金属加工会社のホームページでは、「対応業界」として、
- 半導体
- 医療
- 食品機械
- 産業機械
- 自動車
- 航空宇宙
- ロボット
などを一覧掲載していることがあります。
しかし、発注担当者が知りたいのは、「半導体業界に対応していますか」だけではありません。
実際には、
- 半導体製造装置向けのSUS304部品を加工できるか
- 医療機器向けのアルミ部品でこの精度に対応できるか
- 食品機械向けのステンレス部品を表面仕上げまで依頼できるか
- 航空宇宙向けのチタン加工実績があるか
というように、業界 × 材質 × 加工方法 × 精度 × 工程で加工会社を評価します。
そのため、金属加工会社のSEOでは、対応業界を会社概要の一覧で終わらせず、重要な業界について独立したページを作る方法があります。
ただし、ここでも業界名だけ変えたページを大量生成してはいけません。
用途・業界別ページの役割は、「この業界の仕事なら、この会社は何をどこまで対応できるのか」を示すことです。
御社の業界実績を、単なる「対応業界一覧」ではなく検索される営業ページへ整理します。 半導体、医療、食品機械、産業機械など、独立ページにすべき市場とまとめるテーマを設計します。
業界別ページは「業界紹介ページ」ではない
ありがちな構成が、
半導体市場は今後も成長が期待されています。
医療機器業界では高い品質が求められます。
食品機械では衛生性が重要です。
という一般論です。
これでは、加工会社を選ぼうとしている発注担当者にとって情報価値が低いでしょう。
業界別ページで重要なのは、
- どんな部品実績があるか
- どんな材質を扱っているか
- どの加工方法を使うか
- どんなサイズ・ロットが多いか
- どんな公差・表面状態の実績があるか
- どんな前後工程を扱えるか
- どう品質確認しているか
です。
業界の説明ではなく、その業界向けの加工経験を説明するページにします。
「半導体向け加工」といっても1種類ではない
半導体製造装置向け加工では、
- SUS304のシャフト
- A5052のブロック
- SS400の装置部品
- アルミのプレート
- 真空フランジ
など、部品も材質も異なります。
要求も、
- 同軸度
- 平面度
- 平行度
- H7穴
- 円周振れ
- 穴ピッチ
など様々です。
つまり、「半導体製造装置部品に対応」だけでは情報が足りません。
たとえば自社が半導体向けで実際に得意なのが、
- アルミベースプレート
- SUSフランジ
- 真空部品
- 装置フレーム
- 小ロット精密切削
なら、その範囲を具体化します。
医療機器向けページも「高品質です」だけでは弱い
医療機器という言葉から、非常に厳しい品質要求を想像するかもしれません。
しかし実際の加工案件では、材質もサイズ・ロット・要求精度も案件ごとに違います。
したがって、
医療機器は高精度が求められるため、当社は高品質加工で対応します。
だけでは不十分です。
自社が実際に経験している、
- アルミ切削
- 微細形状
- 傷禁止部品
- 表面粗さ要求
- 小ロット試作
- 量産前試作
などを、加工事例とともに示します。
食品機械向けでは「材質」以外の要求も見せる
食品機械向けではSUS304などステンレスを使う案件が多く見られますが、食品機械というだけで全案件が同じ条件になるわけではありません。
実際の加工では、
- 切削
- レーザー加工
- 曲げ
- TIG溶接
- ヘアライン仕上げ
まで組み合わせることがあります。
ページでは、
- ステンレス対応
- 溶接後仕上げ
- 表面状態
- バリ取り
- 洗浄可否
- 材料証明
- 部品単体かAssyか
など、自社が実際に扱っている条件へ落とします。
航空宇宙向けページでは「チタン対応」だけで終わらせない
航空宇宙関連ではTi-6Al-4Vのようなチタン合金を扱うケースがあります。
ただし、個別事例の精度値や条件を、航空宇宙業界全体の必須条件のように一般化してはいけません。
用途ページでは、自社がどの材料・形状・工程・精度で航空宇宙関連の経験を持つかを示します。
用途別ページと業界別ページは分けて考える
「業界」と「用途」は似ていますが、必ずしも同じではありません。
業界
- 半導体
- 医療
- 食品
- 航空宇宙
- 自動車
用途
- 真空装置
- 搬送装置
- ロボット
- 治具
- 検査装置
- ポンプ
- シャフト
- フランジ
たとえば真空部品は、半導体だけでなく研究装置や産業機器にも使われる可能性があります。
逆に同じ半導体業界でも、ベースプレート、シャフト、フランジ、カバーでは加工条件が全く違います。
そのため、業界軸と用途軸を何でも1対1で対応させないことが重要です。
