研削加工会社のホームページを見ると、「高精度研削に対応」「ミクロン単位の精密加工が得意」という説明をよく見かけます。
しかし、新しい外注先を探している発注担当者が知りたいのは「高精度かどうか」だけではありません。
たとえば円筒研削なら、ワーク径、長さ、芯間距離、材質、硬度、真円度、円筒度、表面粗さ、ロットなどを確認したいはずです。
平面研削なら、XYZ寸法、板厚、平面度、平行度、熱処理状態、研削代などが重要になります。
研削加工会社のSEOで必要なのは、「研削加工とは」を詳しく説明することではありません。
どの研削を、どの条件で、どこまで受注できる会社なのかを検索者が判断できるようにすることです。
平面・円筒・内面など、御社が増やしたい研削案件の条件を検索テーマへ整理します。
「研削加工」と「研削盤」の検索需要を混ぜない
今回のKeyword Plannerでは、
- 研削加工:500
- 平面研削:500
- 円筒研削:500
- センタレス研削:50
などが確認されています。
一方、平面研削盤は5,000です。
しかし検索数だけ見て「平面研削盤の方が10倍需要があるから、このKWを狙おう」とは判断できません。
平面研削盤を検索している人には、新品設備を探す、中古機械を探す、メーカーを比較する、機械仕様を調べる、操作方法を調べる人が含まれます。
加工会社が取りたいのは、研削盤を買いたい人ではなく、加工を外注したい人です。
検索ボリュームの大きさより、検索意図と受注への距離を優先します。
「研削加工」1ページですべて説明しない
研削には複数の加工方式があります。
少なくとも、
- 平面研削
- 円筒研削
- 内面研削
- センタレス研削
- 成形研削
では発注条件が異なります。
複数方式を受託しているなら、研削加工を親として、平面研削、円筒研削、内面研削、センタレス研削へ分ける構造を検討できます。
ただし、検索需要 × 自社実績 × 今後取りたい仕事の3つが揃うものから独立させます。
類義語や設備名ごとに薄いページを量産しないことが重要です。
平面研削ページで発注者が知りたいこと
平面研削なら、まずワークの大きさです。
単に「大物対応」では判断できません。
- 最大長さ
- 最大幅
- 高さ
- 重量
- チャッキング条件
など、自社として実際に受けられる範囲を示します。
さらに発注側は、平面度、平行度、直角度、面粗さなどを確認します。
「高精度平面研削」だけでなく、どんな材質・大きさ・形状で、どんな精度実績があるかを事例で示します。
円筒研削では「径」だけでなく長さ・支持方法が重要
円筒部品では、
- 外径
- 全長
- 芯間距離
- ワーク重量
- 段付き
- 長尺
- 中空
などによって加工可否が変わります。
Webページでも「Φ○○まで対応」だけでは不十分な場合があります。
径 × 長さの組み合わせで対応範囲を説明する方法があります。
さらに細長いワークでは、振れやたわみへの対応も重要になります。
「円筒研削できます」より、どんな円筒物を得意としているかまで書いた方が発注判断につながります。
内面研削では「内径」だけでは条件不足
内面研削の場合は、
- 加工内径
- ワーク外径
- 深さ
- 穴形状
- 内径と外径の同軸度
- 端面との直角度
などが問題になります。
同じφ20の内径でも、深さ10mmと深さ150mmでは条件が違います。
Webページでは「内面研削:φ○○〜○○」だけでなく、類似加工事例を一緒に見せます。
センタレス研削では「スルー」と「インフィード」を分ける
センタレス研削は、通常の円筒研削とはワーク保持方式が異なります。
スルーフィード
長い丸棒や連続量産などとの相性。
インフィード
段付き形状など、ワークを軸方向へ通せない案件。
センタレス加工会社なら、最小・最大径、最大長さ、ロット、対応材質、真円度、表面粗さ、スルー/インフィードまで整理します。
「機械のカタログ値」と「受注可能範囲」を分ける
設備ページで特に注意したいところです。
研削盤メーカーのカタログに「最大加工径φ300」とあっても、その会社があらゆるφ300ワークを要求精度で加工できるとは限りません。
実際には、突起部、重量、長さ、チャック、ワーク剛性、必要精度、治具などで変わります。
サイトでは、設備仕様、通常受注している対応範囲、形状等によって個別判断する範囲に分けると、誤解を減らせます。
設備のカタログ値を、そのまま会社の保証加工能力として書かないことが重要です。
研削では「材質」だけでなく「硬度・熱処理状態」も重要
たとえば、
- S45C生材
- SCM焼入れ後
- SKD11焼入れ後
- SUS304
- 超硬
- セラミックス
では研削条件が違います。
SEOページでも「SUS対応」だけでなく、焼入れ後研削が可能か、硬度の条件、難削材経験、超硬・セラミックスへの対応を自社実績に沿って説明します。
材質名だけで薄いページを増やすのではなく、加工条件や事例に十分な独自情報があるテーマを優先します。
「研削だけ受ける」のか「前加工から受ける」のかで営業先が変わる
研削専業
切削済み・焼入れ済みのワークを受け取り、仕上げ工程だけを担当。
一貫加工
材料調達から、旋盤・マシニング、熱処理、研削、表面処理、検査までまとめて請け負う。
この違いはSEOでも重要です。
前者なら研削工程の外注先を探している加工会社が顧客。後者なら完成部品で発注したい装置メーカーまで顧客になり得ます。
「一貫対応」と書くだけではなく、どの工程まで自社または協力会社で管理できるのかを示します。
見積では「研削代」を確認する
