求人サイトのサイト構造・内部リンク|職種・地域・求人詳細をつなぐ設計

求人サイトでは、ページ数が多いだけでは、検索から見つけてもらいやすくも、応募しやすくもなりません。職種・地域・求人詳細・ノウハウ記事が、それぞれ次のページへ自然につながっていることが大切です。

この記事では、実際に求人サイトを使う求職者の声も参照しながら、「探しやすい」「比較しやすい」「次の求人へ進みやすい」サイト構造を考えます。

内部リンクは、検索エンジン向けにリンクを増やす作業ではありません。求職者が「探す → 比較する → 求人を見る → 応募する」と進めるように、ページ同士をつなぐ設計です。

この記事では、求人トップ、職種、地域、職種×地域、求人詳細、ノウハウ記事をどうつなぎ、検索から応募までの導線を作るかを整理します。

求人サイトは「検索フォーム」ではなく導線として設計する

求人サイトにとって検索フォームは大切な機能です。ただ、検索フォームだけでサイト全体を組み立ててしまうと、主要な求人ページがかえって見つけにくくなることがあります。

求職者側からも、勤務地や経験年数などで絞り込んでも条件外の求人が多く混ざり、探すだけで負担になるという声があります。(→求人検索を使った求職者の体験談)検索機能を用意するだけでなく、主要な職種・地域へページから直接進める導線も持っておく方が、目的の求人を探しやすくなります。

そこで、まずはページの種類ごとに役割を分けてみます。

ページ役割次につなぐページ
求人トップ求人探しの入口職種・地域
職種ページ職種で求人を探す地域・求人詳細
地域ページ地域で求人を探す職種・求人詳細
職種×地域条件を絞って比較する求人詳細
求人詳細応募するか判断する類似求人・応募
ノウハウ記事仕事・転職の疑問を解消する関連求人・職種

法人向けサービスを持つ人材紹介会社・人材派遣会社では、これとは別に法人向けサービスページも用意することになります。

ここで大事なのは、それぞれのページを「何でも載っているページ」にしないことです。求人トップ、職種、地域、求人詳細、記事がそれぞれ何を担当し、読者を次にどこへ進めるのかを、あらかじめ決めておきます。

職種・地域・職種×地域をどうつなぐか

求人サイトには、職種から求人を探す人もいれば、地域から探す人もいます。そのため、職種ページと地域ページを別々に作るだけでなく、両方を職種×地域ページへつなぐ設計が役立ちます。

職種ページから主要地域へつなぐ

「事務」「施工管理」「ITエンジニア」といった職種ページには、その職種の求人をまとめます。

求人カードだけでなく、必要に応じて仕事内容、必要経験・資格、主な勤務地、雇用形態、求人選びのポイント、関連職種なども載せておくとよいでしょう。

そのうえで、主要な地域へリンクをつなげます。

事務
├ 東京の事務
├ 大阪の事務
└ 札幌の事務

ただし、検索の需要も求人もない地域まで、機械的にすべて並べる必要はありません。実際に求人があり、ユーザーが探しそうな地域を優先して選びます。

地域ページから主要職種へつなぐ

地域ページには、その地域で扱っている主要職種をまとめます。

たとえば札幌なら、こんな形になります。

札幌の求人
├ 事務
├ コールセンター
├ IT
└ 営業

このように、地域から職種へ進めるようにしておきます。

「札幌の求人」を見ている人が、もう一度検索フォームへ戻らなくても主要職種を比較できる。そういう状態を作るイメージです。検索条件を何度も入れ直さなくても、現在いるページから条件を一段ずつ絞れることを重視します。

職種×地域は両方からつなぐ

「札幌×事務」のようなページは、職種ページと地域ページの両方からリンクします。

事務
  ↓
札幌×事務
  ↑
札幌

こうしておくと、「事務から地域を絞りたい人」と「札幌から職種を絞りたい人」の、どちらからも同じページへたどり着けます。

ただし、すべての職種×地域を作る必要はありません。検索の需要があり、継続的に求人があり、そのページならではの情報を出せる組み合わせを中心に育てていきます。

どの職種×地域をGoogle検索からの入口として残すか、絞り込みURLをどう扱うかといった技術的な判断については、求人サイトのSEO対策|求人DB・一覧・詳細ページをどう設計するかで詳しく解説しています。

