SEOの見積もりを複数社から受け取ると、金額の幅の大きさに戸惑うことがあります。
同じ「SEO対策」という名称でも、見積金額が大きく異なることがあります。しかも提案書を読んでも、その差がどこから来ているのかが分かりにくい。
その差には、支援範囲の違いが大きく影響します。
この記事では、物流会社・倉庫会社がSEOを外注する際に、何に費用が発生するのかを分解し、見積もりを比較するための考え方を整理します。金額の相場を示す記事ではありません。金額を比較できる状態にするための記事です。
「SEO」という一つの商品があるわけではない
最初に押さえておきたいのは、SEOという単一の商品が存在しないことです。
たとえば同じ月額料金でも、支援内容は次のように異なります。
Aのケース
- 月1回の定例会
- 検索順位レポート
- 改善提案
Bのケース
- サイト全体の分析
- Search Consoleのデータ分析
- キーワード調査
- 検索結果の分析
- サイト構造の設計
- サービスページの改善提案
- 記事の企画
- 内部リンクの設計
- 実装指示書の作成
- 効果検証
AとBは、必要な作業量も、関わる人数も、成果物の量も違います。それでも見積書の表面には「SEOコンサルティング費」という同じ項目名が並びます。
つまり、金額だけを横並びにしても比較にはなりません。料金を見る前に、支援範囲と成果物を揃えることが先です。
以降では、その揃え方を具体的に見ていきます。
SEO費用は「何を依頼するか」で変わる
SEO業務を分解すると、おおむね次の13項目になります。
| # | 業務 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 1 | 現状分析・サイト診断 | 既存ページの状態、構造、技術面の確認 |
| 2 | 検索市場・キーワード調査 | 荷主が使う検索語の収集と整理 |
| 3 | 競合・検索結果の分析 | 上位表示されているページの構成確認 |
| 4 | SEO戦略の設計 | どのテーマから取り組むかの決定 |
| 5 | サイト構造の設計 | 検索テーマと主担当URLの対応づけ |
| 6 | テクニカルSEO | 見出し構造、インデックス、表示速度など |
| 7 | サービスページの改善 | 記載項目、構成、導線の見直し |
| 8 | コンテンツ企画 | 記事テーマの選定と構成案 |
| 9 | 記事制作 | 執筆、編集、校正 |
| 10 | 内部リンク設計 | 記事とサービスページの接続 |
| 11 | 実装 | サイトへの反映作業 |
| 12 | 計測・効果検証 | データ確認と要因の切り分け |
| 13 | 定例・改善提案 | 進捗共有と次の施策決定 |
「SEOコンサルティング」という名称であっても、この13項目のうちどこまでを含むかは会社ごとに異なります。
たとえば1〜5と13だけを担当し、7〜11は別料金または対象外という契約もあります。逆に、2・8・9が中心で、5や7には触れないという契約もあります。
どちらが優れているという話ではありません。自社に必要な範囲と合っているかどうかの問題です。
確認したいこと:見積書の「SEOコンサルティング費」に、上の13項目のうちどれが含まれているか。項目名で聞くより、「サービスページの文言も見直してもらえますか」のように具体的に尋ねる方が、認識のズレが起きにくくなります。
物流会社のSEOでは、どこに費用がかかるのか
物流会社の場合、費用が発生しやすいポイントには特徴があります。記事の原稿料だけを見ていると、全体像を見誤ります。
検索市場の整理に工数がかかる
荷主の検索は、複数の条件が組み合わさります。
- サービス(保管、配送、荷役、流通加工、3PL、EC物流)
- 商材(食品、化粧品、アパレル、医薬品、危険物など)
- 地域(拠点所在地、配送可能エリア)
- 条件(温度帯、小ロット、多品種、短納期、許認可)
- 設備・システム(ラック、マテハン、WMS、データ連携)