業界別ページを独立させる5つの基準
| 判断項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 実績 | その業界の案件が複数あるか |
| 独自性 | 他業界とは違う要求を書けるか |
| 受注価値 | 今後増やしたい市場か |
| 検索意図 | 業界名で外注先を探す意図があるか |
| 情報量 | 独立ページとして十分な内容があるか |
「対応実績がある」というだけで全業界をページ化する必要はありません。
「半導体」「医療」「食品機械」を全部同じテンプレートで作らない
危険なのが、
半導体部品加工 医療機器部品加工 食品機械部品加工 航空宇宙部品加工 産業機械部品加工
を作り、
当社は○○業界向け部品加工に対応しています。高品質・短納期でお応えします。
という文章だけ業界名を入れ替える方法です。
これではページの独自性がありません。
各ページでは、最低でも、
- 実際の部品例
- 主な材質
- 主な加工方法
- サイズ・ロット
- 要求精度
- 表面処理・熱処理
- 測定・検査
- 実際の加工事例
の違いを出します。
加工方法ページ・材質ページとの役割を分ける
たとえば、SUS304の半導体製造装置用フランジをNC旋盤+マシニングで加工した事例なら、
加工方法軸
NC旋盤・マシニングで何ができるか
材質軸
SUS304をどう加工できるか
業界・用途軸
半導体製造装置向けでどんな実績があるか
加工事例
その1案件の具体的条件
という分担になります。
同じ事例を4ページにコピーするのではなく、1件の加工事例を各軸から参照する設計です。
業界別ページは加工事例DBの集約ページとして使える
加工事例に、
- 材質
- 加工方法
- 業界
- 用途
- ロット
- 精度
などの属性を持たせておけば、
半導体向け加工 ├─ 半導体向けSUS304フランジ ├─ 半導体向けA5052ベース ├─ 半導体向け長尺シャフト └─ 半導体向け真空部品
と、業界ページから関連事例を一覧化できます。
これは新しい記事を毎回ゼロから書くより効率的です。
「対応業界多数」は強みとは限らない
ホームページに、
半導体、食品、医療、自動車、航空、鉄道、ロボット、建設、農業、エネルギー……
と20業界並べても、すべてが同じ強さではありません。
むしろ、
- 半導体製造装置向けA5052プレートを継続受注
- 食品機械向けSUS部品を一貫対応
- 医療機器向け小ロット試作が得意
のように、実績の濃い業界を深く見せる方が説得力を持ちます。
業界別ページに「品質要求」を書くときの注意
「半導体は高精度」「医療は厳しい」「食品は衛生的」という一般化だけで書かない方がよいでしょう。
実際には、
- 部品用途
- 客先仕様
- 図面
- 材質
- 製造工程
- 検査方法
によって要求は変わります。
したがって、自社実績ベースで書きます。
業界の一般ルールと、自社の個別事例を混同しないことが重要です。
「半導体・医療・食品機械に対応」で終わっていませんか? 業界ごとの部品・材質・加工方法・精度・実績まで整理し、発注担当者が加工可否を判断できるページへ変えます。
認証・品質規格は「持っているなら書く」
業界によっては、
- ISO 9001
- ISO 13485
- JIS Q 9100
- 顧客固有認定
- トレーサビリティ
- 材料証明
- 検査成績書
などが発注条件になる場合があります。
しかし、持っていない認証を「この業界では必要」と一般論だけで強調すると、かえって自社が不適合に見える可能性があります。
用途・業界別ページでは、実際に自社が保有・対応している品質体制だけを掲載するのが基本です。
「用途」と「業界」のどちらを先に作るか
優先順位は、自社の受注パターンで決めます。
業界で選ばれる会社
- 半導体装置向け実績が豊富
- 医療機器メーカーとの継続取引が多い
- 航空宇宙関連の認証・経験がある
→ 業界別ページ優先
部品・用途で選ばれる会社
- 真空フランジが得意
- 長尺シャフトが得意
- 治具・ベースプレートが得意
- カバー・筐体が得意
→ 用途別ページ優先
必ずしも「半導体」「医療」のような大分類から始める必要はありません。
用途別ページの方が発注意図に近い場合もある
たとえば発注者が、
半導体 部品 加工
より、
真空フランジ 加工
長尺シャフト 加工
SUS304 ベースプレート 加工
と探しているなら、用途・形状ページの方が受注に近い可能性があります。
ここはKWPやSearch Consoleを使って判断します。
数値がない状態で、業界名が有名だからという理由だけでページを作らないことです。
業界ページには「実際に使われる加工技術」をつなぐ