求人詳細を「行き止まり」にしない

求人詳細は、求職者が応募するかどうかを判断する重要なページです。ただ、1件だけ見て条件が合わなかったときに、そこから次の求人へ進めないと行き止まりになってしまいます。

求人を1件見て「少し違うな」と感じた人が、ブラウザの戻るボタンしか使えない状態にはしたくありません。

一覧から求人詳細へつなぐ

求人詳細には、職種ページ、地域ページ、職種×地域ページ、求人一覧などから、通常のリンクで進めるようにしておきます。

検索フォームを操作しないと求人詳細へたどり着けない構造ではなく、主要な求人はサイト内のページからたどれる状態を作ります。

求人詳細から似た求人へ戻す

求人詳細からも、次のようなページへ進めるようにしておきます。

  • 同じ職種の求人
  • 同じ地域の求人
  • 近い条件の求人
  • 職種トップ
  • 登録・相談

求人を1件見て終わりにするのではなく、条件が近い求人と比較できるようにしておくわけです。

ただし、「似た求人」を増やすこと自体が目的ではありません。同じ求人が何度も出てきたり、すでに何度も見た募集が新しい求人のように並んだりすると、求職者は探しにくくなります。実際に、同じ求人の繰り返し表示に疲れたという求職者の声もあります。関連求人には、現在応募でき、条件が近く、次の候補として見る意味がある求人を優先します。

パンくずで現在地を分かるようにする

たとえば、次のようなパンくずを用意します。

求人トップ > 東京 > 事務 > 求人詳細

こうすると、ユーザーが今どの位置にいるかが分かります。

URLの階層とパンくずを完全に一致させること自体が目的ではありません。求職者が現在地を理解できて、上位の職種・地域ページへ戻れることのほうを優先します。

ノウハウ記事を「読まれて終わり」にしない

人材会社のサイトでは、転職ノウハウ、職種解説、資格解説、面接対策、働き方といった記事を多く持っていることがあります。

ただ、記事で検索流入が取れても、その先に求人や職種ページへの導線がなければ、事業成果にはつながりにくくなります。

たとえば「施工管理 未経験 転職」の記事であれば、次のような流れになります。

施工管理の記事
  ↓
施工管理の職種ページ
  ↓
未経験可の施工管理求人
  ↓
応募・相談

このように、記事を読んだ人が次に知りたい・見たいページへつないでいきます。

記事の末尾に毎回同じ「お問い合わせはこちら」を置くだけでなく、本文の内容に合わせて、関連する求人や職種ページへ自然に案内するとよいでしょう。

内部リンクは「次に何が見られるか」が分かる言葉にする

内部リンクの文言は、クリックする前に「その先で何が見られるか」が分かるようにしておきます。

たとえば、

  • 「詳しくはこちら」
  • 「このページ」

ではなく、

  • 「札幌の事務派遣求人を見る」
  • 「人材派遣会社のSEOキーワード設計」

のように、リンク先の内容がわかる文言にします。

SEOキーワードを不自然に詰め込む必要はありません。文章として自然で、クリックした先に何があるかが分かれば、それで十分です。

検索から来てもらわないURLへリンクを集めない

求人サイトでは、給与、勤務時間、雇用形態、資格、経験、福利厚生、並び順など、ユーザーが求人を絞り込むためのURLが大量に作られることがあります。

これらのURLをすべて、Google検索からの入口として育てていくわけではありません。

内部リンクには、「このページがサイト内で重要である」と伝える役割もあります。そのため、検索から来てもらう必要のない絞り込みURLを、全ページのサイドバーやフッター、サイトマップなどから大量にリンクするのは避けます。

ここでは、次の2種類を分けて考えます。

  • Google検索から来てもらいたい職種・地域・職種×地域などのページ
  • サイト内で求人を絞り込むためだけに使うURL

どのURLをGoogle検索の対象にするか、canonical、robots.txt、noindex、求人0件ページをどう扱うかといった詳細は、求人サイトのSEO対策で整理しています。