これらの組み合わせは大量に発生します。単純にキーワードを一覧化するだけなら短時間で終わりますが、どの組み合わせに実需があり、どれを自社が受けられるかまで整理するには時間がかかります。
ここは調査工数として費用が発生する部分です。この工程が見積書に見当たらない場合は、検索市場やキーワードを整理する作業が、どの工程に含まれているのか確認してください。
サイト構造の設計が必要になる
検索語を並べるだけでは、サイトは作れません。
- どの検索テーマを扱うか
- そのテーマをどのURLで受けるか
- どのページを主担当とし、どのページが補助するか
を決める工程が必要です。
サービス・商材・拠点・対応条件など複数の軸でページを持つサイトでは、ページ同士の内容が重なることがあります。整理せずにページを増やすと、同じ検索テーマで自社内の複数ページが競合します。
検索テーマの整理と主担当URLの決め方は、物流会社のSEOキーワード・サイト構造設計で解説しています。
サービスページの改善に手間がかかる
サービスページには、荷主が委託を判断するための情報が必要です。
対応業務、取扱商材、温度帯、設備、拠点、対応エリア、WMSやデータ連携、流通加工の内容、許認可、実績、問い合わせから稼働までの流れ。
公開情報だけでは分からない内容も多いため、正確性と具体性を高めるには、営業担当や現場担当へのヒアリングが重要になります。
この工程を含む支援と、含まない支援では、必要な工数が変わります。見積もりの差が出やすい部分です。
サービスページに何を書くかは、物流会社のサービスページSEOにまとめています。
実装に別の費用や調整が発生することがある
提案された内容をサイトに反映する作業は、支援会社の担当範囲外である場合があります。
- CMSの仕様上、変更できない項目がある
- 既存の制作会社に依頼が必要
- 社内の担当者が兼務で、作業時間を確保しにくい
この場合、SEO費用とは別に制作費が発生することがあります。見積もりを比較する際は、実装費が含まれているか、別途か、そもそも対象外かを確認してください。
主な契約形態と、向いているケース
契約形態にはいくつかの型があります。それぞれ適した状況が異なります。
| 契約形態 | 何を依頼するものか | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 月額SEOコンサル | 継続的な分析、施策提案、改善の伴走 | 中長期で継続的に改善する場合 | 毎月の作業内容が具体化されているか |
| 単発SEO診断 | 現状分析と課題の洗い出し | まず問題点を把握したい場合 | 診断後に誰が実装するか |
| 戦略・設計プロジェクト | 検索テーマ整理、サイト構造設計、計画策定 | 構造から見直す場合、リニューアル前 | 成果物と納品形式の定義 |
| 記事・コンテンツ制作 | 企画から執筆までの制作代行 | 構造は整っており記事が不足している場合 | 本数以外に何が含まれるか |
| サイト改善・実装 | サイトの修正作業そのもの | 施策が決まっており実装が必要な場合 | 設計は誰が行うか |
| 成果報酬型 | 定義された成果に応じた支払い | 成果条件を明確にした契約を検討したい場合 | 成果の定義と対象範囲 |
以下、それぞれの内容を補足します。
月額SEOコンサル
継続的に改善を進める形態です。
次のような状況に向いています。
- 施策を実行しながら結果を見て調整したい
- Search Consoleなどのデータを継続的に確認したい
- 複数部署や既存の制作会社との連携が必要
- 新規記事の制作と既存ページの改善を並行したい
注意したいのは、毎月の作業内容が定義されているかです。定義が曖昧なまま契約すると、実態が定例会とレポート提出だけになることがあります。
ただし、これは月額契約という形態の問題ではありません。契約時に作業範囲を具体化すれば回避できます。「月次で何を実施し、何を提出するか」を書面で確認してください。
単発SEO診断
