく、検索入口、技術証明、問い合わせ前の適合判断を兼ねる営業ページです。

事例に必要な11項目

項目発注者が判断できること
1. 部品名・用途自分の業界・機能に近いか
2. 材質・規格同じ材質グレードの経験があるか
3. 素材形状丸棒、板、ブロック、鋳物等の違い
4. 加工方法旋盤、マシニング、複合、五軸等
5. 外形寸法径、長さ、XYZが近いか
6. 主要公差・幾何公差必要精度の実績があるか
7. 面粗さ仕上げ要求が近いか
8. ロット・納期生産体制が合うか
9. 使用設備・工程どの工程で加工したか
10. 測定方法加工結果をどう確認したか
11. 課題と工夫類似案件に応用できる経験があるか

NDAにより部品名や図面を出せない場合でも、用途を広い分類にし、形状の一部を隠し、数値を公開可能な範囲に丸める方法があります。何も出せないと決めつけず、顧客許諾と機密範囲を確認して情報を設計します。

丸物・角物・薄肉の公開事例から学べること

坂本電機製作所の公開事例では、SUS303のシャフトについてφ10×160、φ10g6(-6〜-15μm)、約200個、産業用ロボット向けと記載されています。別のSUS304フランジ付きシャフトでは、φ65×100、同軸度0.015、直角度0.010、30個程度、半導体製造装置向けです。いずれも同社の個別事例であり、一般的な加工保証値ではありません。坂本電機製作所のステンレス加工事例

ONIプレシジョンの公開事例では、A5052のプレートについて5.5×30×43、平面度・平行度・直角度0.03、寸法公差±0.03、板厚±0.03、ロット10と記載されています。材質、寸法、複数の幾何公差、数量を一緒に示した同社の個別事例です。

今橋製作所の薄肉事例では、材質、寸法、肉厚、公差、数量、納期に加え、プレスでは金型費が課題になる少量試作に対し、旋削を提案した背景まで説明されています。事例に「なぜその加工法を選んだか」があると、単なる実績一覧から提案力の証明へ変わります。

写真だけの事例を避ける

写真と「精密部品」「高精度加工」だけでは見積判断に使えません。最低でも材質、寸法、加工法、主要公差、ロット、用途をテキストで載せます。

写真のaltも「加工事例01」ではなく、公開情報の範囲で「SUS304 フランジ付きシャフト NC旋盤加工」のように内容を表します。ただし、画像に写っていない精度や用途をaltへ詰め込む必要はありません。

加工事例の一覧・詳細・絞り込み設計は、加工事例ページのSEOを扱う別記事で詳しく解説します。

設備名ではなく「何をどこまで加工できるか」を示す

設備ページでは、発注者が自分のワークを加工できるか判断できる情報を示します。

型式を径・長さ・XYZ・重量・ロットへ翻訳する

設備台帳からWebページを作るときは、型式ごとに次の情報を整理します。

設備情報Webで伝える情報
NC旋盤・自動盤バー材/チャック、最小・最大径、加工長、主軸・背面、横穴、適合ロット、代表事例
マシニングセンタXYZ軸移動量、実ワーク寸法、テーブル・重量、加工面、3軸/4軸、治具、代表事例
五軸加工機割出/同時、ワーク寸法・重量、軸範囲、干渉確認、CAD/CAM、複雑形状事例
測定設備測定対象、測定範囲、分解能・不確かさの扱い、検査工程、記録・成績書

中川製作所の設備ページでは、碌々産業Androidについて軸移動量XYZ 450×350×200mm、主軸回転数3,000〜50,000min-1、刃長・径の測定能力最小10μmなどを掲載しています。これらは設備情報であり、すべての製品で同じ精度を保証する値ではありません。個別事例の公差・測定と組み合わせて読みます。

内製設備と協力会社ネットワークを分ける

協力会社ネットワークは調達工数を減らせる一方、自社設備と同じ表で無条件に「保有設備」と書くと、加工場所や品質責任を誤認されます。

ONIプレシジョンは設備ページで「協力会社様含む」と明記し、5軸マシニングセンタ8台、マシニングセンタ62台、複合旋盤7台、NC旋盤18台などを掲載しています。同社・協力会社を含む公開値です。内製、グループ、協力会社の区分、検査場所、最終品質責任を説明すれば、規模と透明性を両立できます。

