Indeedに求人を出しているなら、自社サイトSEOはやらなくていい?

結論:代替関係ではなく、役割が違う

「Indeedに出しているから自社サイトのSEOはいらないのでは」というご相談をいただくことがあります。

結論から言えば、両者は置き換えられる関係ではありません。担っている役割が違います。

  • 求人媒体:いま応募がほしい求人を、探している人の目の前に出す
  • 自社サイト:自社そのものへの検索接点を積み上げ、応募前後の判断材料を提供する

どちらか一方だけで完結する会社もありますが、それは「媒体だけで足りている状態が続いている」か「自社サイトが十分に育っている」かのどちらかです。多くの場合は、比率をどう置くかの問題になります。

この記事では、Indeed内でのSEO(求人原稿の書き方や掲載順位への影響)ではなく、経営判断として自社サイトSEOに投資すべきかどうかに絞って整理します。媒体側の対策そのものは、IndeedのSEOで扱っています。

求人媒体の強みと、依存したときのリスク

強み

  • 即効性がある:出稿してから露出までが早く、急な欠員補充にも対応しやすい
  • 求人を探している人に直接届く:媒体を訪れている時点で、仕事を探す意図が明確
  • 運用の負荷が比較的軽い:原稿と予算の管理が中心で、サイト改修は不要

急ぎで人を集めたいとき、これは大きな利点です。

依存が高まったときに起きること

  • 掲載順位が自社の判断だけでは決まらない:媒体のアルゴリズムや他社の出稿状況の影響を受けます
  • 費用の見通しを自社だけでは立てにくい:スポンサー求人の料金体系・予算設定・課金条件は、商品や契約内容、時期によって変わります。実際の条件は、利用時点のIndeed公式情報で確認する必要があります
  • 仕様変更の影響を受ける:媒体側の方針が変われば、これまでの運用が通用しなくなることがあります
  • 同じ画面で他社と並ぶ:条件や知名度で比較される前提の場です
  • 積み上がらない部分がある:出稿を止めれば、その流入は止まります

ここで重要なのは、これは「Indeedが悪い」という話ではないということです。媒体としてのメリットを享受している以上、当然ついてくる性質です。問題は、その比率が高いまま固定されている状態にリスクがあると認識しているかどうかです。

自社サイトSEOが担う役割

一方、自社サイトのSEOは即効性がありません。代わりに、媒体では埋められない部分を担います。

  • 職種×地域などの検索接点:媒体を経由せず、直接自社に来る流入
  • 指名検索の受け皿:社名で調べられたときに、何が表示されるか
  • 会社そのものの理解:どんな会社か、どんな人が働いているか
  • 求人詳細の深さ:媒体のフォーマットでは書ききれない情報
  • キャリア情報・ノウハウ:応募検討前の段階から接点を持つ
  • 応募導線の設計:自社で最適化できる範囲
  • 止めても残る資産:積み上げた分は、出稿を止めても消えません

特に見落とされやすいのが、媒体から来た人が会社名を検索する動きです。

媒体で求人を見つけた人が、そのまま応募するとは限りません。媒体で求人を見たあと、会社名で再検索して自社サイトを確認する行動も想定しておく必要があります。このとき、自社サイトの情報が薄かったり、会社の実態が伝わらなかったりすれば、媒体での露出が応募につながりにくくなります。

つまり、自社サイトの内容が、媒体経由の応募判断にも影響し得るということです。媒体と自社サイトを完全に別々のものとして見ていると、この関係が数字に表れません。

実務での手応え

参考までに、筆者が担当した専門職分野の人材派遣会社の事例を紹介します。複数地域で展開しており、職種×地域の求人ページを持つサイトでした。

当初は周辺のノウハウ記事から着手し、記事自体は上位表示されるようになりました。しかし、事業として本当に必要だった主要な求人系キーワードは伸びませんでした。

そこで優先順位を変え、地域別の求人ページそのものを検索の受け皿として改善する方針に切り替えました。求人ページのタイトル・H1・冒頭文・募集要項の見せ方・内部リンクを見直したところ、対象キーワードは圏外から3位まで改善し、施策前後の同期間比較でサイト全体のPVは約4倍になりました。

このケースで効いたのは、記事を増やすことではなく、応募につながるページ自体を検索の受け皿として作り直したことです。自社サイトSEOに投資する場合、どこから手を付けるかで結果が変わります。

なお上記の事例については、詳しい対策内容を解説したページもあるので、こちらも参考にしてください。 →SEO事例|専門職分野の人材派遣会社の支援事例

ケース別:どちらを優先するか

ケース1:急ぎで応募が必要

媒体を強く使うのが合理的です。自社サイトSEOは、いま必要な応募には間に合いません。

ケース2:中長期で継続的に集客したい

自社サイトの資産を育てる投資に意味が出てきます。ただし、育つまでの間は媒体を止められません。並行が前提です。

ケース3:媒体費の比率が高く、下げたい

自社流入の比率を上げる取り組みを始める時期です。いきなり媒体を減らすのではなく、自社流入が積み上がった分だけ調整していく形が安全です。

ケース4:指名検索で問題が起きている

社名で検索したときに、媒体の掲載ページばかりが出る、情報が古い、といった状態であれば、優先度は高くなります。ここは比較的短期で手を打てる領域です。

ケース5:媒体だけで足りている

無理に始める必要はありません。ただし、「足りている理由」が媒体側の環境に依存していないかは、定期的に確認しておく価値があります。

計測:ここを分けないと判断できない

優先順位を議論するには、数字が分かれている必要があります。

  • 媒体経由の応募と、自社サイト経由の応募を分けて数える
  • 応募単価を、媒体と自社でそれぞれ把握する
  • 自社サイトの流入を、指名検索・一般検索・媒体からの参照で分ける
  • 応募だけでなく、その先(面談実施、就業・入社)まで追う

最後の点は特に重要です。媒体経由と自社サイト経由で、応募後の歩留まりが同じとは限りません。応募数だけで比較すると、判断を誤ることがあります。

流入 → 求人ページ → 応募開始 → 応募完了 → 面談・登録、という流れのどこで落ちているかを見られる状態にしておくと、媒体と自社サイトの役割分担も議論しやすくなります。

よくある間違い

  • 「媒体に出しているからSEOは不要」と決めてしまう
    媒体から来た人が自社サイトを見に来る動きが計測されていないことが多く、実態より自社サイトの価値を低く見積もりがちです。
  • 「Indeed vs SEO」で比較する
    時間軸も役割も違うものを同じ土俵で比べると、結論が出ません。
  • 自社サイトSEOを始めた途端に媒体を絞る
    自社流入が育つ前に媒体を止めると、応募が落ちます。
  • 記事から作り始める
    応募につながるページを後回しにすると、流入はあっても事業の数字が動かないことがあります。
  • 応募数だけで良し悪しを判断する
    応募後の歩留まりを見ないと、実際のコスト構造は分かりません。

まとめ

  • 求人媒体と自社サイトSEOは、代替ではなく役割が違う
  • 媒体は即効性、自社サイトは積み上がる接点
  • 媒体で求人を見たあとに、会社名で再検索して自社サイトを確認する行動も想定しておく
  • 優先順位は、急ぎか/中長期か/媒体費の比率が高いかで判断する
  • 媒体経由と自社経由を分けて計測しないと、そもそも比較できない

媒体依存を下げたい、自社サイトからの応募を増やしたいという段階であれば、求人ページの設計から見直すことをおすすめします。ご相談があればお気軽にどうぞ。

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