現状の課題を洗い出す形態です。
- まず何が問題なのかを知りたい
- 社内に実装できる担当者がいる
- サイトリニューアル前にSEO要件を整理したい
こうした場合に適しています。
注意点は、診断後の実装です。課題一覧を受け取っても、実行する人がいなければサイトは変わりません。診断を依頼する時点で、その後の実装を誰が担当するかを決めておく必要があります。
戦略・設計プロジェクト
サイトの構造から設計する形態です。
- サイト構造を見直したい
- 検索テーマが多く、整理が必要
- リニューアルを予定している
- 新しいサービスを立ち上げる
こうした場合に選ばれます。
成果物の例は次のとおりです。
- キーワードと検索テーマの整理
- 検索テーマごとの主担当URLの設計
- サイト構造案
- 改善施策と優先順位
- コンテンツ計画
契約前に、成果物の粒度と納品形式を確認してください。「サイト構造案」と一言で書かれていても、階層図だけの場合と、ページごとの記載要件まで含む場合があります。
記事・コンテンツ制作
記事の制作を依頼する形態です。
- サイト構造は整っている
- 情報コンテンツが不足している
- 社内で記事を書く体制がない
こうした状況では、記事制作は妥当な施策になります。
注意したいのは、「月○本」という本数だけで比較しないことです。同じ1本でも、含まれる作業は異なります。
| 含まれることがある作業 | 内容 |
|---|---|
| 企画 | テーマ選定と検索意図の確認 |
| 検索結果の調査 | 上位ページの構成確認 |
| 構成案 | 見出し設計 |
| 執筆 | 原稿作成 |
| 専門家確認 | 社内担当者へのヒアリングと監修 |
| 入稿・公開 | CMSへの反映 |
| リライト | 公開後の改善 |
物流分野の記事では、社内担当者へのヒアリングが含まれるかどうかで内容の具体性が変わります。ヒアリングなしで書ける記事は、一般的な内容にとどまりやすくなります。
成果報酬型
定義された成果の達成に応じて支払う形態です。
方式は一つではありません。
- 特定キーワードの検索順位を成果条件とするもの
- 問い合わせ件数などを成果条件とするもの
契約設計によっては、固定費や初期負担を抑えやすい場合があります。
一方で、成果報酬だから発注側のリスクがないとは限りません。確認したい点は次のとおりです。
- 成果の定義(何をもって成果とするか)
- 対象キーワードは誰が決めるか
- 成果が発生した場合の単価と上限
- 最低契約期間と中途解約の条件
- 成果につながらなかった施策の扱い
- サイトに加えられた変更の権利関係
対象キーワードの選び方は特に確認してください。達成しやすい語が選ばれた場合、成果条件は満たされても、獲得したい荷主の検索とは重ならないことがあります。
成果報酬型そのものが不適切なのではなく、条件の確認が他の形態より多く必要だということです。
SEOの「相場」はどう考えるか|公開料金の例を見る
金額のイメージを掴むために、SEO会社が公式サイトで公開している料金を見てみます。
以下は、2026年8月30日時点で各社の公式サイトに掲載されていた公開料金例です。物流業界に特化した会社を集めたものではなく、料金を公開している会社の例として整理しています。
各社の公開料金例
| 会社 | 月額のコンサル・顧問 | 単発の診断・戦略設計 | 記事制作 |
|---|---|---|---|
| PLAN-B | 50万円/月〜(上位プラン70万円/月〜、契約期間 半年〜) | 戦略設計プラン 150万円/式(1ヶ月) | 8万円/記事〜 |
| サイトエンジン | 50万円/月×6ヶ月=300万円(税抜、最低金額) | レポーティングプラン 80万円(40万円/月×2ヶ月) | コンテンツ制作・改善等の実作業を含む記載あり※ |
| Mesut | 伴走支援 5万〜30万円/月 | スポット改善 10万円〜 | プランによる |
| オークス | 15万/25万/35万円/月 | ― | 月額プランに含む場合あり |