設備仕様を保証精度と混同しない

次の3つは別物です。

  1. メーカーが示す設備のカタログ仕様
  2. 加工会社が特定条件で実現した加工事例
  3. 受注案件に対して合意し、検査・保証する品質

設備の位置決め精度や最小工具径を、そのまま「すべて±○μmを保証」とは書けません。材質、保持、温度、工具、工程、測定環境で結果が変わるためです。

Webでは「設備仕様」「公開事例の実績値」「標準対応範囲」「個別図面で確認する保証値」を分け、見積時の誤解と確認往復を減らします。

品質・精度は数値と測定方法をセットで伝える

「高精度加工に対応」だけでなく、何の精度か、どの数値か、どう測ったかまで示します。

「高精度」を公差・幾何公差・面粗さへ置き換える

精度情報は、次のように分けて掲載します。

  • 寸法公差:径、長さ、厚み、穴径、ピッチ
  • 幾何公差:真円度、同軸度、直角度、平面度、平行度、位置度、振れ
  • 表面性状:Ra等の面粗さ
  • その他:硬度、材料判別、外観、清浄度など案件固有の要求

坂本電機製作所の公開事例にある同軸度0.015、直角度0.010、Ra0.4のように、数値は部品・材質・寸法・ロットと一緒に示して初めて意味を持ちます。会社全体の保証値に広げず、事例値として扱います。

加工できることと測定・保証できることを分ける

加工できても、測定設備、治具、温度環境、手順がなければ保証はできません。品質ページには、何を誰が測り、記録をどう残すか、検査成績書に対応するかを載せます。

タカヤマの品質ページでは、ハンディプローブ三次元測定器XM-1200、画像寸法測定器IM-6120、表面粗さ測定機SJ-411などの用途を説明しています。各測定器の紹介であり、すべての製品に対する保証値ではありません。測定対象と個別案件の要求を結びつけます。タカヤマの品質保証・測定設備

詳細は精密加工SEOへつなぐ

この記事では、精度を数値と測定で示す必要性までを扱います。校正、測定不確かさ、検査票、品質保証体制の詳細は精密加工ページの領域です。

詳細は「精密加工会社のSEO対策」で扱います。

切削親ページから専門ページへ迷わせず送る

切削親ページを起点に、形状・材質・事例・設備・品質を最短距離で結びます。

切削親・加工法・材質・事例・設備・品質の関係

顧客である架空の切削加工会社を例にすると、次のような構造です。これはTrees Consultingの記事URLではありません。

/processing/cutting/                 切削加工の親
├─ /processing/nc-turning/           NC旋盤・丸物
├─ /processing/machining/            マシニング・角物
└─ /processing/5-axis/               五軸・複雑形状

/materials/                          対応材質の親
├─ /materials/sus304/
└─ /materials/a5052/

/cases/                              加工事例一覧
└─ /cases/[case-slug]/               数値入り個別事例
/equipment/                          設備と加工範囲
/quality/                            測定・検査・品質保証
/contact/processing-consultation/    図面なし・仕様未確定の加工相談
/contact/quotation/                  図面ありの見積依頼

切削親ページから形状別の専門ページへ、専門ページから材質・事例へ進み、事例から使用設備と品質へ戻します。設備ページも対応する加工法と事例へリンクします。

掛け合わせページを量産しない

「SUS304×NC旋盤×小ロット」のような全組み合わせをURL化すると、証拠の薄い説明が重複し、中心ページも曖昧になります。

独立させない組み合わせは、材質ページ内の表、事例絞り込み、FAQで受け止めます。

主要な検索意図ごとに、中心となる担当URLを決める

この記事は切削加工全体の親、NC旋盤は丸物、マシニングは角物、五軸は複雑形状、精密加工は精度と保証、難削材は材質由来の加工難度を中心に担当します。

1ページが複数クエリを獲得し、同じクエリに複数の意図が混在することはあります。そのため「1キーワード=1ページ」とは考えません。主要な検索意図ごとに中心となる担当URLを決め、親ページには入口を置き、子ページの結論・事例・専門説明は複製しないことでカニバリを防ぎます。

