放電加工会社のサイトで、設備一覧だけ掲載しても、発注担当者が案件適合を判断できないことがあります。
必要なのは、
その設備で、自分のワークを加工できるのか
を理解できる情報です。
放電加工には、ワイヤー放電、形彫り放電、細穴放電などがあり、それぞれ発注条件も異なります。
三菱電機も、放電加工機を形彫・ワイヤ・細穴の3種類として説明しています。また、放電加工はワークと工具電極の間の放電を利用する加工方法で、導電性材料を加工対象とします。
放電加工の検索需要は「知識」と「発注」が混在する
今回のKWPでは、
- 放電加工:5,000
- ワイヤーカット:5,000
- ワイヤー放電加工:500
- 放電加工 会社:50
- 放電加工 依頼:50
が確認できました。
重要なのは、
5,000すべてが発注者ではない
ということです。
「放電加工とは」は技術学習。
「放電加工 依頼」は発注。
検索意図に応じてページを分けます。
ワイヤー放電ページに必要な情報
ワイヤー放電では、
- XY加工範囲
- 最大高さ・板厚
- 最大ワーク重量
- ワイヤ径
- テーパ対応
- 最小コーナRの考え方
- 材質
- 加工液
- 面粗さ
- 精度
- 測定
- 加工事例
などが判断材料になります。
FANUCのROBOCUTでも、機種別にXY・UV・Zストロークや対応ワイヤ径が示されています。これらは同機種の仕様であり、加工会社が保証できる実務範囲とは別ですが、発注者が設備から知りたい条件の例として参考になります。
三菱電機もワイヤ放電について、ワイヤ径やテーパ加工などを技術特性として説明しています。
「最小R」はワイヤ径だけを書けばよいわけではない
小さなコーナRを求める案件では、ワイヤ径が重要になります。
ただし実際の加工結果は、
- ワイヤ径
- 放電ギャップ
- 加工条件
- 材質
- 板厚
- 機械
などに影響されます。
したがって、
最小R○○まで可能
と単独で書くなら、自社条件で保証できる範囲として掲載します。
形彫り放電では別の発注条件が必要
形彫りでは、
- 電極材質
- 電極形状
- 加工深さ
- コーナ形状
- 面粗さ
- 電極本数
- 加工ギャップ
- 加工液
- 排出・フラッシング
- 加工時間
など、ワイヤーとは違う情報が重要になります。
ソディックのFAQでも、加工エネルギーと面粗さ、放電ギャップ、電極消耗、加工くず排出のためのフラッシングなどが形彫り放電の加工条件として解説されています。
つまりSEOページでも、
形彫放電できます
だけではなく、どのような加工課題へ対応できるかを具体化できます。
面粗さは「小さいほど良い」と単純化しない
放電加工では、加工速度と仕上げ条件にトレードオフがあります。
ソディックも、加工エネルギーが大きいほど加工速度が上がる一方、面粗さが粗くなりやすい傾向を説明しています。
したがってサイトでは、
Ra○○まで
だけでなく、
- 荒加工
- 仕上げ
- 要求面粗さ
- 加工時間
との関係を説明できると、技術力が伝わります。
加工液も技術条件になる
放電加工では加工液が、
- 絶縁回復
- 冷却
- 加工くず排出
などの役割を担います。
加工会社サイトで全ての条件を公開する必要はありませんが、
水仕様・油仕様などで対応可能範囲や得意分野が変わるなら、説明材料になります。
加工事例に何を書くか
放電加工事例では、
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 加工法 | ワイヤ/形彫/細穴 |
| 材質 | ワーク材 |
| 寸法 | ワーク・加工部 |
| 厚さ・深さ | 加工条件 |
| 精度 | 必要なもののみ |
| 面粗さ | 必要なもののみ |
| 形状 | テーパ、スリット等 |
| 設備 | 使用機 |
| 電極 | 形彫の場合 |
| 数量 | 試作・小ロット等 |
| 課題 | 加工上の難点 |
| 測定 | 確認方法 |
を検討します。
ソディックの公開加工例でも、ワーク材質、電極材質、加工深さ、面粗さ、コーナRなどを条件として示しています。これはソディックの加工サンプルの値であり、業界一般の性能ではありません。
「高精度加工」とだけ書かない
FANUCでは特定条件下での高精度加工事例を公開していますが、当然ながら結果は機種・材料・板厚・加工回数等の条件付きです。
加工会社側でも、
±○μm対応
だけを独立して訴求するのではなく、
- 材質
- サイズ
- 測定
- 加工内容
をセットで事例化した方が信頼性があります。
放電加工ページのサイト構造例
放電加工
├ ワイヤー放電
├ 形彫り放電
├ 細穴放電
│
├ 材質
│ ├ 超硬
│ ├ SUS
│ └ チタン等
│
├ 条件
│ ├ 厚物
│ ├ 微細
│ └ テーパ等
│
└ 加工事例
ただし、すべてを独立させません。
検索需要も実績もないページを作ると薄くなります。
問い合わせ時に必要な条件もSEOページへ書く
たとえば、
- 図面
- 材質
- ワーク寸法
- 加工内容
- 要求精度
- 面粗さ
- 数量
- 納期
があると見積しやすいなら、問い合わせ前に伝えます。
発注者にとっても、
何を送れば相談できるか
が明確になります。
P27と他記事の境界
- P06=加工方法ページ一般
- P08=加工事例一般
- P25=難削材全体
- P27=放電加工固有
です。
P27では「SEO一般論」より、
ワイヤー/形彫り/細穴の加工条件をWeb上でどう表現するか
に比重を置きます。
まとめ
放電加工会社のSEOで重要なのは、
放電加工について詳しい記事を増やす
ことではありません。
発注担当者が、自分の図面を相談できる会社か判断できるページを作ること
です。
設備・加工事例・検索需要から、優先ページを設計します。