| jaybe | SEOコンサル 10万円/月〜、SEO顧問 3万円/月〜 | ― | 3万円/本〜 |
| CIO | ライト顧問 20万円/月、SEOコンサル 50万円/月 | サイト診断 50万円(1ヶ月) | ― |
| ANEMA | SEO顧問 7.5万円/月〜、コンサル 16.5万円/月 | キーワード選定 10万円(単発) | 3.5万円/本 |
※サイトエンジンは、実行内容・分量によって別途費用が発生する旨も公式ページに記載されています。
上表は2026年8月30日時点で、各社公式サイトに掲載されていた公開料金例を整理したものです。税区分、最低契約期間、成果物、支援範囲、実績公開の可否などの条件は各社で異なります(税抜表記が中心ですが、明記のない項目もあります)。市場平均や各サービスの優劣を示すものではありません。最新の料金・契約条件は各社公式サイトでご確認ください。
同じ「SEO」でも、商品そのものが違う
この表から読み取るべきは、金額の大小ではありません。同じSEO関連サービスという名前で、性質の異なる商品が並んでいるということです。
今回確認した公開例には、次のような性質の異なるサービスが含まれていました。
| 種類 | 性質 |
|---|---|
| 相談・顧問型 | 定例と相談への回答が中心 |
| 継続的な伴走コンサル | 分析と改善提案を継続的に行う |
| 戦略設計 | 期間を区切って、調査から方針策定までを行う |
| サイト診断 | 現状の課題を洗い出す |
| 記事制作 | 企画から入稿までを本数単位で発注する |
| 実装を含む支援 | 提案に加えて、サイトやコンテンツの修正作業まで行う |
注意したいのは、この種類が価格帯で決まるわけではないことです。
同じ月額帯でも、記事制作の本数までプランに含む会社もあれば、相談への回答が中心の会社もあります。ある会社は「コンサルティングは提案までが基本で、実行を含む場合は別途費用」と明記し、別の会社は実作業もプランに含むと記載しています。金額を見ただけでは、どの種類のサービスなのかは判別できません。
この違いを踏まえずに、「A社は10万円、B社は50万円だからA社の方が安い」と判断することはできません。
A社が相談中心のプランで、B社が調査・戦略設計・サイト構造の見直し・コンテンツ改善まで含むプランであれば、そもそも比較対象が違います。安いのではなく、買っているものが違うということです。
単純平均が判断材料になりにくい理由
上の数字を単純平均しても、自社の見積もりを判断する材料としては使いにくいでしょう。
理由は2つあります。
1つ目は、含まれる作業が揃っていないためです。顧問料と総合コンサル料を平均しても、どちらの見積もりを判断する材料にもなりません。
2つ目は、必要な支援範囲がサイトの状態によって変わるためです。既存ページが整っているサイトと、サービスページの記載から見直す必要があるサイトでは、必要な工数が違います。平均値は、この差を消してしまいます。
金額の目安を社内資料に必要とする場合は、自社のサイト規模や課題を伝えたうえで、実際に見積もりを取る方が、自社に必要な予算を把握しやすくなります。
見積書で確認したい項目
公開料金に幅がある背景の一つが、支援範囲の違いです。
同じことが、自社が受け取る見積もりにも当てはまります。複数社を比較するときは、金額の欄ではなく支援範囲の欄を横並びにしてください。
次のような比較表を作ると、差が可視化されます。
| 項目 | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| 現状分析・サイト診断 | ○ | ○ | ○ |
| キーワード調査 | ○ | ○ | - |
| 検索テーマの整理 | ○ | - | - |
| サイト構造設計 | ○ | - | - |
| サービスページ改善 | ○ | - | ○ |
| 記事企画 | ○ | ○ | ○ |
| 原稿制作 | 別料金 | 込み | 込み |