本文中CTA|ページの優先順位を整理したい方へ

旋盤・マシニング・複合加工の対応範囲、材質、形状、ロット、加工事例を確認し、切削加工の親ページと、優先して作る専門ページを整理します。

金属加工SEOのページ設計について無料で相談する

※これはTrees ConsultingへのSEO/Web集客相談です。加工可否や図面見積の受付ではありません。

問い合わせ前の迷いを減らす導線を作る

加工会社サイトの問い合わせ導線は、ボタンを増やすより、発注者が判断に必要な情報を順番に確認できることが重要です。

検索→事例→設備・品質→相談の順にする

基本導線は次の通りです。

検索 → 切削加工の親ページ → 近い専門ページ・加工事例 → 設備・品質 → 加工相談または図面見積

親ページからいきなりフォームへ急がせるのではなく、近い事例、対応設備、測定方法を確認できるようにします。一方、各ページの末尾には、次に見るべきページと相談入口を明示します。

図面ありと図面なしを分ける

以下は、顧客である加工会社サイトの問い合わせ改善例です。Trees ConsultingへのCTAではありません。

発注状況加工会社側の入口最小限確認する情報
図面あり図面見積図面・3Dデータ、材質、数量、希望納期、表面処理・熱処理、連絡先
図面なし・仕様未確定加工・開発相談用途、現状課題、必要機能、希望時期、想定数量、参考資料
材質決定済み材質ページから見積へ材質グレード、支給/調達、形状、数量、図面
材質未定技術相談・VA/VE使用環境、要求特性、コスト、納期、数量

図面がある人に長い説明を書かせたり、図面がない人に正式図面を必須にしたりすると離脱が増えます。見積に必要な入口と、仕様を一緒に整理する入口を分けます。

試作・小ロット・量産で必要情報を変える

試作では、何を検証するか、必要日、評価項目、量産予定が重要です。小ロットでは、初回数量だけでなく年間発注回数やリピート条件を確認します。量産では、月間・年間数量、納入頻度、品質文書、供給期間、二次工程が必要になります。

同じ「お問い合わせ」フォームでも、相談種別を選ぶと必要項目が変わる設計にすれば、発注者の負担と見積担当の確認往復を減らせます。

成果は問い合わせ件数より「案件適合率」で測る

切削加工会社のSEOは、問い合わせ数だけで評価すると判断を誤ります。対応外の材質、設備に入らない寸法、採算の合わない数量の問い合わせが増えても、営業成果とはいえません。

検索露出と専門ページ遷移

Search Consoleでは、「切削加工 SEO」だけでなく、材質、加工法、形状、ロットを含む関連クエリ群と着地ページを確認します。親ページと子ページが意図どおり表示されているかを見ます。

GA4では、切削親ページからNC旋盤、マシニング、五軸、材質、事例、品質へ進んだ割合を確認します。滞在時間だけでなく、発注者が適合条件を絞る行動を追います。

適合問い合わせと見積可能案件率

最低限、次を営業側で記録します。

KPI定義例改善に使う場所
案件適合率加工法・材質・形状・寸法・ロットが自社方針に合う問い合わせ ÷ 全問い合わせ親・専門ページの対応条件
図面付き率見積に必要な図面・データが届いた問い合わせ ÷ 見積相談事例・RFQ導線
見積可能案件率必要情報と能力適合がそろい、見積へ進めた案件 ÷ 全問い合わせ設備・品質・フォーム
見積化率見積提出数 ÷ 問い合わせ数営業対応・情報不足
受注率受注数 ÷ 見積提出数価格、納期、技術適合
継続発注率再発注企業数 ÷ 初回受注企業数品質・供給・リピート管理

「問い合わせが増えたが、見積できない案件ばかり」という状態なら、SEOの成功ではありません。流入を増やす前に、対応範囲と対象外条件を明確にします。

受注率・継続発注率まで営業台帳でつなぐ

検索クエリはSearch Console、サイト内行動と問い合わせはGA4、適合性・見積・受注・継続は営業台帳で管理します。個々の検索クエリと問い合わせ者を直接結びつけるのではなく、ランディングページ単位で傾向を見ます。