たとえば半導体向けページから、
- NC旋盤
- マシニング
- 5軸
- 研削
- 放電
- 板金
のうち、実際にその会社が半導体案件で使っている加工ページへリンクします。
食品機械なら、
- 切削
- 板金
- 溶接
- 表面仕上げ
など、実態に合わせます。
業界別ページには加工事例を3〜6件程度見せる
業界別ページ自体が営業コピーだけだと弱くなります。
たとえば半導体向けなら、
- SUS304 フランジ
- A5052 ベースプレート
- 長尺シャフト
- 真空部品
など、その業界で実際に行った案件を掲載します。
個別事例に、
- 材質
- サイズ
- ロット
- 公差
- 加工方法
があると、発注担当者が自分の案件との近さを判断しやすくなります。
業界別ページの基本テンプレート
1.この業界で対応している部品・用途
何を作っているか。
2.主な材質
実績材質。
3.主な加工方法
切削、研削、板金、溶接等。
4.対応サイズ・ロット
実際に受けている範囲。
5.この業界で多い要求
自社実績に基づく精度・仕上げ・検査等。
6.品質・測定
実際の検査方法。
7.前後工程
熱処理、表面処理、溶接、組立等。
8.加工事例
業界タグの付いた実績。
9.関連加工技術
加工方法・材質ページへのリンク。
10.図面・見積CTA
案件相談。
「業界別ページ=会社の業界実績一覧」だけにしない
業界名と企業ロゴだけを並べる構成もあります。
しかし、顧客名を公開できないBtoB製造業では、ロゴを出せないことも珍しくありません。
その場合でも、
- 業界
- 部品用途
- 材質
- サイズ
- 加工方法
- 要求条件
- ロット
を匿名化して示せます。
「顧客名を公開できないから業界別ページが作れない」とは限りません。
NDA案件では公開粒度を調整する
特に新製品や装置部品では、
- 顧客名
- 装置名
- 図面
- 詳細用途
を公開できない場合があります。
その場合、
半導体製造装置向け部品
材質:A5052
加工:マシニング
サイズ:○○
ロット:○○
のように、守秘義務に抵触しない範囲で抽象化します。
契約上公開不可なら、当然掲載しません。
業界別ページを営業にも使う
用途・業界別ページはSEOだけの資産ではありません。
たとえば新規営業で半導体装置メーカーへ連絡するなら、
当社の半導体向け加工実績はこちら
と、業界ページへ案内できます。
そこから加工事例、加工方法、設備、問い合わせへ移動できれば、Webサイトが営業資料として機能します。
KPIは「業界ページのPV」ではない
業界別ページで見るべきなのは、
- 検索表示
- 流入
- 加工事例閲覧
- CTAクリック
- 図面・問い合わせ
- その業界の有効案件
- 見積
- 受注
- 継続受注
です。
たとえば「半導体」でPVが増えても、採用情報を探す人や業界情報を読む人ばかりなら成果ではありません。
発注意図との近さを見ます。
Search Consoleでは「業界×加工条件」を確認する
公開後は、
- 半導体 切削
- 半導体 SUS304 加工
- 医療機器 アルミ 加工
- 食品機械 ステンレス 加工
- 航空 チタン 加工
など、実際にどんな組み合わせで表示されているか確認します。
そこから、
を判断します。
最初からすべての掛け合わせを作る必要はありません。
用途・業界別ページで避けたい6つの失敗
1.業界紹介ばかり書く
加工会社としての情報が少ない。
2.業界名だけ変えたページを量産する
本文差がない。
3.「高品質・高精度」で終わる
具体的な要求・実績がない。
4.加工事例とつながっていない
その業界の経験を証明できない。
5.材質・加工方法ページと同じ内容
ページ役割が重複する。
6.認証や要求を一般化しすぎる
個別案件の条件を業界全体の必須条件のように書く。
まとめ|用途・業界別SEOは「業界名」を加工条件へ翻訳する
用途・業界別ページSEOの目的は、
半導体対応
医療対応
食品機械対応
というロゴ一覧を増やすことではありません。
その業界名を、業界・用途 × 部品 × 材質 × 加工方法 × サイズ × ロット × 精度 × 品質・検査 × 加工事例という発注条件へ翻訳します。
そして、
- 加工方法
- 材質
- 用途・業界
- 設備
- 加工事例
- 図面問い合わせ
を別ページとして役割分担し、内部リンクでつなぎます。
「この業界の仕事をやったことがあります」から、「自分の案件に近い実績があり、この条件なら相談できそうだ」へ変えることが、用途・業界別ページの役割です。
御社の加工技術を、検索されるページへ整理します。 業界・用途、材質、加工方法、加工事例、品質・検査、図面問い合わせまで確認し、新規受注につながるサイト構造をご提案します。