| 内部リンク設計 | ○ | - | - |
| 実装 | 別料金 | 対象外 | 込み |
| 効果検証 | ○ | ○ | - |
| 定例 | 月1回 | 月1回 | なし |
| 月額 | ― | ― | ― |
※上の表は比較方法の例です。特定企業の料金を示すものではありません。
この形にすると、月額が高い会社が高いのではなく、範囲が広いだけという場合が見えてきます。逆に、安い見積もりの範囲が自社の課題と合っていれば、それが適切な選択になります。
表を作るときのコツ:各社の提案書に書かれた言葉をそのまま項目名にせず、上のような共通の項目名に揃えてください。同じ作業が会社ごとに違う名前で呼ばれていることがあります。
支援会社そのものの選び方は、物流会社のSEO会社・SEOコンサルの選び方で整理しています。
「高い・安い」ではなく、投資として考える
SEO費用が高いか安いかは、金額単体では判断できません。判断材料になるのは、獲得したい案件の事業価値です。
物流の委託は、一度取引が始まると一定期間続くことがあります。その場合、1件の受注が単年度の売上だけで完結しません。この点を踏まえて考える必要があります。
考え方の枠組み
厳密な財務モデルではなく、投資判断の目安として次のように整理できます。
荷主1社あたりの期待粗利
年間売上 × 粗利率 × 期待継続年数
目標受注に必要な問い合わせ数
目標受注件数 ÷ 受注率 ÷ 商談化率
実際には継続率や追加コスト等も考慮する必要がありますが、ここでは概算の投資判断用に単純化しています。
物流案件の売上・粗利・継続期間・商談化率・受注率は企業や案件によって大きく異なるため、本記事では一般的な平均値を置かず、自社の実績値を使います。
必要な数値は次のとおりです。
- 獲得したい案件1件あたりの年間売上
- その案件の粗利率
- 過去の取引の平均的な継続期間
- 問い合わせが商談になる割合
- 商談が受注になる割合
- Web経由で獲得したい年間案件数
商談化率や受注率を営業部門で把握している場合は、その実績値を使います。把握していなければ、今後計測する指標として整理しておくと投資判断に使いやすくなります。
数値を入れて考える
仮の数値で流れを示します。以下はあくまで計算手順を示すための仮定であり、業界の平均値ではありません。
仮に、獲得したい案件1件の年間粗利が見込め、平均して数年継続するとします。この場合、1社あたりの期待粗利は年間粗利の数倍になります。
仮に、年間3件の受注を目標とし、受注率が3割、商談化率が5割だとします。この場合、必要な問い合わせ数は次のようになります。
3件 ÷ 0.3 ÷ 0.5 = 20件
年間20件の問い合わせが必要という計算になります。この数字が現実的かどうかを、検索テーマの状況と照らして判断します。
ここで重要なのは、計算結果そのものではありません。SEOの費用対効果を、順位や流入数ではなく受注数から逆算して考えるという手順です。
なお、この計算はSEOが必ず問い合わせを生むことを前提にするものではありません。投資として妥当な範囲を把握するための枠組みです。
予算をかける前に確認したいこと
SEOに費用をかける前に、確認しておきたいことがあります。
サイト自体の改善が先の場合
検索から人が来ても、サイトの状態によっては問い合わせにつながりません。
次のような状態であれば、SEO以前にサイトの改善が優先されます。
- サービス内容が読んでも分からない
- 対応できる商材や条件が書かれていない
- 拠点や設備の情報がない
- 問い合わせフォームが見つけにくい
- スマートフォンで表示が崩れる、操作しにくい
この状態でSEOに投資しても、投資分の効果を得にくくなります。
SEO以外の手段が先の場合
そもそもSEOが最適な手段ではない状況もあります。
| 状況 | 検討したい手段 |
|---|---|
| 今すぐ案件が必要 | 営業活動、紹介、リスティング広告 |