月次では「表示→クリック→専門ページ遷移→問い合わせ→適合→見積→受注」を同じ表で確認し、流入はあるが適合しないページ、適合するが問い合わせに進まないページを分けて直します。

切削加工会社が最初に直すページの順番

すべての材質・加工法ページを同時に作る必要はありません。既存の証拠が強く、受注したい案件に近い順に進めます。

得意条件と既存証拠を棚卸しする

最初に、過去1〜2年の見積・受注、設備台帳、加工事例、品質資料を見ながら、次を一覧化します。

  • 売上・粗利・継続性の高い案件
  • 得意な丸物・角物・複雑形状
  • 材質グレードと素材形状
  • 径、長さ、XYZ、重量
  • 公差、面粗さ、測定方法
  • 試作、小ロット、量産の得意数量帯
  • 写真・図面・数値を公開できる事例
  • 増やしたい案件と、受けたくない案件

「設備がある順」ではなく、「増やしたい案件と証拠が一致する順」に並べるのがポイントです。

切削親と強い専門ページ2〜3本を作る

最初の公開単位は、切削加工の親ページと、自社の強みが明確な専門ページ2〜3本で十分です。

優先ページ完了条件
1切削加工の親ページ方法、材質、形状、加工範囲、ロット、代表事例、専門ページへの分岐がある
2最も強い加工法ページ丸物ならNC旋盤、角物ならマシニング、多面なら五軸。数値と事例がある
3受注したい材質・課題ページ実績が十分な材質、薄肉・深穴等。単なる用語説明ではない
4加工事例共通11項目で5〜10件から整備する
5設備・品質実加工範囲、測定、保証の考え方を事例と結ぶ
6問い合わせ図面あり/なしを分け、必要情報と返信目安を示す

丸物と角物の両方に対応していても、証拠の濃さや案件価値は同じとは限りません。強い領域から作り、薄い領域は事例が集まってから分けます。

事例・設備・品質を補強し、Search Consoleで直す

公開後は、検索表示が出たクエリ、クリックされたページ、専門ページへの遷移、適合問い合わせを確認します。

  • 想定外のクエリで親ページが表示される:冒頭と内部リンクを調整する
  • 子ページと親ページが同じ意図で競合する:担当範囲とアンカーを見直す
  • 表示はあるがクリックされない:titleとdescriptionを見直す
  • 流入はあるが見積できない:対応条件と対象外条件を明確にする
  • 適合案件は来るが問い合わせに進まない:事例、設備、品質、RFQの不足を確認する

検索順位だけを追うのではなく、営業結果をページ改善へ戻します。

切削加工会社サイトの悪い例と改善例

以下はすべて、架空の切削加工会社を想定した仮の記載例です。数値も説明用の仮定であり、実在企業の加工能力や保証値を転用したものではありません。実装時は必ず自社の設備、実績、品質保証範囲へ置き換えてください。

悪い例改善例(仮の記載例)直す理由
「高品質・短納期の切削加工ならお任せください」「SUS303・SUS304の丸物を中心に、NC旋盤でφ8〜42mm、L100mm以下、試作1個〜300個を主対象とします。公差と納期は図面・工程確認後に回答します」材質、形状、径、長さ、ロットを判断できる。無条件の保証も避けられる
設備一覧に「CNC複合旋盤 ABC-100 3台」とだけ書く「CNC複合旋盤 ABC-100:バー材φ5〜30mmの丸物に使用。横穴・端面加工を含むシャフト、継手の事例へ」型式をワークと実績へ翻訳できる
「鉄・非鉄・樹脂など各種材質に対応」「加工実績:S45C、SCM435、A5052、A6061、SUS303、SUS304。チタン等は形状・数量により個別確認」実績材と相談可能材を分け、過大な対応表示を避ける
加工事例が写真と「精密部品」の一言だけ「材質:A5052/方法:マシニング/寸法:120×80×t15/主要公差:±0.03/数量:20個/測定:画像寸法測定器」自分の図面との近さを判断できる。数値は自社の実例へ置換する
問い合わせボタンが「お気軽にお問い合わせください」だけ「図面あり:図面・材質・数量・希望納期から見積依頼」「図面なし:用途・必要機能・試作時期から加工相談」発注段階に合う入口と入力項目を選べる
「五軸加工に対応」とだけ書く「割出/同時の区分、ワーク寸法・重量、対応する加工面、段取り削減例、3D測定の方法を掲載」五軸保有ではなく、どの形状で価値が出るかを伝えられる