このページでは、検索から来てもらいたいページへ内部リンクを集め、そうでないURLへ不用意にリンクを増やさないという原則を押さえておけば十分です。

一方で、Google検索から来てもらう必要がない絞り込みURLでも、求職者がサイト内で条件を絞るために必要なものはあります。SEO上残すかどうかと、サイト内で使いやすいかどうかは分けて考えます。

求職者向けと法人向けの導線を混ぜない

人材紹介会社・人材派遣会社のサイトには、求職者向けの求人情報と、求人企業・派遣先企業向けのサービス情報が同じサイトに載っています。

サイト全体では両方を扱っていても、各ページから次に進んでもらう先は分けておきます。

求職者向けでは、次のように進めます。

ノウハウ記事
  ↓
職種・地域
  ↓
求人詳細
  ↓
登録・応募

一方、法人向けでは、次のように進めます。

法人向け記事
  ↓
サービスページ
  ↓
対応職種・料金・事例
  ↓
問い合わせ

求職者向けの記事を読んでいる人に法人向けの問い合わせを強く出したり、逆に法人向け記事から求人応募へ送ったりすると、ページの目的が分かりにくくなります。各ページごとに「次にしてほしい行動」を、できるだけ絞り込んでおきましょう。

実例|記事だけでなく、求人ページへの導線まで設計した

筆者が担当した専門職の人材派遣会社では、SEO記事を増やすだけでなく、

  • 狙う検索テーマ
  • 新規ページの役割
  • 既存ページとの重複
  • 関連ページへの内部リンク
  • 応募導線

までまとめて整理しました。

対象キーワードは、数週間で検索結果1ページ目に入り、数か月で1位になりました。検索経由の求人応募も、前年同期比で約1.7倍になっています。

この事例で重視しているのは、記事を何本作ったかではありません。検索から入った人が、記事や一覧を見たあと、求人詳細や応募まで自然に進める構造を作れたという点です。

小規模な求人サイトは、この順番で内部リンクを整理する

すべてのページを一度に再設計する必要はありません。

Step 1. まず重要な20〜50ページ程度を選ぶ

売上、求人保有数、Google Search Consoleの表示状況などをもとに、重要な職種、地域、サービスを選びます。

20〜50という数字は絶対的な基準ではなく、まずは管理できる範囲で重要ページを決めるための目安です。

Step 2. 各ページの親・子・関連を決める

たとえば、次のように整理します。

  • 親:事務派遣
  • 子:札幌の事務派遣
  • 詳細:個別求人
  • 関連:未経験事務の記事

このように、ページ同士の関係を決めていきます。

Step 3. 重要ページの行き止まり・孤立をなくす

重要ページに、サイト内のどこからもリンクがない状態をなくします。

一覧から求人詳細、求人詳細から関連一覧、記事から職種・求人へと進めるかどうかを確認します。あわせて、同じ求人が何度も並んでいないか、募集終了した求人ばかりが関連求人に出ていないかも確認します。

Step 4. 検索から来てもらわないURLへのリンクを整理する

絞り込み条件の組み合わせなど、Google検索から来てもらう必要のないURLへ、サイト全体から大量にリンクしていないかを確認します。

Step 5. Search Consoleで反応を見る

表示回数、検索された言葉、順位、クリックなどを見ながら、追加するページ、統合するページ、内部リンクを強めるページを判断していきます。

まとめ|求人サイトは「ページの集合」ではなく、応募までの導線として設計する

求人サイトのサイト構造では、求人トップ、職種、地域、職種×地域、求人詳細、ノウハウ記事、それぞれの役割を分けます。

そのうえで、職種から地域、地域から職種、一覧から求人詳細、求人詳細から似た求人、記事から関連求人へと、求職者が次に見たいページをつないでいきます。

検索エンジンのためだけに内部リンクを増やす必要はありません。

求職者が「情報を知る → 条件を絞る → 求人を見る → 応募する」と自然に進める構造を作ること。それが結果として、Googleにも理解しやすいサイトにつながります。

求人ページや記事は多いものの、どのページを中心に据えてどうつなぐべきか整理できていない場合は、現在のURL一覧やGoogle Search Consoleをもとに、重要ページと内部リンクの優先順位を整理することができます。

求人ページや記事は多いが、どうつなげればよいか分からない方へ

職種・地域・求人詳細・記事の役割と内部リンクを確認し、検索から応募までつながるサイト構造を整理できます。