| 検索需要が非常に限定的な領域 | 展示会、業界メディア、直接アプローチ |
| 対象企業が数十社と明確 | 個社ごとのアプローチ(ABM的な進め方) |
| サービス内容が社内で未整理 | サービス設計の整理が先 |
| 問い合わせ対応の体制がない | 受付体制の整備が先 |
SEOは、検索している人との接点を作る手段です。対象となる検索需要がほとんどない領域では、SEOによって接点を増やせる余地も限られます。また、成果が出るまでに時間がかかります。
短期で案件が必要な場合、広告や営業の方が適していることがあります。SEOと他の手段は、対立するものではありません。
安いSEOが悪いわけでも、高いSEOが良いわけでもない
金額の高低だけで質は判断できません。
単発診断などで足りる可能性があるケース
- サイト規模が小さい
- 課題がある程度特定できている
- 社内に実装できる担当者がいる
- 必要な記事数が限られている
調査・設計の工数が増えやすいケース
- サイト規模が大きい
- サービスの種類が多い
- 拠点が多く、拠点ページの整理が必要
- 既存記事が多く、棚卸しが必要
- 既存の制作会社との連携が必要
つまり、費用は会社の規模で決まるのではなく、課題の複雑さと支援範囲で決まります。
自社がどちらに近いかを把握したうえで見積もりを見ると、金額の妥当性を判断しやすくなります。
一度にすべてを買う必要はない
見積もりを受け取ると、施策が一覧で並んでいることがあります。すべてが必要に見えて、予算に収まらないという状況になりがちです。
ここで検討したいのは、優先順位をつけて段階的に投資するという進め方です。
判断の材料は3つあります。
- その施策の重要度
- 実装の難易度(自社の体制で実行できるか)
- 実施できる時期
重要度が高くても、実装に外部の制作会社への依頼が必要な施策は、すぐには着手できません。逆に、記事本文の修正のように社内ですぐ対応できる施策もあります。
この振り分けを支援会社と一緒に行うと、初年度の予算を現実的な範囲に収めやすくなります。
実際の物流企業支援で、施策の重要度・実装難易度・実施時期をどう判断したかは、物流会社のSEO支援事例にまとめています。
見積もりを依頼する前に揃えておく情報
同じ前提で提案を受けるために、依頼前に次の情報を整理しておくことをおすすめします。
事業について
- 増やしたい案件の種類(保管、配送、3PL、EC物流、流通加工など)
- 獲得したい荷主の業種・規模・商材
- 対応可能なサービスと、対応できない条件
- 拠点と対応エリア
現状について
- 現在の問い合わせ件数(Web経由とそれ以外)
- Web経由で受注に至った案件の有無
- 営業側の商談化率・受注率(分かる範囲で)
サイトについて
- 使用しているCMS
- 現在の制作会社との契約内容
- Search ConsoleとGA4の設置有無
- サイトを修正できる社内担当者の有無
条件について
- 想定している予算の範囲
- 開始したい時期
- 社内の稟議に必要な資料と期限
この情報を各社に同じ形で渡すと、提案の前提が揃います。前提が揃っていない提案を比較しても、判断の材料にはなりません。
予算の範囲を伝えることに抵抗があるかもしれませんが、伝えた方が現実的な提案を受けやすくなります。範囲を示さない場合、各社が想定する規模がばらつきます。
よくある質問
物流会社のSEOには毎月いくら必要ですか
サイトの状態と依頼範囲によって変わるため、一律の金額はありません。
判断するには、まず自社サイトの課題を把握する必要があります。サービスページの記載から見直すのか、構造は整っていて記事が不足しているのかで、必要な作業量が異なります。
課題が分からない段階であれば、単発の診断から始めて、必要な範囲を確定させてから継続支援を検討する進め方もあります。
単発SEO診断と月額コンサルはどちらがよいですか
社内の実装体制と、継続的な分析・判断を外部に任せる必要があるかが、主な判断材料になります。