改善例の数字をそのまま公開してはいけません。自社の加工実績、設備制約、測定方法、営業方針を確認し、技術責任者の承認を得た値だけを使用します。

よくある質問

切削加工会社は「切削加工」で上位表示を目指すべきですか?

広い語の順位だけを目標にする必要はありません。発注者は加工方法、材質、形状、寸法、精度、ロットなどを足して候補を絞ります。まず、自社が受注したい条件に合う親ページ、専門ページ、事例を作り、公開後のSearch Consoleで実際の表示クエリを確認します。

設備ページにはメーカー名と型式だけでもよいですか?

型式だけでは、発注者は自分のワークへの適合を判断できません。旋盤なら径・長さ・バー材/チャック・ロット、マシニングならXYZ・重量・加工面、五軸なら軸構成・ワーク範囲などへ翻訳し、近い加工事例へリンクします。

対応材質ごとにページを作るべきですか?

全材質を独立ページにする必要はありません。検索意図が独立し、実績・設備・事例等の固有証拠があり、受注したい案件と採算が合い、そのページだけで発注判断を進められる材質を優先します。それ以外は材質一覧、事例タグ、FAQへまとめます。

加工事例で図面や顧客名を公開できない場合はどうしますか?

顧客許諾とNDAを確認したうえで、部品名や用途を広い分類にする、形状の一部を隠す、公開可能な寸法・公差だけを掲載する方法があります。材質、加工法、ロット、課題、測定方法まで、出せる情報を構造化します。

「高精度」をどのように伝えればよいですか?

寸法公差、幾何公差、面粗さなどの数値を、材質、形状、寸法、ロット、測定方法とセットで示します。設備のカタログ仕様、個別事例で実現した値、受注時に保証する値は分けて記載します。

問い合わせフォームは一つでよいですか?

フォームが一つでも、図面ありの見積依頼と、図面なし・仕様未確定の加工相談は入口と必須項目を分けるほうが分かりやすくなります。これは加工会社サイト側のRFQ設計です。Trees ConsultingへのSEO相談フォームとは別の主体です。

SEOの成果は何を見ればよいですか?

表示回数やクリックに加え、専門ページへの遷移、案件適合率、図面付き率、見積可能案件率、受注率、継続発注率を見ます。問い合わせ数だけでは、対応外案件が増えた状態を成功と誤認するおそれがあります。

参考・出典

本文で紹介した数値は、各社の公開事例・設備・品質情報を2026年9月1日に確認したものです。個別事例の数値を業界一般の能力や保証値として使用していません。

まとめ|加工能力を発注条件の言葉へ変える

切削加工会社のSEOで重要なのは、「切削加工」という広い言葉の順位ではありません。自社が何を、どの加工方法・材質・形状・寸法・精度・ロットで加工できるかを、発注者が自分の図面と比較できるページへ変えることです。

最初に丸物、角物、複雑形状で入口を分け、切削親ページからNC旋盤、マシニング、五軸、材質、事例、設備、品質へ案内します。設備型式は径・長さ・XYZ・重量・ロットへ翻訳し、加工事例では材質、寸法、公差、測定、数量、課題を示します。設備仕様、事例値、保証精度は混同しません。

そして成果は、問い合わせ件数ではなく、自社の加工条件に合う問い合わせ、見積可能案件、受注、継続発注で判断します。設備を持っていることをSEOするのではなく、その設備によって何を、どの条件で加工できるかをSEOする。それが、切削加工会社のWebサイトを新規受注につなげる基本です。

御社の加工技術を、検索されるページへ整理します

旋盤・マシニング・複合加工の対応範囲、材質、形状、ロット、加工事例を確認し、切削加工の親ページと、優先して作る専門ページを整理します。

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  • 相談後の契約は必須ではありません