研削の見積で重要な情報の一つが、加工前寸法と仕上げ寸法です。
つまり、どれだけ削る必要があるかです。
取り代が大きければ、加工時間、砥石負荷、発熱、工程数などにも影響します。
そのため見積時には、現在寸法、仕上げ寸法、研削代、熱処理後の状態、前工程を確認できると判断しやすくなります。
「高精度研削」だけで終わらせず、サイズ・材質・硬度・精度・測定・事例まで発注者が判断できるページへ整理します。
「高精度」を寸法公差だけで説明しない
| 精度 | 意味 |
|---|---|
| 寸法公差 | 直径・厚さ等 |
| 真円度 | 円がどれだけ真円に近いか |
| 円筒度 | 円筒面全体の形状 |
| 平面度 | 面の平らさ |
| 平行度 | 2面等の平行性 |
| 同軸度等 | 複数形状間の関係 |
| 表面粗さ | 表面状態 |
サイトでは「1μmの高精度研削」より、何の精度で、どのような実績があるのかを書いた方が情報価値があります。
1件の事例値を、会社全体の保証値として一般化しないことも重要です。
「加工できる」と「測定できる」はセットで考える
発注担当者にとって重要なのは「その精度で削れるか」だけではありません。「その精度だったと確認できるか」も重要です。
研削会社なら、
- 真円度測定機
- 表面粗さ測定機
- 三次元測定機
- 形状測定機
- 画像寸法測定機
- 硬度計
などを保有している場合があります。
設備一覧に型式だけ並べるのではなく、どの要求をどう測定するかへ結び付けます。
測定設備を持たない項目を保証できるように書かないことも必要です。
砥石・ドレッシングは「専門性を見せるため」に書きすぎない
研削会社には、砥粒、粒度、結合度、CBN、ダイヤモンド、ドレッシング、ツルーイング、研削液などのノウハウがあります。
しかし営業ページで、砥石技術を教科書のように長く説明する必要はありません。
発注者に関係する形で使います。
たとえば「高硬度材で焼けが問題になるため、砥石・ドレッシング条件を調整した」「面粗さを安定させるため、工程内で砥石状態を管理している」など、発注課題をどう解決するかへ接続します。
研削焼け・反り・ビビリ等は技術コラムにもなる
研削には、
- 研削焼け
- 反り
- ビビリ
- スクラッチ
- 真円度不良
- 円筒度不良
- 面粗さ悪化
など固有のトラブルがあります。
一般論記事を大量に作るのではなく、自社で実際に解決できる技術課題をテーマにします。
技術コラム→研削サービス→加工事例→図面問い合わせへつなぎます。
加工事例は「完成写真」より加工条件が重要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 研削方式 | 平面・円筒・内面等 |
| 材質 | SCM、SKD、SUS等 |
| 熱処理 | 焼入れ等 |
| 硬度 | 公開可能なら |
| 寸法 | 径・長さ・XYZ |
| ロット | 1個・量産等 |
| 前工程 | 旋盤・マシニング |
| 研削代 | 公開可能範囲 |
| 要求精度 | 真円度等 |
| 面粗さ | 必要案件 |
| 設備 | 使用研削盤 |
| 測定 | 測定機 |
| 課題 | 焼け・反り等 |
| 工夫 | 工程・治具・条件 |
写真だけでは、発注者が自分の図面との近さを判断しにくい場合があります。
「研削加工事例」をサービスページの下に埋めない
事例は独立したURLを持たせ、研削方式、材質、サイズ、精度、ロット等の属性を付けます。
平面研削ページから平面研削事例へ、円筒研削ページから円筒研削事例へリンクし、事例側からもサービスページへ戻します。
同じ事例を材質・加工方式ごとに複製するのではなく、1つの正規URLへ集約します。
試作・単品と量産では見せるべき条件が違う
試作・単品
- 1個対応可否
- 前工程が未確定でも相談できるか
- 現物・旧図面対応
- 短納期相談
- 加工条件の提案
量産
- 数量帯
- サイクル
- 再現性
- 工程内測定
- 検査記録
- 継続供給
- 前後工程との連携
「1個から量産まで」だけで終わらせず、自社が本当に増やしたい案件に合わせてページを作ります。
図面・見積問い合わせで確認したい情報
研削案件なら、最低限次の情報があると加工可否判断がしやすくなります。
- 図面
- 材質
- 熱処理・硬度
- 加工前寸法
- 仕上げ寸法
- 数量
- 希望納期
- 要求公差
- 幾何公差
- 面粗さ
- 前工程
- 支給材か材料調達か
全項目を必須にする必要はありません。「未定」「相談したい」を許容しつつ、見積に必要な情報を分かりやすく案内します。
研削加工会社のSEOで追うKPI
見るべきなのは順位だけではありません。
までつなげます。
「研削加工」で流入が増えても、研削盤を探す人ばかりなら成果ではありません。検索意図と案件適合率を確認します。
まとめ|研削SEOは「高精度」を発注条件へ翻訳する
研削加工会社のSEOでは、「高精度」「ミクロン対応」「豊富な設備」と書くだけでは不十分です。
発注担当者が確認したいのは、平面・円筒・内面・センタレスのどれか、材質・硬度、ワークサイズ、研削代、ロット、要求公差、真円度・平面度等、面粗さ、測定方法、前後工程、類似事例です。
御社の加工技術を、検索されるページへ整理します。研削方式、対応条件、加工事例、設備・測定、図面問い合わせまで、新規受注につながるサイト構造を設計します。
研削加工という大きな言葉だけを狙うのではなく、自社が受けたい研削案件の条件を、サービスページ・事例・設備・問い合わせ導線へ分解することが、新規受注につながるSEO設計です。