診断結果をもとに社内で実装・検証まで進められる場合は、単発診断で足りることがあります。継続的な分析や施策判断まで支援が必要なら、月額支援が適する場合があります。
まず診断を受け、その結果を見て継続支援を判断する、という順序も可能です。
記事制作費はSEOコンサル費に含まれますか
会社によって異なります。含まれる場合と、別料金の場合があります。
同じ「記事制作費」でも、企画と構成案までなのか、執筆まで含むのか、社内ヒアリングを行うのかで内容が変わります。本数だけでなく、含まれる作業を確認してください。
SEOは何か月契約する必要がありますか
支援会社ごとに最低契約期間の設定が異なります。契約前に確認してください。
期間を考えるうえでの前提として、SEOは施策を実施してから検索結果に反映されるまでに時間がかかります。短期間で判断すると、施策の効果を評価できません。
一方で、長期契約を結んだからといって成果が保証されるわけでもありません。契約期間中に何を実施し、どの時点で何を評価するかを、契約前に決めておくことをおすすめします。
成果報酬SEOはおすすめですか
形態そのものの良し悪しではなく、条件次第です。
確認したいのは、成果の定義、対象キーワードを誰が決めるか、成果単価と上限、最低契約期間、成果につながらなかった施策の扱いです。
特に対象キーワードの決め方は重要です。順位を上げやすい語が選ばれた場合、成果条件は満たされても、獲得したい荷主の検索とは重ならない可能性があります。
Web制作会社とSEO会社を別々に頼むと費用は増えますか
窓口が増えるため、調整の手間は増えます。ただし、費用が必ず高くなるとは限りません。
それぞれの得意領域に依頼することで、結果的に効率がよくなる場合もあります。重要なのは、両者の役割分担と連携方法を最初に決めておくことです。
決めずに進めると、SEO側が提案した内容が制作側で実装されないまま滞留することがあります。誰が何を判断し、誰が実装するかを、契約時に明確にしてください。
まとめ|金額の前に、範囲を揃える
この記事の要点をまとめます。
| # | 押さえておきたいこと |
|---|---|
| 1 | SEOという単一の商品はなく、支援範囲は会社ごとに違う |
| 2 | 見積もりは金額ではなく、支援範囲を横並びにして比較する |
| 3 | 物流会社では、検索市場の整理とサービスページの改善に工数がかかる |
| 4 | 実装が含まれるか、別料金か、対象外かを確認する |
| 5 | 費用の妥当性は、獲得したい案件の事業価値から逆算する |
| 6 | サイトの状態やタイミングによっては、SEO以外が先になることもある |
| 7 | すべての施策を一度に発注せず、優先順位をつけて段階的に投資する |
見積もりを比較する段階であれば、まず支援範囲の比較表を作ることをおすすめします。金額の差の理由が見えてくると、判断がしやすくなります。
ツリーズコンサルティングの物流SEO支援料金
ツリーズコンサルティングでは、物流・倉庫・3PL会社のSEOについて、サイトの状況や支援範囲に応じて料金を設計しています。
目安として、初回のSEO診断・改善提案は5.5万円〜、継続的なSEOコンサルティングは月額6.6万円〜です。
単に記事を制作するのではなく、必要に応じて、
- 荷主獲得につながる検索需要の調査
- キーワードと担当URLの整理
- サービスページ・拠点ページの改善
- サイト構造・内部リンクの設計
- コンテンツの企画・改善
- Search Console・GA4等を用いた効果確認
- 問い合わせ内容を踏まえた改善
までを、サイトの課題に応じて組み合わせます。
そのため、同じ「SEO支援」でも、既存サイトの診断と改善設計を中心に行う場合と、サイト構造・サービスページ・コンテンツまで継続的に改善する場合では費用が異なります。
ツリーズコンサルティングは、物流企業大手から中小企業まで、豊富なSEO支援実績を持っています。
まず現状を確認したうえで、必要のない施策まで含めた契約を前提にはせず、優先順位と支援範囲をご提案します。